ファッションビル研究所

2004年09月16日(木曜日) #037.アパレル業界慣習と顧客訴求のタイムラグ

7月末から店内は秋色一色に変わりますとのたまっている店舗を見て、率直に”早ければ早いほどエライのか!!”と心の中で叫んでしまった。うだるような外気温にさらされながら服を見に来て、ちょっと肌寒い秋の装いを冷静になって買う事の出来る消費者がどれだけいるのだろうか?常識で考えてみて思わず笑ってしまうこの業界特有の飛びぬけた部分が伺える。
ブランドの稀少性を保守するため、顧客の反応を見るためにシーズン初頭に小ロット多種の商品が並ぶ。シーズン中盤では既にお目にかかる事さえ出来ない商品も出てくる。お目当ての商品がシーズン中盤に無くなっているのならまだしも、そんな商品自体の存在を知らなかったという事態も多々遭遇する。店員が店の奥から出してきてはじめて知る。
良く知る消費者だけがシーズン初頭に買い物をする。賢明な消費者だけを相手にしていると、業界は更に青田狩りが進行するだろう。この市場閉鎖的な動向は新規顧客獲得の機会をもむしり取ることになる。
マニアック、エンスーな顧客は一定数存在し大切な顧客だが、その人たちの過剰保護によって新規顧客獲得を疎かにして裾野を広げない戦略は、市場、規模縮小にもつながり、鎖国主義以外の何物でもない。この事は規模の大小あれど他業種でも散々議論がなされていて、結論は出し尽くされている。ヘンな所にこだわりを見せるのはスマートではない。