ファッションビル研究所

アパレルビジネストレンド_時系列順

2016年01月01日(金曜日) #152.「直近のWEB戦略」
2015年12月02日(水曜日) #151.ファッション雑誌からそのまま出てきたような
2015年08月24日(月曜日) #150.迷走百貨店の次なる戦略がネット通販とは
2014年01月01日(水曜日) #149.あけましておめでとうございます
2013年09月14日(土曜日) #148.コンピューターを着る、ウェアラブルと言う方向
2013年02月22日(金曜日) #147.ネット通販はスマホがメイン、客の差別化がトレンド
2013年02月17日(日曜日) #146.今年もそうだが、来年以降もスキー人口は増えてゆく
2012年05月06日(日曜日) #145.百貨店の建築観はもはやビョーキ、伊勢丹三越とルクアの事例
2012年01月01日(日曜日) #144.「情報は価格の要素を上回る…」
2011年12月18日(日曜日) #143.自分が茹でガエル化しないために…
2011年10月09日(日曜日) #142.「マルイウェブチャネル」は機会損失を大幅減
2011年07月17日(日曜日) #141.サングラスは抵抗あり、新しいジャンル創設を
2011年07月09日(土曜日) #140.社会縮図、スポーツクラブ
2011年07月03日(日曜日) #139.エンタ性最重要、対話無きショッピングはエンスーさえ生まない
2011年06月12日(日曜日) #138.スーパークールビズは当然、ステテコ戦略は見事!
2011年05月15日(日曜日) #137.通行のない道を維持する事は負債、なぜこれが分からない
2011年05月04日(水曜日) #136.相乗効果とは異質なものが集まって始めて奏功
2011年04月16日(土曜日) #135.ビジネスをする為に英語を…ではなく、情報を得る為に英語を…
2011年04月10日(日曜日) #134.現状のテレビはくるった時計に似ている。観ない事を奨励。
2010年10月24日(日曜日) #133.積極的に値札を見よ!いや、見せろ!百貨店は高くない
2010年08月22日(日曜日) #132.ビジネススーツの無闇な生地の色柄展開に戦略はあるのか
2010年07月07日(水曜日) #131.消費性向調査としての大阪出店
2010年06月25日(金曜日) #130.ショップは客の交通手段に興味ゼロ
2010年06月03日(木曜日) #129.信頼戦略をAppleから学ぶべき
2010年04月19日(月曜日) #128.季節物という言葉自体ナンセンスと気付くべき
2010年03月27日(土曜日) #127.オトナの無駄冒険否定説
2009年12月15日(火曜日) #126.自身の百貨店ブランド軽視の不思議
2008年02月03日(日曜日) #125.阪急メンズ館は今後大阪における特化ビルの指標になるだろう
2007年12月07日(金曜日) #124.百貨店のメンズ戦略は将来の顧客を育てる事
2007年05月15日(火曜日) #123.彼らは出世意欲が低いのではない、立身出世像が違うだけ
2007年05月07日(月曜日) #122.希少性の存在が百貨店を支えている、経営統合はブランドの相殺も孕む
2007年04月25日(水曜日) #121.現状の電子マネーでは未来など無い、まだまだ過渡期
2007年04月17日(火曜日) #120.アパレルでは「超考え過ぎさん」と「考え無さ過ぎさん」が愛される
2006年07月19日(水曜日) #119.サンダルのデザインは限界、足元の和装化は当然やってくると見るべき
2006年07月11日(火曜日) #118.消費者にとっては服飾のプロの最後の一押しが心の安らぎ
2006年07月04日(火曜日) #117.建替え中の梅田阪急に望むこと
2006年06月22日(木曜日) #116.クールビズ、足かせの開放は二の次か
2006年03月29日(水曜日) #115.アウトレット事業は「アウトレットだから」という意識を捨てるべき
2006年03月07日(火曜日) #114.バッグにおけるブランドの価値、重要性
2006年02月28日(火曜日) #113.善良なブランドなら消費者保護の観点も考えるべき
2006年02月21日(火曜日) #112.「価格」もファッションのひとつ、心粋の問題
2006年02月14日(火曜日) #111.男が待つ場所
2006年02月07日(火曜日) #110.健眼者の為に伊達メガネコーナーを作るべき
2006年01月31日(火曜日) #109.男性のエステ、成功キーワードは「ついでにやってもらう」
2006年01月24日(火曜日) #108.株の格言集は少し参考になるかもしれない
2006年01月17日(火曜日) #107.”香り戦略”は対費用効果で非常に優秀
2006年01月10日(火曜日) #106.人口減少対策は効率化しかない、ブランドの対象年齢の見直し
2006年01月03日(火曜日) #105.神事、祭事で見直す服飾文化
2005年12月27日(火曜日) #104.ネットでリアリティショッピング、ストリーミング技術の可能性
2005年12月20日(火曜日) #103.イメージ商売でありながら店員を重要視しないアパレル業界
2005年12月13日(火曜日) #102.ジーンズ、素材レベルで季節感を与える事は出来ないか
2005年12月06日(火曜日) #101.「金があるから買う」から「買いたいから買う」へ、購買者の意識変化
2005年11月29日(火曜日) #100.アパレルビジネストレンド100号を迎えて
2005年11月22日(火曜日) #099.ファッション界の若年信仰は10年後、20年後生き残れるか?
2005年11月15日(火曜日) #098.理解できないTシャツ観、晩秋なのにTシャツショップに人だかり
2005年11月08日(火曜日) #097.屋上も売場面積に入れてしまおうというプラス発想が必要、そごう心斎橋
2005年11月01日(火曜日) #096.そごう心斎橋は11階がメインフロア、偶然の発見を愉しめるフロア
2005年10月25日(火曜日) #095.インナーの好みは本性がダイレクトに現れる、精神的個性化の遅れ
2005年10月18日(火曜日) #094.2011年「百貨店なら梅田」が完結へ、三越の梅田出店
2005年10月11日(火曜日) #093.ブランド戦略はイメージ戦略、イメージ戦略はロゴ戦略
2005年10月04日(火曜日) #092.ネットショップ戦略は実店舗とのリンク、エンタ性の補完が重要課題
2005年09月27日(火曜日) #091.服探しはエンターテインメントでならなければならない
2005年09月20日(火曜日) #090.ウォームビズ、アパレル界の役目は季節感の無い物に季節感を与える事
2005年09月13日(火曜日) #089.百貨店という業態こそセレクトショップに向いている
2005年09月06日(火曜日) #088.ショップ構築の要は店員という事実
2005年08月30日(火曜日) #087.百貨店の正常進化の最終形は”高級セレクトショップ”である
2005年08月23日(火曜日) #086.ビジネス街のブランドショップ進出は案外容易
2005年08月16日(火曜日) #085.浴衣文化復活のための布石、その方法
2005年08月09日(火曜日) #084.商業施設のエンターテインメント化は極自然な進化
2005年08月02日(火曜日) #083.子供の代わりにペット・・・そんな時代が迫っている
2005年07月26日(火曜日) #082.渋谷109、ショップレベルで参考にしてはならない事例
