ファッションビル研究所

2005年09月13日(火曜日) #089.百貨店という業態こそセレクトショップに向いている

先々週このコラムで「百貨店の正常進化の最終形は”高級セレクトショップ”である」と書いた。その続きを記す。
筆者は百貨店のセレクトショップ化が百貨店自身のブランドを守り、如いては他の百貨店との競合防止にもつながり、ファッションビルとの差別化も図れるとみている。
インショップとして迎え入れるのではない。百貨店自体がセレクトショップ化するという事。要するに総平場化。
現状の専門店街化された百貨店は、いわばユニットで構成されたプレハブ建築に近い。ユニットで構成された物には個性が無い。
差別化を見出せない業界は衰退するしかない。例えば家電量販店。もはや潰し合いにしか見えない。説明する必要も無いだろう。
セレクトショップはブランド又はノーブランドアイテムをショップのブランド(信用)として展開する業態。
ファッションビルにおけるセレクトショップ台頭の危険性はかつてこのコラムで指摘した。セレクトショップ業態特有の「ブランドには拘りたくないが、確かな物が欲しい」と言う客層の競合と、「ブランドには拘りたくない」がゆえセレクトショップ間で客が流動してしまう危険性を孕んでからいるからだ。
単なる客の流動を相乗効果とは言わない。筆者がセレクトショップという業態が個別店舗、路面店に向いていると言う理由はここにある。
セレクトショップが百貨店の本来目指すべき「自らのブランドを掲げてセレクトした商品を提供する」という大義を有している点、セレクトショップが上述したように個別店舗に向いているという点、セレクトショップ化によって百貨店自身のブランド保護につながるという点、これらの理由により筆者は「百貨店の正常進化の最終形は”高級セレクトショップ”である」と考えている。