ファッションビル研究所

2005年11月22日(火曜日) #099.ファッション界の若年信仰は10年後、20年後生き残れるか?

先日、新聞のトップページに「阪大が数値化、加齢と共に幸せは減退する」という記事があった。
男性よりも女性、高齢層よりも若年層の方が幸せを感じていて、所得の高さと幸せは必ずしも比例しないとの事。年齢別では三十代が幸福度が最も高い。次に二十代。四十代以降は加齢とともに不幸になり、六十代では最低らしい。更に「アメリカやイギリス、ドイツでは三十歳代で幸福度が最低で加齢とともに幸福度が増しており、若者に甘く高齢者に厳しい日本社会の傾向を表したともいえる」と分析、くくっている。大阪大学社会経済学研究所が全国の六千人を対象に行ったアンケート結果。
この調査結果を見て、若い事に対して必要以上に価値を置いている日本社会の現状に少々驚いた。
この傾向は女性の方がより強いというのは容易に想像できる。
察するに、若さに対する価値を極度に置いているが故、若い頃は必要以上に幸福感があり、その反動で相対的に年齢が増すほど、必要以上に自分が不幸であるかのように感じてしまっているのではないだろうか。
殆どの人は、相対的な尺度で幸、不幸度をはかる傾向があるが、この調査は特にその面を浮き彫りにしているような気がする。
結局、「決め付け」が起因しているのではないだろうか。
「もういい歳だから〜」「結婚したから〜」・・・と、自分自身でボーダーを築きあげてしまっている。
要するに、自分の中で勝手にボーダーを作って勝手に不幸になっている。
数年前のジェンダーフリー論争はともかく、アパレルのユニセックス化、聖域なき価格打破(メガネ業界)など、とにかくあらゆる敷居がどんどん取り払われてきている中、人間にとって避けようのない加齢が何となく不必要に差別化されている現状が上記の調査結果に反映されているのではないだろうか。
日本におけるコギャルなど極端なファッションを見ていると、本来誇示する必要のない若さを、改めて誇示しているファッションとも取れなくない。
要するに、若い事を必要以上に重要視しているファッション界がそうさせているのではないかと考えている。
晩婚化、少子高齢化傾向にある時流において、今まで続いてきたファッション界の若年信仰は今後得策になり得ないだろう。
例えば現状のファッションビルに変化が無かったとして10年後、20年後を見据えてみると、かなりさみしい状況になっているのではないだろうか。