2005年07月19日(火曜日) #081.百貨店の常識はどこかオカシイ、情報のインデックス化が必要
2005年07月12日(火曜日) #080.アパレル各社、WEBサイトの活用法に疑問
2005年07月05日(火曜日) #079.女性発想デザインの固執化、水着売場はトレンドデザインの縮図
2005年06月28日(火曜日) #078.百貨店の”専門店化”と”箱ショップの壁撤廃”は要注意
2005年06月21日(火曜日) #077.白ブリーフ的発想、百貨店のメンズインナー売場
2005年06月14日(火曜日) #076.携帯品の収納場所に困る夏服、手ぶら族のアイテムに注目
2005年06月07日(火曜日) #075.ジーンズのセミオーダーの定番化は当然やってくると考えるべき
2005年05月31日(火曜日) #074.ユニクロは無印良品より日本におけるGAPのブランド戦略を見習うべき
2005年05月24日(火曜日) #073.GAP、価格調整制度が買い控えに拍車、負のスパイラル
2005年05月17日(火曜日) #072.デパ屋の潜在的魅力
2005年05月10日(火曜日) #071.オジサンたちは”フツー”を知りたがっている
2005年05月03日(火曜日) #070.サービスをサービスと思って提供してはならない
2005年04月26日(火曜日) #069.行楽シーズン、渋谷、台場、集客の質
2005年04月20日(水曜日) #068.フレグランスショップは放牧が正解
2005年04月12日(火曜日) #067.男性用ファンデーションの失敗は汚点ではなくボトムと認識すべき
2005年04月05日(火曜日) #066.厚化粧と同じ、真夏の上着はヤリスギと考えるべき
2005年03月29日(火曜日) #065.フィッシュ哲学で見出すオフィスファッション
2005年03月22日(火曜日) #064.ハービスエントの集客と警備員
2005年03月15日(火曜日) #063.伊勢丹新宿店シンデレラシティの大改装
2005年03月08日(火曜日) #062.着物の方は無料、京都の地下鉄やバス
2005年03月01日(火曜日) #061.気候、天候を味方にする発想
2005年02月21日(月曜日) #060.集客スポットを創出したいのならマンション業界を見ればよい
2005年02月15日(火曜日) #059.公園に子供がいない、本当にいない
2005年02月08日(火曜日) #058.仕舞い遅れた雛人形は見苦しい
2005年02月01日(火曜日) #057.渋谷109、驚異的集客力のセシルマクビー、集客の要因
2005年01月25日(火曜日) #056.ブランド意識調査の本当の着眼点
2005年01月18日(火曜日) #055.新成人の興味深いアンケート調査
2005年01月12日(水曜日) #054.街中を奇妙美術館にするな
2005年01月05日(水曜日) #053.神事、祭事と着物文化
2004年12月28日(火曜日) #052.リーマン根性がデザイン業界をダメにする
2004年12月21日(火曜日) #051.マネキンは子供の遊ぶ人形と同じ
2004年12月15日(水曜日) #050.人は安い物に慣れ易く、高い物に慣れ難い
2004年12月08日(水曜日) #049.ファッションブランドの証券化
2004年12月03日(金曜日) #048.ヒット映画に見る観衆側心理とネット通販の安心度
2004年11月24日(水曜日) #047.カルフール撤退に見る、日本市場における小売の性格
2004年11月18日(木曜日) #046.価格別に陳列されていない2プライスショップ
2004年11月12日(金曜日) #045.車とファッションに見る偏った価値観
2004年11月03日(水曜日) #044.ファッションビルの雨の日対策
2004年10月28日(木曜日) #043.109で出会った着ぐるみギャル
2004年10月21日(木曜日) #042.ライブドア堀江氏に見るノータイの評判
2004年10月15日(金曜日) #041.日米の帽子嗜好差
2004年10月07日(木曜日) #040.オレオレ詐欺で見る経済学
2004年09月29日(水曜日) #039.週末、大阪のオフィス街は死の街
2004年09月22日(水曜日) #038.晩婚化或いは未婚化傾向におけるアパレル業界、消費社会の影響
2004年09月16日(木曜日) #037.アパレル業界慣習と顧客訴求のタイムラグ
2004年09月10日(金曜日) #036.ユニクロの高付加価値路線転向について
2004年09月03日(金曜日) #035.ファッションビルにおけるセレクトショップの占有化
2004年08月25日(水曜日) #034.セレクトショップに付きまとう消費者価格と生産者価格の乖離
2004年08月19日(木曜日) #033.小売に与える休日分散化の影響
2004年08月12日(木曜日) #032.劣悪メンズファッション誌に思う
2004年08月05日(木曜日) #031.イイ香りのおじさんは好きですか?
2004年07月29日(木曜日) #030.メンズは小物類の充実を図るべき
2004年07月21日(水曜日) #029.猛暑も涼しい水着専門店
2004年07月14日(水曜日) #028.百貨店の独自ブランド開発
2004年07月07日(水曜日) #027.バーゲンの困ったサン
2004年06月30日(水曜日) #026.カジュアル量販店の和装戦略コンセプト
2004年06月23日(水曜日) #025.百貨店のユニクロ招致
2004年06月16日(水曜日) #024.量販店のディスプレイセンス
2004年06月09日(水曜日) #023.ファッションとインテリアは同カテゴリーとして収束していく
2004年06月02日(水曜日) #022.高度成長期を知らない世代
2004年05月27日(木曜日) #021.ホームページの大改装について
2004年05月12日(水曜日) #020.小物やアクセサリーは小悪魔的アイテム
2004年05月05日(水曜日) #019.悩ましいサンダル
2004年04月28日(水曜日) #018.消費者に提案・理解・実感させる場がディスプレイ
2004年04月21日(水曜日) #017.携帯時代における腕時計の存在意義
2004年04月14日(水曜日) #016.リクルートスーツはもうイラナイ
2004年04月07日(水曜日) #015.メンズインナーに女性モデル
2004年03月31日(水曜日) #014.メンズジャケットのストレッチ化
2004年03月24日(水曜日) #013.ジーンズ供給の究極の形
2004年03月17日(水曜日) #012.最近のメンズバッグ事情
2004年03月10日(水曜日) #011.消費税表示について
2004年03月03日(水曜日) #010.平日の晩、虚しいメンズフロア
2004年02月25日(水曜日) #009.店内の照明について
2004年02月18日(水曜日) #008.メールマガジンの難しさ(筆者の業務経験から)
2004年02月12日(木曜日) #007.ポイントカードが利用されない理由
2004年02月04日(水曜日) #006.ファッションビルにおけるシネコンの底力
2004年01月28日(水曜日) #005.メガネ業界のタイアップ?
2004年01月21日(水曜日) #004.メガネ業界のタイアップ?
2004年01月14日(水曜日) #003.商品を手に取れない季節
2004年01月07日(水曜日) #002.ホームページ開設にあたって感じてきた事
2004年01月01日(木曜日) #001.ウェブサイト開設のご挨拶

