ファッションビル研究所

2004年06月30日(水曜日) #026.カジュアル量販店の和装戦略コンセプト

着物業界には”井の中の蛙は井の中に居れば良い”という発想が未だ根底にある。この事は店頭を見ているとひしひしと感じる。着物をただ見るだけでも叶わない事が多い。店頭は何か特別な物を売り付けるが如く排他的雰囲気で威嚇しているようだ。ユニクロの浴衣はそれらに対抗する為の挑戦と曲解できる。今回のユニクロの和装戦略には、見る事もままならない”着物”を、買ってもらわなくても、とりあえず気軽に見て触ってもらうというコンセプトを感じる。
ユニクロの浴衣は3,800円という価格からすると驚くほど多彩である。レディス30、メンズは3、キッズは5の柄がある。
和装の機能美を全く知らない人の為の入門着としても最適価格である。今回のカジュアル量販店の和装戦略は着物業界全体に好影響を与える。和装の入り口を指し示したという点でも大いに意義がある。
現在浴衣で外出するシチュエーションは実質祭り位でしかない。室内着として作務衣を愛好する人は多い。室内着、年中着としての機能は夏場限定の浴衣を凌ぐ。
和装の入門着としての浴衣戦略はコンセプトとしてはすばらしいが、普段の生活の中で和装を楽しみ、それを定着させるという点では役不足だ。
作務衣にこだわる必要は無いが、ユニクロにはそれに準じた和装の開発、販売を望む。