ファッションビル研究所

2005年12月06日(火曜日) #101.「金があるから買う」から「買いたいから買う」へ、購買者の意識変化

「20万円以上」の男性用高級時計が売れているらしい。
産経新聞によると景気回復傾向が反映された結果と分析している。セイコーウオッチによると、国内の腕時計の市場規模は年間約5400億円で横ばい状態が続いているが、内訳を見てみると「5万円以下の時計がシェアを下げる一方、20万円以上の高級時計が伸びている」との事。
携帯電話の普及により、ビジネスの場でない限り、時刻を見るという腕時計本来の使われ方による”実用性の腕時計”はもはや必要ない状況。
以前筆者自身でもプライベートでは腕時計を外すようになったとこのコラムで語った。
それでもあえてさす男性の腕時計は、もはや女性におけるファッションリングに近いものと言えないだろうか。実質両者の根本的な違いは実用性の有無のみ。
話は飛躍するが、「松」、「竹」、「梅」の選択肢があれば殆どの日本人は「竹」を選ぶという。平均主義、右へならえ主義がよく出ているが、こういう日本人の資質の観点で見てみても、高級品が売れるという現象は、従来とは何かが違う。新聞社の言う景気回復要因説に賛同せざるを得ない。
が、なぜ高級「腕時計」なのかという観点も見失ってはならない。
筆者は今回の現象を、バブル期の”乱買”とは一線を画していると見ている。
「金があるから買う」のではなく「買いたいから買う」という明確な購買意識がそこにあると分析している。
それは趣味性比率の高い高級腕時計から売れているという傾向から読み取れる。
以前「#017.携帯時代における腕時計の存在意義」で「時計をアクセサリーと捉える女性、機能として捉える男性」という副題で執筆したが、男性が時計をアクセサリーの一つとして認識する人が増加したという分析も考えられないだろうか。
いずれにせよ趣味性の高い商品を扱う業者は、これらの傾向を今後注意して見守るべきで、大いに意識すべきだろう。