ファッションビル研究所

2005年06月28日(火曜日) #078.百貨店の”専門店化”と”箱ショップの壁撤廃”は要注意

<ブランドの本質とは差別化である>
もはや専門店化する百貨店とファッションビルの違いは殆ど無い。
新宿三越は2005年3月31日に「アルコット」として百貨店から雑貨中心の専門店ビルへ改装した。若い女性の集客を狙っているとの事。
箱ショップの壁撤廃については「2005年03月15日(火曜日)伊勢丹新宿店シンデレラシティの大改装」で一度述べた。ブランドの敷居を低くし、排他感を無くした売場は成功した。
ここでゲート効果について話す。クレジットカードを思い出してほしい。シルバー、ゴールド、プラチナ・・・。第一のゲート、第二のゲート・・・。人はある程度の敷居があると、入りたくなるという衝動が起きる。百貨店には二つのゲートがある。百貨店自身が第一のゲート。インショップが第二のゲート。
百貨店のファッションビル化と、箱ショップの壁撤廃は見事に百貨店の二つのゲートを取り払っている事に気づくだろう。
百貨店界はブランドの定義を見失ってきている。敷居のないブランドはもはやブランドではない。ブランドの本質とは差別化なのだから。極論すると敷居あっての百貨店。敷居を無くす事は自虐行為とも言える。ともかく見てもらわないと始まらないショップ側にとっては、ブランドイメージの維持が足かせの様に思うだろうが。
伊勢丹新宿店の箱ショップの壁撤去戦略は、一見平場を思わせるだけに百貨店自身のブランド保護になっているように見える。
が、上述の様に二つのゲートを取り払う事によって、少しづつ百貨店自身のブランドを侵食している。この事実に目を背けてはならない。