ファッションビル研究所

2004年09月03日(金曜日) #035.ファッションビルにおけるセレクトショップの占有化

ファッションビルの総セレクトショップ化が進行している。
セレクトショップに来る人は一つのブランドイメージに縛られない、多様性を求めている。どこかに所属するという感覚を非常に嫌う。少し脱線するが、この現象は社会問題にもなっている。一般的に新卒や若い人たちがフリーターの道を選ぶ理由は自分が何をやりたいのかわからない、或いは、将来漠然とやりたい事があってというのが大方の理由であるかの如く片付けられているが、根底はどこかに所属する、事実上特定の会社に身を捧げる、服従するという感覚を非常に嫌っているのだと考える。その事は少々強引だがファッション自体の組み合わせにも現れる。上品なジャケットでドレスアップしながらジーパンでドレスダウンを図るなど。ジャンルを跨ぐコーディネイトが多くなったのも上記のそれと根底でつながっていると考える。
特定のブランドイメージに染まる事をも拒絶する。服選びにおいても特定ブランドに縛られる事の無いセレクトショップに傾行するのは当然の成り行きである。だから幾らセレクトショップであっても、どこのセレクトショップの商品であるのかがわかる程の個性は必要無いのである。要するに個性のあるセレクトショップはもはや存在意味自体が無いのである。よってセレクトショップにおける優劣は、多様性の優劣でしかない。筆者はファッションビルにおけるセレクトショップの占有化を少々危惧の眼差しで見物している。セレクトショップ側にしてみれば、多様性を実現させるために幅広い商品セレクトが進化の過程であるが、例えはおかしいがギャンブルに置き換えて考えてみると、これは全てのパターンに幅広く投資しトータルで収益を確保すると言う非積極的なものであり、セレクトショップにとってはそれが限界だからである。進化の方向性は多く持てば持つほど厚みが増し更なる発展に貢献できる。