2016年01月01日(金曜日) #152.「直近のWEB戦略」

あけましておめでとうございます。
正月にコラムを執筆するのは久々です。

ファッションビジネスに限らず、どのようなビジネスであっても「WEB戦略」というのは外せない要素の一つです。
こちらのサイトでは、私自身の事はほとんど触れずに来ましたが、実はWEBの技術者でもあります。今回はちょっとその視点で、「直近のWEB戦略」と題して、盛大に語りたいと思います。
WEB関係にあまり触れてこられなかった方には、少々聞き慣れないワードも出てくると思われますが、前後の内容で分かるように執筆しました。

「直近のWEB戦略」
売上向上におけるWEB戦略で何が出来るか
WEB戦略において無視できない潮流を作る2大企業の最新の動向を見ながら考察してみる

WEB戦略においてキーとなる企業動向調査が必要になってきています。まずは、SEOにおいてはGoogle社の動向調査です。これは言うまでも無いと思いますが、彼らの言う事を無視してページを作成すると検索順位に大きな差が出来るからです。

対してスマートフォンのOSを担うApple社の企業動向調査もかなり重要です。Apple社の影響力の強さも言うまでも無いと思います。AppleはかつてiOSで動画Flashがブラウザクラッシュの原因になるという事からiOSでFlash閲覧を廃止。iPhoneユーザーの急速な増加も手伝い世間ではFlashの動画がほとんど使われなくなってしまった経緯があります。

かつてOS界ではWindowsは神のような存在でした。今度はユーザーが使う端末の大きな変化(PCからスマートフォンへの移行)により、シェアを持ったAppleの動向が非常に重要となってきました。

Apple社が何故WEB戦略におけるキー企業なのかというと、日本におけるスマートフォン所持のiPhone比率と、今後の更なるシェア拡大、実際にWEB閲覧されているiPhone比率の高さがからです。

■スマートフォン販売シェア2014年9月から11月 ※iPhone6が販売された頃です
iPhoneのシェアが69.1%
Androidの機種のシェアが30.0%。

■スマートフォンのWEBページ閲覧シェア
スマートフォンのシェア率を、9,000サイト以上・月間約1000万UUという大規模のデータから分析。

日本国内スマートフォン(スマホ)・シェアランキング(2015年8月)
iPhone:59.42%

実際にスマートフォンらしい使い方(WEBの閲覧)をしている、本当に稼働しているスマートフォンの数字と見ていいと考えます。たった1社で60%です。

iPhoneのシェアが高い理由は、ちょっと特殊な事情があります。実は日本で買うiPhoneは非常に安く、携帯各社が販促のため「端末料金が実質ゼロ円」といった優遇策をとってきた為です。ちなみにiPhoneのシェアが過半数なのは日本のみ。

■今後の国内のiPhoneシェア
寡占に向かっていくものと考える。各社スマートフォンの料金設定の複雑さも手伝い、一度iPhoneに機種変更した人々が今後Android機に大きく戻るとは考えにくく、最近のAppleMusic戦略含め、Appleの巧妙な戦略は奏功していくと見ています。

極最近のApple社の動向
■iOSの広告ブロック機能
2015年秋に、iPhoneのOS、iOSのバージョン9が発表されました。様々な便利機能が増えたのは勿論なのですが、この中で、WEB広告の排除機能の実装が、広告業者に衝撃を与えています。

これまでアプリケーションレベルで広告排除機能はありました。今回OSレベルで実装した事が重要です。Appleの視点は、WEB閲覧において「広告など必要ない」という方向性の意思表示と私は見ています。

「iOS 9」のコンテンツブロッカー機能に対応し広告をブロック出来るアプリ「Crystal」は、リリース後12時間で10万ダウンロードを突破したとの事。

iOS9におけるコンテンツブロッカーによって、ページの読み込み時間が74%速く、データ通信量は従来の53%になるとの事。
要するにApple社のWEB広告に対する姿勢

WEB広告は必要ない


Google社が何故WEB戦略におけるキー企業なのかは、言うまでもないですが、WEB検索におけるシェアがナンバーワン。彼らの思惑通りに検索結果が並び変えられてしまう。Yahooもその検索システムを導入しており、実質WEB検索においてはGoogleが牛耳っている。

・WEB広告は推奨
・Appleと違いGoogle自体が広告戦略で収益を得ている
・業者におけるSEO対策されたページを非常に嫌っている

ちょっと話はそれますが、ここでWEB広告について語ります。

■WEB広告の嫌われ方

WEB検索会社というより広告会社と言った方が良いGoogleが2014年暮れに衝撃のデータを発表。広告会社として自分の首を絞めるようなデータで、さすがはアメリカの最先端の会社。

彼らは「バナーなどの広告を万が一押されたとしても、そのうち56.1%は、1秒以内に出ていく」と言ってのけた。

私見によると、誤ってバナー広告を押してしまった…というのが一番多いのではないかと見ています。
「バナーを押す気があって押して、広告内容を具体的に見る人は皆無」ということ。

別の調査によると、ページ上のバナーの位置についての興味深い話があり、殆どのユーザーはWEB広告を無視するのですが、バナー1つだけを無視するのではないというもの。バナーがあるだろう領域全てを無視してしまうというもので、視野的にそこに何も無いものとして判断してしまうというものです。

自分のサイトの見方を良く思いかえしてみると、バナーのあるエリアなど一切視線を向けていない事がよく分かると思います。

これらの理由だけで、広告費を削るのは早計ですが、少なくとも良い場所に広告があるから安心…という考え方は捨てるべき。

最近、WEB広告業界で流行りつつある手法「ネイティブ広告」について語りたいと思います

■ネイティブ広告
現在、WEB広告業界で広まりつつある手法で、バナーなどの目立って広告する手法ではなく、記事と広告を自然に溶け込ませ、ユーザーにストレスを与えず情報を届ける広告です。

「ユーザーにストレスを与えない広告」これがキーワードです。
様々な調査結果によると、共通してWEB広告を嫌う理由の内もっとも多いのが、ユーザビリティーを落とす広告。
例えば、閲覧画面を覆いかぶせる広告や、バナーだらけでページの表示を遅くする広告。
スマートフォンで押すわけもない広告で必要情報の閲覧が邪魔されてはこう思うのは当然。

ネイティブ広告は、「コラムの文章の中に関連リンクを当てはめていく」という手法。


これまで様々な切り口で述べてきました。整理をしたい。

1.WEBユーザーは今後もPC閲覧からスマートフォン閲覧への流れは止まらない
2.国内でのiPhoneでの閲覧シェア、iPhoneの販売シェアを考え今後もAppleの動向(広告排除など)を見守っていくべき
3.GoogleのSEO対策ページ排除の公言により、更なる検索エンジンアップデートが行われ、独自コンテンツ重視の方向は今後も変わらない
4.スマートフォンでのページ閲覧の急拡大を大いに意識したGoogleのスマートフォン対応ページ優遇策は、今後の検索エンジンアップデートで更に強められていく
5.Apple社とGoogle社の共通して持っている思想は、ユーザーの利便性を第一に考えている
6.逆にApple社とGoogle社の相違は、広告排除の方向性があるか否か

