ファッションビル研究所

2005年11月01日(火曜日) #096.そごう心斎橋は11階がメインフロア、偶然の発見を愉しめるフロア

再オープンからしばらく経ったそごう心斎橋本店を視察した。
「エンターテインメント性重視」がどういう形で表現されているのか楽しみにしながら入店すると、エスカレーター横で女性がピアノを演奏していた。エンターテインメント性を目指した一環なのだろうが、広場や待ち合わせ場所のような所で演奏しているわけではなく、人が流れる所で演奏をしている。もちろん人だかりも殆ど出来ていない。演奏終了と同時に関係者と思われるスーツ姿の男性の、周囲の人達に拍手を誘っているかの様な拍手が痛々しく感じた。
せっかくの吹き抜けが生かしきれていない。吹き抜け部分にちょっとした休憩所、広場を設けてそこで静かに演奏すればどれだけ雰囲気が良くなるか。どことなく音が聞こえてくるという感じ。価値の高め方が分かっていないような気がする。
そごうは11階・12階のフロアを「こだわり趣味の街」と銘打って、特に11階では呉服店、創作趣味の店、こだわり趣味の店、和雑貨の店を出店している。このフロアだけ全体的に照明も暗く、通路も狭く設計されている。和を基調にしたフロアで、屋根瓦も通路に顔を出して町屋の軒先を思わせる落ち着いた雰囲気を醸し出している。
筆者は薄暗く狭い通路を持つフロア構成に対して軒並み好印象を持つ。ギャレ大阪も好感を持つフロアの一つ。通路は直線基調でなく渓流のように複雑なら尚良い。
通路の狭さ、複雑さは物理的に歩くスピードを遅くし、その狭さゆえ結局両端のショップを同時に見て歩く事になり、立ち止まる機会が多くなるからだ。ここに筆者の言う「偶然の発見を愉しめる」がある。
ちょっと想像してほしい。通路が広くひたすら直線だとスーッと通り過ぎてしまわないだろうか?
照明の薄暗さが雑踏空間の中で探検気分を更に盛り上げている事は言うまでも無い。
この探検気分というのもエンターテインメントの一つと言っていいだろう。筆者が、そごう心斎橋11階フロアを「偶然の発見を愉しめるフロア」と表現している理由はここにある。