ファッションビル研究所

2005年10月18日(火曜日) #094.2011年「百貨店なら梅田」が完結へ、三越の梅田出店

三越は先週、建設中のJR大阪駅新北ビル内に新店を出店すると正式発表した。2011年春にオープン予定との事。
2011年は梅田の百貨店にとって記念すべき年とも言える。今回の三越のほか阪急、大丸がそれぞれ大規模な建て替え、増床が完了する年だからだ。
三越の梅田地区参入を他の百貨店が競合とみなしそれを危惧しているのなら実にネガティブシンキング。
「金持ち喧嘩せず」。この言葉の真意は金持ちの引き出しの多さに由来している。実に稚拙な言い回しで申し訳ないが、引き出しが多い百貨店に是非贈りたい言葉。特に百貨店におけるサービスという引き出しは多い。百貨店のサービスの多種多様さが各百貨店に個性、オリジナリティを与え、ひいては競合を無くす。
これも、以前から筆者が唱えている平場の充実化が前提になる。
平場あっての百貨店独自サービスだからだ。
儲からなければ即撤退という現状の小売の悪習に嫌気をさしているのは筆者だけではないだろう。特に家電量販店。サービスを声高にアピールしているが、店舗自体が入れ替わってしまうのだからサービスなど無いに等しい。
こういう小売の現状において、百貨店の担う本物のサービスの提供、その存在意義は大きい。
サービスはもちろんの事、扱う商品が高級であればあるほど、趣味性が増し、競合相手になりにくいというのも百貨店にとっての強みであり、「金持ち喧嘩せず」の一側面とも言えるだろう。
三越の梅田出店の意義は、心配される競合より相乗効果の方が甚だしい。
「百貨店なら梅田」という構図が完成に近づくからだ。
これら百貨店は全て梅田地下街でつながっている。梅田の地下街は日本最大。複雑でもあり、筆者は未だに、ある地点からある地点への移動で最短ルートが即座に出てこない。複雑怪奇ゆえ探検気分、偶然の愉しみというのもある。
上記の百貨店はもちろん、ヘップ、イーマ、ハービスエントの主要ファッションビル、ディアモール、ギャレなどのモールも全て地下街で通じている。
筆者のような商業施設を研究する者にとっても最高のフィールドでもある。
大阪人としても今回の三越の発表は特に嬉しい出来事。