6.について補足と私見を述べます。広告の完全排除はWEBの発展を否定するものでもあると考えます。
広告収入によってより良質なコンテンツが生み出されてきたサイトも多々あるからです。
Apple社とGoogle社、両社が認める広告というのは、ユーザーにとって不利益となりうる広告(表示スピードを落とすような広告、表示画面を覆ってしまうような広告、訪れたことのあるサイトのバナーが何度も現れるようなさぐられているようで気分の良くない広告)ではなく、上述したような「ネイティブ広告」。
端的に申しますと、有益なコンテンツによるユーザーへの奉仕と広告が一体になったような広告と考えています。


例えば10年前、これらの潮流を予測できたでしょうか。スマホが当たり前になっている世界を。。
正直、私自身今後10年のWEBの潮流は予測できません。
PCからスマホへ…というような劇的な変化はもう無いのでは…と考えているのですが、この考え方は保守的な考え方がベースにあるからかもしれません。かもしれません…。という書き方自体も自信の無い現れです。

WEB関連に携わっている方々にとっては心当たりのある内容でしたが、一助になればと思います。

 


2015年12月02日(水曜日) #151.ファッション雑誌からそのまま出てきたような

先日、電車に乗っていたら、ファッション雑誌からそのまま出てきたようなカップルに出会った。

完璧に整えられた口髭、完璧に整えられた髪の毛、背も自分と同じ位の180手前。完璧な立ち居振る舞い。余裕で嫌みの無い表情。完璧なシャツ、完璧なジャケット、完璧なパンツ、完璧な靴。
それ全部新品ですか?という程、隅々まで完璧に手入れされていて、多分、今まで自分が出会ってきた人の中で一番カッコよろしい男性。多分30越えだと思う。

土曜の晩にもかかわらず、ジブンは労働帰りでグッタリ…くたびれていたが、思わず背筋がスッと伸びてしまった。

ファッションや立ち居振る舞いは、相手を気分良くさせたり、場の雰囲気をキリっとさせるというのは分かっていたものの、圧倒的なモノを見せられ、ジブンが恥ずかしくなった。

それはさておき、平日の朝の10時に開店しなくていいから、晩は最低でも10時頃まで店を開けておいてもらいたいと、以前から感じていた。アパレル関係のショップは。。

チョット、平日22時、23時の電車の混雑具合を見て欲しい。
疲れ切った労働者が、仕事帰りアパレルのショップへ足を運ぶわけがない…との想像は安易。

もちろん少ないかもしれない。
宝くじは買わなきゃ当たらない。
ショップは開いていなきゃ、買われない。
買う気が無くても、なんとなく店内にスッと入ってみると、欲しくなるモノ。
ご経験は?


2015年08月24日(月曜日) #150.迷走百貨店の次なる戦略がネット通販とは

普段滅多に朝の支度時にテレビを見ないが、三越グループが高級ブランドの通販サイトをやるというテロップが一瞬目にとまり、目が点になった。

久々に書くか…となりました。

百貨店の意義を自ら放棄。

■百貨店側のサイトの使い方
実店舗で扱っている商品のリスト閲覧。値段は不要。
百貨店とうたいながら、店舗まで行ってお目当ての商品が無いというのが、両者(店側・消費者側)にとって最も目も当てられない状況。

贈り物用としての百貨店通販サイトはあり得るが、今回はどうやら違う。

様々な手を尽くして、万策尽きて、安易な通販サイトへ。

百貨店の将来性のある方向性は、以前のコラムにも書いたように、高級セレクトショップ化。
「世界には・日本には、こんな良質な商品があるんですヨ」という目利きさんが選んだ商品を、ブランド関係なく陳列し、接客を通して信頼関係を築く。
これをやらない限り、百貨店の再生なし。

また、顧客に個人情報をダラダラ書き込ませて、商品を買ってもらうつもりか。。
滅多に使われないのに眠たい眠たいIDとPASSを顧客に設定させるつもりか。

iPhoneの指紋認証だけで全ての買い物が出来るようになるのはいつの事やら。


2014年01月01日(水曜日) #149.あけましておめでとうございます

あけましておめでとうございます。

年末から、景気が上向いているという話をちらほら聞くようになりました。
物価という視点でみてみると、ここ1年で、安くなったな…と思える買い物をした覚えがない。4月からはさらに消費税上昇。

値段に適正な価格など無い。誰にとっての…という話になるから。
消費者が高いと感じれば高い。安いと感じれば安い。提供者にとっては逆。結局指標は、多数派でしかない。
そう考えると、常識な価格…という考え方が出てくる。

ちょっと飛びぬけた事を言います。
消費者庁が常識な価格を提示するというもの。

現実、大手の常識の無い値付けが、インフレ・デフレのアンバランスを増長。
チョット思い起こしてほしい。ユニクロしかり、牛丼しかり、大手スーパーしかり。。
消費者の感覚は、それらが指標に。

つまらない言い回しですが、自由競争という大義名分を元に、社会全体への影響力を無視したような価格競争が云々。。

これらは、大手経営者の質の低下ももちろん。
それらをきっちり是正させるのが政府の役目。

もちろん、このやり方は様々な問題が持ち上がるが、自浄の期待も、もはや無用な所。

もう一つ書きます。

人間は、思い出したくなる生物。。物思いにふける事が出来る。

「ファッショントレンドは繰り返す」とは、よく言われる言葉。年末には80年代ファッションの復活が報道。
ファッションに限らず、趣味性の強い物は、繰り返される。
例えば、車や玩具。車に関しては、各社、全く違う新しい車になるものの、名前を引き継いだりで、「昔あこがれた車…」を思い起こさせるような戦略を打ち出してきている。「懐かしさをくすぐる戦略」。

特に80年代は特殊。先日、ディスカバリーチャンネルで80年代特集をやっていた。実に様々な物が世に出たのが80年代。携帯電話、CD、ビデオテープ、テレビゲーム。。音楽に関してもしかり。。

子供の頃、買えなかった、もしくは出来なかった、物・コトが、オトナになって買える出来る…で、回帰するというパターン。
目新しい物があまり世に出ない昨今から比べると、80年代は輝いていたように見える。

私はこう考えます。「新しい物が出てこなければ、懐かしさに逃げる…」。「80年代ファッションの復活」を、あぁそうなんだ~と流して考えない。なんとなく流行るものなどない。必ず要因。。

驚くことに「ファッションビル研究所」のサイトをオープンしてから、本日でちょうど10年。
コラムをちょっと読み返してみると、青臭い執筆、突飛な事を書いているもの、思った通りになったもの…
結局、執筆は、怒りやムカツキが原動力になっているな…とつくづく感じさせられます。
ここ数年の執筆数の少なさは、大人になった、丸くなった…のではなく、ジブンがつまらない人間になってきているからだと感じています。

今後も、ちょっと違った視点でコラムを書くことが出来ればと考えております。
よろしくお願いします。

ファッションビル研究所 所長


2013年09月14日(土曜日) #148.コンピューターを着る、ウェアラブルと言う方向

IT界では、次なる一手としてウェアラブルという方向を打ち出してきている。

これを執筆しようとした時、ふと昔を思い出した。25歳くらいの時、同僚と話し合った時の事を。これから10年後パソコンの形はどうなるかという事。もう、14年前の事。この頃、もう既にクラウド関連の技術的な話を聞いていて、もちろん「クラウド」という名前ではないが、自分はこんなことを言った記憶がある。「デスクトップパソコンは、今でいうクラウド化で、弁当箱以下の小ささになるだろう…」と。 現実は、デスクトップパソコンは、それほど小さくならなかったが、代わりに想像もしていなかったスマートフォンという携帯コンピューターが幅を利かせている。

