ファッションビル研究所

2004年02月18日(水曜日) #008.メールマガジンの難しさ(筆者の業務経験から)

大企業からの個人情報漏洩が良く報道される。個人レベルでその実感が湧くのは見覚えの無い所からの広告メールが届いた時だろう。
情報漏洩の報道がなされる度、アドレスの無断利用など、デジタル情報の扱いは非常に希薄な責任感の上で成り立っているように思える。これは管理者の良識に委ねるか自己防衛するしかない。
筆者もそのことを踏まえてメルマガなどを取る時は捨てアドレス(もし悪用などされた場合に捨てても構わない無料メールアドレス)を晒す。この捨てアドレスは幾ら無料であっても、新たに取得するには結構面倒な手続きが必要だ。
今まで様々なメルマガを購読してきたが、個人的に有効だと感じたのは購読新聞社の購読者にだけ配信しているメルマガだけだ。半有料ともいえるこのメルマガは内容も購読新聞と並列したもので、購読者の要求情報から大きくそれる事は無い。
その他殆どのメルマガは無用の情報(宣伝まがい記事)である。必要な情報をメルマガで受け取りかつ探すより、インターネットで探すほうが遥かに効率的であると思わせるほど、現在のメルマガと読者の間には要求情報の格差がある。

メルマガの殆どが人の目に触れずに捨てられるのは、
?インターネットの膨大な情報量の前ではメルマガはインパクトが薄すぎる、?上記のようにアドレスの不正使用を嫌う、?読者の要求情報との格差がある
この3つがが大方の理由だろう。

結局の所、現在のメルマガの利用価値は紙媒体の補助としての利用が一番有効ではないだろうか。例えば、自宅では新聞を広げて読むが、通勤電車の中では携帯に送られてきたメールを読むなど。
大手新聞社の中にも従来の紙媒体と平行してオンライン配信がなされている所があるが、デジタル書籍の拡充が進む現在においても、書店が"紙媒体の本は絶対に無くならない"と言い切るように、新聞業界でも上記の傾向が更に強くなったとしてもオンライン配信が紙媒体に取って代わる事は無いだろう。
配信チャネルの多様化によりそれぞれの情報内容の劣化や変化があるわけではないが、情報の受信側が生身の人間である限りデジタルへの移行は一本調子ではいかない。化石燃料を使う自動車と電気自動車の間にハイブリッド車が存在するように、必ず移行の過程にバッファとしての"紙媒体とデジタル媒体のハイブリッドなるモノ"が必要なのである。自動車のエンジンとは違い、人間に直に触れる物であるのでその傾向は自動車のそれに比べ更に顕著である。
よって情報の発信をデジタル配信にだけ頼るのは現在においてはまだ早すぎると考える。
人間側の完全デジタル配信の受入れはまだまだ長い過渡期が続く事だろう。