ファッションビル研究所

2004年03月31日(水曜日) #014.メンズジャケットのストレッチ化

先週平日の晩、春夏物のジャケットを探しに百貨店を何箇所か廻った。ある店員とストレッチ素材の事で話をした。何故春夏物のメンズジャケットにこれだけストレッチ素材が無いのかを聞いてみると、?素材レベルでひんやり感が損なわれてしまう点、?ポリウレタンを混ぜてしまうと素材の密度が増して通気性も犠牲になる、という答えが返ってきた。説明は理論的で非常に納得出来るものである。
色々見て廻っていると、J.PRESS(オンワード樫山)のジャケットは横方向にだけ最小限のストレッチを掛けた物で、素材のひんやり感が殆ど損なわれていない物だった。試着すると弱いストレッチにもかかわらずコットン100%のジャケットからは比較にならないほど動きやすいものである。結局これは買わなかったのだが。先の店員の明快な説明が霞んでしまう程、ストレッチとひんやり感、通気性が確保された物だった。
ストレッチ素材を毛嫌う”食わず嫌い消費者”がいるのも確かだろう。この事については後々執筆する。
逆に冬場はストレッチ素材にかなり助けられる。冬場の朝、コットンパンツを穿くのは拷問に近い。ストレッチ素材に心底感謝する。毎日の事だとかなりのストレスになるだろう。
ストレッチ素材は夏場に向いていない素材かもしれないが、J.PRESSのように極軽くストレッチを掛ける手法や、衣服の可動部にだけにストレッチ素材を使うなどやり方は幾らでもある。
その後で上述した消費者側の意識改革(宣伝)が必要となる。
ストレッチ素材(機能性素材)に関しては、消費者の好みを無視してでも製品化を進め、消費者を納得させるレベルにまで商品の質を上げるべきである。
”本当に良いモノ”が出来ると消費者は後からついてくるものだ。これは楽観論でも精神論でもない。ブランド物を着つつその機能性の悪さ、着心地の悪さを”高いブランド物だから”と潜在的な不満を持ちながら、やむなくそれを着ている消費者も大いにいることだろう。”不良債権化した服”と言えなくも無い。人の心理とはそういうものだ。
潜在的不満を持っている消費者の一部が使い易さや機能性に気付くと他の大勢が一斉に追従する可能性は大きい。