電波さえあれば、端末はクラウド化させ、ブラウザを表示させる機能に特化させたモノであればよいわけで、それこそ近い将来、携帯コンピューターのフィルム化が始まるのではないかと見ている。

発想が乏しいからか、メガネをすぐに思い出してしまった。。

話は、少々それます。 先日、周りで評判&気になっていたパソコン用のメガネをようやく購入した。 フィッティングしてもらいたかったので、実店舗へ出向いた。

まず、ラインナップの豊富さに驚かされた。追って店員が、店内にあるメガネはすべてパソコン用メガネのレンズに変更可能です…と。

金属フレームのモノを購入し、さっそくオフィスで使用してみた。 目の乾燥は確かに違う。プラス、驚くことに集中しやすくなったという事に気がついた。 今までメガネをかけた事が無かったからか、例えるなら競争馬の前しか見させないマスク(ブリンカーというらしい)に近い効果。

ま、それはイイとして、健眼者にもメガネを受け入れられつつある状況を更に作り出すには、IT関連企業とコラボして、新たな発想の製品を創出させてゆくのが、アイウェア業界の未来像に見える。

メガネのディスプレイ化は、先の話としても、「頭に当たるツルの部分を骨伝導技術で音声を聞かせ、話せる電話メガネ」くらいは出てきてもいいと思う。。


2013年02月22日(金曜日) #147.ネット通販はスマホがメイン、客の差別化がトレンド

ネット通販はスマホがメイン、客の差別化がトレンド

仕事で1日12時間以上パソコンの前に張り付いている筆者でも、プライベートではパソコンで買い物をしなくなった。
iPhoneを片手にベッドに寝っ転がりながらAmazonでショッピング。日用品なら、通勤途中でサッサと済ませる。
めんどくさいサイトはどんどん没落していく。

通販サイトにおける送料無料の威力はAmazonでことごとく証明。
規模の優位が享受できないなら、大都市間だけ無料…というようなサービスがこれからのメジャー。

あと上客と、そうではない客の差別化が激しくなる。
実店舗の物販では有料会員制等で差別化を果たしている。ネット通販なら購買動機が「価格+スピード」なので、激安だがクレームは一切受け付けません…というカタチ。もう一つは、いくらでも返品を受け付けますというようなサービス。

驚く事にアメリカの通販では返品が当たり前で、新商品が出ると、とりあえずネットで注文しておいて、それが気に入らなければ返品ポリシーに沿って送料は自己負担で、どんどん返品をするらしい。
アパレル関係は、この辺りのビジネスモデルも学ぶ必要がある。

アパレルでも、実店舗はショールーム化が運命。


2013年02月17日(日曜日) #146.今年もそうだが、来年以降もスキー人口は増えてゆく

今年もそうだが、来年以降もスキー人口は増えてゆく

1~2ヶ月前、「学生時代にスキーに夢中になった30~40代が親になり、今度は子供連れでスキーを楽しむ需要の増加が期待できる…」という記事を見た。
近年の降雪量も相まって、スキー人口は増える傾向にあるとみている。

降雪量が世界一の国はどこかご存知でしょうか。実は日本。スキー大国と言えばスイスやカナダを思い浮かべてしまうが、日本も十分これらの地域と戦えるのでは?と感じると共に、白馬あたりのゲレンデへ行くと、はるばる海外から遊びに来ている人達の多さに疑問を抱いていたが、ようやく合点させられた。

ジブンは去年からスノーボードを始めた。
ボード周辺、ウェアなどをすべて揃え、結局13万ほど掛かった。
ウェアを改めて確かめると、防寒インナーは、上下ともユニクロのヒートテック。。

何が言いたいかというと、ぼんやりしていると、再びユニクロにシェアを奪われるという事。

ジブンがユニクロの戦略担当者なら、機能性素材のノウハウを持っているワケだから、さっそくその部分で戦略を描くだろう。

マイカーの種類は、相変わらずミニバンが幅をきかせている。
スキー・スノボをするならこのタイプの車が便利で「ファミリー&マイカー」というキーワードもスキー人口を底上げさせる重要な要素の一つと見ていい。


2012年05月06日(日曜日) #145.百貨店の建築観はもはやビョーキ、伊勢丹三越とルクアの事例

先日、ゴールデンウィーク二日目、日曜日の昼過ぎ、大阪駅のファッションビル「ルクア」と「伊勢丹三越」へ出向いた。
これらは昨年のゴールデンウィークに出来たので、ちょうど1周年。

天気も良かったせいか、大阪駅とその周辺は当然のごとく人・人・人…

今回は「伊勢丹三越」を中心に書きます。

■狭いほど人が集まるという現象をどうしても受け入れられない百貨店の建築観はもう"ビョーキ"レベル

こちらは高層タイプの百貨店で、10階まで売り場がある。
後ほど執筆するが隣接&同時に開業したファッションビル「ルクア」の集客度は各階満点レベル。

こちら「伊勢丹三越」は、1階ずつ売り場を見て回ったが、驚くほど人はいない。
西から東から様々な場所から人が集まる超一等地、ゴールデンウィーク、最高の天気…

誰もが言う「人の集まるところに人が集まる…」という事はあまり言いたくないが、それさえ分かっていないのが現状の百貨店。

「地元の大阪には受け入れられない」という書き方をしている記事も幾つか目にするが、方々から人が襲来する大阪駅に限っては説得力が無い。

原因は売り場の空間デザインに有ると考えている。
ちょっと記事は古いものになるが…

2005年11月01日(火曜日) #096.そごう心斎橋は11階がメインフロア、偶然の発見を愉しめるフロア
http://fashionbuil.com/index.php?id=229
2006年07月04日(火曜日) #117.建替え中の梅田阪急に望むこと
http://fashionbuil.com/index.php?id=250

間違いなくこれらが欠けている。

ひたすら効率的に設計されたと思われるスクエアな売り場。縦に横に高さに…無意味に広げられた空間。
実際、人を取り込めていないわけだから、効率を考えて設計しているのなら、最悪な空間デザインとも言える。
さらにドギツク表現すると「広いほど高級と考えるビンボーな発想」。これが根底にある。

「百貨店とはこういうものだ」というツマラナイ先入観を持った上層部は、この1年、隣の高集客の「ルクア」を見て何を思うのだろうか。


来週、私は台湾へ出向きます。ファッションやら商業施設を見て回ることが出来ればと考えております。
後ほど執筆致します。


2012年01月01日(日曜日) #144.「情報は価格の要素を上回る…」

あけましておめでとうございます。

このサイトを始めたのは丁度八年前の今日。
正直、いつの間にか…という感じです。

八年で自分がどれだけ成長したかはともかく、社会環境の変化によって消費者行動は驚くほど変わりました。

この八年で強く感じた事があります。
「情報は価格の要素を上回る…」という事です。
これは、「この商品は安い…」では無く、「他の商品より幾ら安い…」と見られてしまうという事です。
消費者は他と比較することばかりに気を取られて、レビューなどで一見製品などに対する、いわゆる”見る目”が有るように見えるのですが、本質を見失い、消費者の眼力が無くなりつつあると考えています。

これは日本だけの傾向ではありません。

”無茶なこじ付け”と取られるかもしれませんが、百貨店を見てみてください。
10年前より衣料品の品質は上がっているでしょうか?

