ファッションビル研究所

2005年09月20日(火曜日) #090.ウォームビズ、アパレル界の役目は季節感の無い物に季節感を与える事

第一生命経済研究所は環境省が省エネのために打ち出した「ウォームビズ」について、約2323億円の経済効果があるとの試算をまとめた。ニット製品や保温性の高い下着などを新たにそろえることで、男性が1人当たり約2万6000円、女性が2万3000円出費する事を前提に試算したとの事。
無茶な試算に笑ってしまった。「ウォームビズ」対策のために1人当たり改めて2万6000円分の衣料を買い足すと言うのか。あり得ない。
こういう話になると必ず経済効果云々と言うのが出て来る。経済効果を語るのはおかしい。暖房を強めれば電力を消費し実質的に経済効果は上がるのだから。かといって経済効果ではなく環境云々を言い出すと更に質が悪い。発電のための化石燃料を減らす代わりに、化繊を多く占める衣料を改めて買うわけだから。暖かさを増す機能性素材に化繊は不可欠。
一枚多く羽織らせるというのはお役人の発想。
季節感の無いアイテムに季節感を与え、ワードローブを入れ替えさせるというのがアパレル界本来のスマートな発想ではないだろうか。
信用ならない経済効果、環境云々を語るお役所を横目に、アパレル界からは冬用ビジネスウェアの提案を発信すべきだろう。
筆者が特に言いたいのはワイシャツ。上着と違ってワイシャツに関しては殆ど季節感が無い。機能性の違いによって夏用シャツ、冬用シャツを区別させる。これだけでワードローブの入れ替え効果が期待できる。
「ウォームビズ」の無理やりな理由付けに対して批判的に書いたものの、こういう傾向はアパレル業界にとって追い風になる事は確か。
オフィスだけではなく、ファッションビル、百貨店などの商業施設でも、夏場の冷房はともかく、冬場の暖房は極力控えてほしいというのが一消費者である筆者の思い。
暑さで脱いだ上着を持ってのショッピングは正直疲れる。