ファッションビル研究所

2004年11月24日(水曜日) #047.カルフール撤退に見る、日本市場における小売の性格

食料品売り場は秀逸だ。なるほど他の大手スーパーと性格を異にしたフランスを意識した品揃えはオープンから3年たった現在でも、行く度新鮮な驚きを与えてくれる。
服売り場に目を向けると、状況は悲惨だ。人を見かけない。他のスーパーと何ら代わり映えしない商品群。他のスーパーの服売り場と何が違うのか理解に苦しむ。日常最低限必要な下着の類ですらほとんど売れていない。フロア責任者は日本人がカルフールに何を求めているのか一切理解していないようである。このフロアを例えるなら、電化製品の量販店がブランド品を併売している感覚に近い。要するにフロアの見た目も考え方も安っぽい。ユニクロにおけるフロアとは性質がまるで違う。
例えるのは難しいが、概念的に言うと「安い」と「安っぽい」の違いだ。「安い」と言うのは商品価値が価格に勝っている状態で、「安っぽい」と言うのは商品価値が価格に負けている状態である。カルフールの服に関しては結果的に後者を見掛ける事の方が多かった。少なくとも筆者はこのフロアで、フランスの香りのするアイテムに遭遇した事がない。フランスを意識したアイテムがあれば、売り場の”安っぽさ”はある程度回避できたに違いない。
結果的に洋品雑貨のフロアの不振が、一消費者である筆者の御用達食料品売り場の足を引っ張った事はいたたまれない。
日本市場においては10年単位で長期戦略を立て消費者の信頼を得なければ、顧客の定着は難しい。それほど日本市場における他の大手スーパーのサービスは徹底したものがある。日本の小売、サービス業は世界的に見ても優秀で、外資の荒削りスーパーの撤退は今となっては別に珍しい事象ではない。
良い物を持ちながら、同じ間違いで日本市場を後にする外資が多い事に痛々しさを感じずにいられない。