これからも益々、情報戦になることは当たり前で、「サイトを見に来てもらう」のではなく、SNSのように「情報を流す」というスタンスがスタンダード。

今年も、他とはちょっと違った視点でこのコラムを執筆できればと考えております。
よろしくお願い致します。

ファッションビル研究所 所長


2011年12月18日(日曜日) #143.自分が茹でガエル化しないために…

ちょっと間が空きました。
今回は、震災・原発関連の事を書きます。

完全に優先順位を見失い、カタチだけで政治が進んでいます。
テレビ番組は益々メルヘン劇場と化し、現実を見ているカシコイ若年層には完全に無視されている。テレビ離れ。。

酷い輩は、自分の影響力を理解せず、というか理解できず、確固たる安全性も確認せずにツマラナイニュース番組やらで、”応援”というフワッとした大義名分を後ろ盾に、被災地の農作物を食べない者は…という物凄く気持ちの悪い、本当に性根がどうかしたのかと思わせるような痴れ者。
それを許す製作者ももちろん愚れ者。
「有名なこの人が食しているのだから安全なんだ…」。こう考える人が日本の中にどれだけいるか。。

隠しておきたい情報は常に後から出てくる。
漏出放射性物質の量も、膨大すぎる数字ばかり出てきて、状況が良く分からない。

私はかつて今の日本のテレビは「くるった時計」と揶揄しました。
まさか、ネットが正義とは言いません。
自分から情報を取りにいくだけテレビよりマシだとは考えています。

自分は常々、反応の無い人に言う。
”相手の出方を観るために沈黙を保つ”のは、一見賢そうに見えますが、裏を返せば”相対するものが無ければ思考できない”という事で、自分一人では何も考えることが出来ないのと同じということ。

これ、実は物凄く日本人に多い。
こういう考え方を常々していると、正に本タイトルのごとく、自身が「茹でガエル」になってしまう。

今回は少々思うことがあり、毒づきました。


2011年10月09日(日曜日) #142.「マルイウェブチャネル」は機会損失を大幅減

先日、マルイのネットショッピング「マルイウェブチャネル」で、試着サービスを利用してみた。
これは、ネット上で在庫の有る商品で、試着の予約を入れておくと、マルイの実店舗にてフィッティングさせてくれるというもの。ネット通販の”試着が出来ない”というウィークポイントを補うサービス。

しかも、試着予定の実店舗にて在庫が無ければ、他店舗から取り寄せておいてくれる。

今回はスニーカーで利用してみた。
筆者は、男性としては足のサイズが小さく、お目当てのブランドスニーカーがショップで中々置いていないので、実にありがたいサービス。

このサービスはよくよく考えてみると、わざわざ実店舗へ行って、たまたまその店舗に在庫が無い、という悲劇を防ぐ事も出来る。
もちろん、フィッティングして気に入ればその場で持って帰る事が出来る。

ここまで来ると、通販というよりは試着予約サービスというべきなのだろうが、実店舗というのは、店舗の規模により、全商品を出す事が出来ない。
消費者が突然実店舗へ向かいショッピングするというのは、確実に含み損を抱えさせている。
選択肢が限られている、又はそれさえも知らない訳だから。

通販システムを利用しながら実店舗へ向かわせるやり方は、機会損失を無くせるという点で、双方笑えるシステム。


2011年07月17日(日曜日) #141.サングラスは抵抗あり、新しいジャンル創設を

先日、数年ぶりにサングラスを買いにショップへ立ち寄った。
最近は自転車に乗っていないが、乗っていた時は、結構スピードも出すのでごみが目に入るのを防ぐためと、紫外線対策で100%サングラスをかけていた。
夏の本格突入で、街中で歩いているときも紫外線が気になり、色の薄いサングラスが欲しくなった。
電車に乗っている時、建物の外に出た時、わざわざサングラスをかけたりかけなかったりが面倒になるので、夏場かけっぱなしに出来るような薄い色のサングラスを探すが、なかなか見当たらない。
目への紫外線の影響は散々言われているので説明は割愛するが、サングラスに対して何かと抵抗を感じるのが日本人。アイウェア業界はサングラスにおけるマーケティングを見誤っているような気がする。
紫外線対策をきっちりと施した、メガネとサングラスの間に新しいジャンルを設けてみるのも手。
夏場はサングラスが当たり前、ビジネスでも当たり前となればいいのだが、なかなか難しいのが現状。
ネクタイの軌跡のように、このジャンルもファッション界が呼び水を提供する事に期待したい。


2011年07月09日(土曜日) #140.社会縮図、スポーツクラブ

先日、スポーツクラブへ入会した。
スポーツクラブへは若い頃からずっと通っていたが、ここ5~6年は忙しさなどで休んでいた。
セミの鳴き声を聞き、青く高い空・・・なにやら童心にかえり、プールで泳ぎたいと猛烈に感じ、たまたま平日に休暇が入り、スポーツクラブで入会手続きを早々に済ませ、水着やらを買いにスポーツ用品店に出向いた。
メンズの競泳用の水着は、相も変わらず楽しくないデザインばかりで、選ぶだけで一苦労。が、機能性は驚くほど向上している。対塩素技術はもとより、泳ぎやすさに脱帽した。
ミズノの製品で、ヒザ上までのものだが、生地が空気を保持しているからか水中で浮く感じが分かる。一過性のものではない。
腰が軽く浮く感じなので楽に泳げる。

水着の話はともかく、スポーツクラブで驚いたことが一つある。
5~6年前と明らかに違うこと。年齢層。
若い人がいない。入会した平日に早速トレーニングジムを覗き、プールへ出向いたが、若い人が本当にいない。
というか、30半ばの自分が一番若いくらい。ザッと見たところ、平均年齢は5~60歳。
平日の昼間だからだと、本日土曜日に行くと、状況はまったく変わっていない。
あまりに驚いたので、大きい更衣室をぐるりとキョロキョロしながら一周。(笑)若い人がいない。。
どうなってるんだと、フロントのおねえさんと立ち話をすると、曜日に限らず四六時中同じ状況らしい。

高齢化高齢化とよく聞くものの、リアリティがどうもなかった。まさかスポーツクラブでそれを感じるとは思いもよらなかった。
ひょっとするとスポーツクラブは社会の縮図なのかもしれない。
月1万前後でいつでも入退会できるスポーツクラブは、健康志向の日本人なら、”時間と、ささやかなお小遣い”があれば簡単に行く人が増える。
で、今の状況がコレだ。
この異常な状況を是非見て欲しい。
若い人たちが困窮し、高齢者が謳歌している状況を。
「若困老謳」とでも言おうか。。
この話は、またいずれ執筆したい。


2011年07月03日(日曜日) #139.エンタ性最重要、対話無きショッピングはエンスーさえ生まない

弱々しいセミの鳴き声がチラっと聞こえた今日この頃。
月毎の行事、ヘアカット&その近くにある百貨店巡りに出向いた。
筆者は美容室が嫌いで、いわゆるトコヤへ行くのだが、担当の理容師と永延と話をする。
毎度の担当者は大体自分と同じ年頃の男性で、「あら、今日はお客さん多いですね~」「なんですよ。どうもここ一週間急に暑くなって、暑苦しいから髪の毛を切りに来ているようです。。」
前回は「あら、今日はお客さん多いですね~」「なんですよ。先週台風でお客さん来れなくて、その反動らしく。。」
驚くほど素直に動くお客の行動パターンにも驚くが、タクシーの運転手同様、じっくり様々な客と話し込むことの多い理美容師もリアル世界の情報ウォッチャーというべきか、話し込むと参考になることもある。

それはさておき、百貨店へ出向いた話。
バーゲン真っ只中で、ひいきのショップへ出向くと人だかり。最近の百貨店ではバーゲン時にしかお目にかかれない光景。
筆者は若い頃からJUNMENが好きで、人だかりの中ワクワクしながら「何買おう…何買おう…」。。
買うものを決めずに買うことを前提にショップへ入っている自分に気づく。よくよく考えてみると、今まで買ってきたアイテムを思い返してみると半分くらいが”ソフト衝動買い”。
欲しいとは思っていたものの優先順位の低い物を衝動買いする。やはり店員、陳列がそうさせている。
店員との対話でこんなに楽しくショッピング出来るんだなと再確認させられたと同時に、店員の質の大切さを痛感。

伸び続けているネット通販は、いくら凝ったサイトでもエンタ性などない。
チャット機能がその部分を穴埋め出来るのかもしれない。


2011年06月12日(日曜日) #138.スーパークールビズは当然、ステテコ戦略は見事!

今年は節電ムードで、職場、交通機関、その他諸々で暑い夏がやってきそうだ。
筆者の夏場の悩みの種は、パンツ。スーツ組は賛同いただけると思うが、夏場になるとクリーニングしたてのパンツでも2~3日穿くと、膝上あたりが汗でネットリしてくる。
砂糖水でもこぼしたかのような…と表現したい。
これが嫌で嫌で昨夏は、ウォッシャブルパンツを買い毎週洗濯をして凌いでいた。
今年もいよいよその季節が来るな…と春先ごろから対策を考えていた矢先、銭湯でステテコ姿のオヤジ達を目撃して、あぁコレいいかも…と思ったものの、名実共にオッサン化している筆者でも、真っ白の純ステテコ(笑)には抵抗が有って、この事は自分の中で最近まで放置していた。
で、先日、いつものように朝刊を読んでいると、下の広告欄で、ワコールから”おしゃれステテコ”が出ていることを知った。
潜在欲求があって→具現化された商品の広告を見る→爆発的購買意欲
まさにこの構図にカッチリはまって、その日のうちにネットでオーダーした。
商品についてはネットで調べてもらいたいが、色柄はもちろん、いわゆる純ステテコではなく、あくまでもオシャレで、部屋着でも使えるというコンセプト。驚くことにヒップ部分には小さいポケットさえついている。
ワコールから男性向け商品が出ているというのも新鮮で、感心してしまった。
夏場にもう一枚パンツの下に穿くことになりそうだが、”砂糖水パンツ”よりマシ。
日本の異常な暑さでスーツを着る事は不毛で誰も得をしない慣習で、今後経済で極限まで追い詰められる日本においては、”スーパークールビズ”は当然、働く時間帯なども議論されなければならない。
ファッション界が率先して実行し、デザイン提案、生活スタイル提案が待たれる。


2011年05月15日(日曜日) #137.通行のない道を維持する事は負債、なぜこれが分からない

先日のゴールデンウィークで、大阪御堂筋で御堂筋フェスタなる催しが行われた。
御堂筋を定期的に歩行者天国にする構想があるらしい。今更感。

都市部、縦横無尽に地下鉄が走っている場所に休日、車を乗り入れさせる理由がわからない。
こんなことは何十年も前から分かっている事。慎重ではない、怠慢。

オフィス街も休日、死の街になっている。
都市開発担当役人はイライラしないらしい。

これについても5年以上前に書いた

2004年09月29日(水曜日) #039.週末、大阪のオフィス街は死の街
http://fashionbuil.com/index.php?id=172
2005年08月23日(火曜日) #086.ビジネス街のブランドショップ進出は案外容易
http://fashionbuil.com/index.php?id=219

違法看板・自転車だらけの御堂筋

マンション経営の大家と同じ感覚で、休日の道路利用を考えなければならない。
休日御堂筋を歩いていると、歩道は人でいっぱいで、広大に広がる車道はガラガラ…
この異常な風景を見て何も感じないのは、あらゆるものに飼いならされている証拠。

常識の感覚はもちろん大切。常識の感覚の上にあぐらをかくのは怠慢ではない家畜。


2011年05月04日(水曜日) #136.相乗効果とは異質なものが集まって始めて奏功

大阪梅田地区の百貨店戦争は全員が負けて終わるような気がしてならない。5年後。
消費者の動きは携帯のナンバーポータビリティが導入されたときの動きと同じで、ガラガラポン大騒ぎ…スーッと引く。。
元々百貨店へ行かない人たちを取り込まない限り業績回復などありえない。

5年後、日本経済はよくなっているか?良くなっていないだろう。
同地区に百貨店を乱立させるのは明らかな失策。その上売り場面積を広げている。
現実を見るべき。
百貨店の乱立による相乗効果などない。
各百貨店ごとに明確すぎるほど明確な差別化が行われない限り、単なる乱立で終わる。
相乗効果とは異質なものが集まって始めて奏功する。

奇しくも梅田地区における百貨店乱立については6年前に執筆している。

2005年10月18日(火曜日) #094.2011年「百貨店なら梅田」が完結へ、三越の梅田出店
http://fashionbuil.com/index.php?id=227

策は?
以前から執筆しているとおり、方向性は”高級セレクトショップ”という位置づけ。
これもまた古い記事になるが

2005年08月30日(火曜日) #087.百貨店の正常進化の最終形は”高級セレクトショップ”である
http://fashionbuil.com/index.php?id=220
2005年09月13日(火曜日) #089.百貨店という業態こそセレクトショップに向いている
http://fashionbuil.com/index.php?id=222

三越伊勢丹、合併後の大阪出店は及び腰に見えてしまう。名前ひとつにとっても。。


2011年04月16日(土曜日) #135.ビジネスをする為に英語を…ではなく、情報を得る為に英語を…

社会の情勢が情勢なので当分の間はマクロ的な話が多くなると思います。当然ビジネスに絞って話します。

帰ることのできる外国籍の方々はどんどん日本を去っているとの事。
政府筋の情報を聞いていると自分がその立場なら間違いなく国外退去している。
政府、関係筋に問いたい。水は?放射線量はどのくらいで推移している?
時系列にデータが来ないので状況がつかめない。
これが日本国のデフォ。最低ライン必要な情報さえ”取りに”行かなければならない。隣人を笑えない状況。。

日常のニュースも思う事がある。ニュースを「流しっぱなし」。
その後「どうなった?」が、まるで無い。
不安を煽り倒す週刊誌がまともに見える。

現状報告しか出来ないのならまだ可愛い。必要な情報さえ流さない。
まさに”井の中の何とやら”状態なので、仕方なく海外メディアに頼る。

ビジネスをする為に英語を…ではなく、情報を得る為に英語を…
今回の件でビジネスとして新鮮・信頼できる情報を得る為に、英語習得は必須中の必須事項になったと感じた。

読む事に重点を置いた日本の英語教育は間違っていなかったのかもしれない。ビジネスの視点で見てみると。

国内の情報がこれほどまでに役に立たないとは、もはや先進国と言えるのか。
海外から情報統制していると非難されても何も言えない。
横へならえの日本国内では、ちょっと流されないだけで変り者扱い。
生物の進化はささやかな変化の連続が成し遂げた。
横へならえ精神は絶滅を意図。
酷い事でも簡単に慣れてしまうのが人間。

どうか読み流さないでほしい。良い方向の情報を過大評価、悪い方向の情報を過小評価。。これを当たり前と受け入れない事。


2011年04月10日(日曜日) #134.現状のテレビはくるった時計に似ている。観ない事を奨励。

間違った情報を知ることは、知らないことより酷いこと。
最近テレビを見ていて切実に感じる。めでたいバラエティ満載の。
さすがに錯覚してしまう。日本国内は平穏・平和なのかと。。
今回の事象は、最高に重たく捉えるべき。マスメディア側がどれだけの影響を与えているのか、自覚していないかのような編成内容に、今更嘆きなども出てこない。
生きる事とビジネスをする事の優先順位が簡単に入れ替わってしまっているニュースもちらほら目撃。これらを見ていると人命の重たさが次第に軽くなっていくのが分かる。
テレビはネットのように自分から情報を取りにいくものではないので、非常に厄介。
これもそれも全てはテレビ報道のエンターテインメント化が元凶。割愛。。
これから5年10年を見据えてみると、さらに情報がモノを言う事になるだろう。本物の情報を得ることが出来るかどうかで。。


2010年10月24日(日曜日) #133.積極的に値札を見よ!いや、見せろ!百貨店は高くない

今年は非常な猛暑、半ば思考停止の状態が続き執筆もおろそかになっておりました。今回はスーツの事に関して執筆します。

最近、久々にビジネススーツのショップをハシゴした。
筆者は汗っかきなので今年の猛暑では2〜3日でスラックスの内側は汗でネトネトになってしまう。まるで砂糖水でもこぼしたかのような。分かってもらえるだろうか。
ネットで調べてみると、風呂場でシャワーを使って洗える物もあるとか。
実際ショップを回ってみると、どこも品薄で自分のサイズにジャストフィットで満足できるデザインの条件を加えると選択肢は皆無になってしまう。仕方がないのでお気に入りのスーツブランドのショップで、洗えるスラックスのみを購入した。
上着の色柄に合うように吟味して。。

ショップをハシゴしている時、ふと思った事がある。ビジネススーツの生地の色柄にこだわりを持っている人はいるのだろうか。。という事。
ビジネススーツはセットアップで着る事が前提だが、上下共に同じ調子でダメになっていく事は無く、必ずスラックスから痛む。
この事を前提に考えると、上着は全く大丈夫なのに、スラックスが痛んでしまい上着も着る事が出来なくなるという事も往々にしてあり、消費者は膨大な不満を持っていると考えられる。

無闇な生地の色柄展開は「スーツとは、セットアップで買うのが当たり前」が前提の発想。
実際、筆者は自転車を乗り出してから、太腿の周りが少々太くなり、上着に合わせるとスラックスの太腿周りがきつくなり、スラックスに合わせると上着がダボダボになってしまうというジレンマに陥ってしまった。
スーツショップはメガネショップ型に転換すべきで、生地の色柄のパターン数を限定して、上下を別々に購入してもらうようなショップがあってよい。実際、こういうショップは存在するだろうが、身近なショップではまだまだ見ない。

生地の色柄が無駄に多いにもかかわらず、「股上の浅いタック無しスラックス」という条件を掲げるだけで、選択肢が9割近く無くなってしまうような大手スーツチェーンは戦略を見直すべき。


2010年08月22日(日曜日) #132.ビジネススーツの無闇な生地の色柄展開に戦略はあるのか

今年は非常な猛暑、半ば思考停止の状態が続き執筆もおろそかになっておりました。今回はスーツの事に関して執筆します。

最近、久々にビジネススーツのショップをハシゴした。
筆者は汗っかきなので今年の猛暑では2~3日でスラックスの内側は汗でネトネトになってしまう。まるで砂糖水でもこぼしたかのような。分かってもらえるだろうか。
ネットで調べてみると、風呂場でシャワーを使って洗える物もあるとか。
実際ショップを回ってみると、どこも品薄で自分のサイズにジャストフィットで満足できるデザインの条件を加えると選択肢は皆無になってしまう。仕方がないのでお気に入りのスーツブランドのショップで、洗えるスラックスのみを購入した。
上着の色柄に合うように吟味して。。

ショップをハシゴしている時、ふと思った事がある。ビジネススーツの生地の色柄にこだわりを持っている人はいるのだろうか。。という事。
ビジネススーツはセットアップで着る事が前提だが、上下共に同じ調子でダメになっていく事は無く、必ずスラックスから痛む。
この事を前提に考えると、上着は全く大丈夫なのに、スラックスが痛んでしまい上着も着る事が出来なくなるという事も往々にしてあり、消費者は膨大な不満を持っていると考えられる。

無闇な生地の色柄展開は「スーツとは、セットアップで買うのが当たり前」が前提の発想。
実際、筆者は自転車を乗り出してから、太腿の周りが少々太くなり、上着に合わせるとスラックスの太腿周りがきつくなり、スラックスに合わせると上着がダボダボになってしまうというジレンマに陥ってしまった。
スーツショップはメガネショップ型に転換すべきで、生地の色柄のパターン数を限定して、上下を別々に購入してもらうようなショップがあってよい。実際、こういうショップは存在するだろうが、身近なショップではまだまだ見ない。

生地の色柄が無駄に多いにもかかわらず、「股上の浅いタック無しスラックス」という条件を掲げるだけで、選択肢が9割近く無くなってしまうような大手スーツチェーンは戦略を見直すべき。


2010年07月07日(水曜日) #131.消費性向調査としての大阪出店

読売新聞(ネット)によると、大阪の阿倍野で2011年春に開業予定の大型商業施設に109が進出する方向で検討しているとのこと。

冷静に考えると、これだけ知名度のあるファッションビルがなぜ今まで大阪になかったのかが不思議。。
渋谷109はもう何年も視察していないが、着ぐるみ・ガングロギャル、何でもアリの感覚は大阪向き。

日経新聞によると、なんばマルイの店長はかつて以下のように語ったらしい。
「大阪の若者は買い物が合理的。はっきりとした価値観を持ち、衝動買いをしない」「雑誌と連動し、トレンドを仕掛けるという首都圏では定番の売り方が通用しなかった」と。。
ファッションへの支出を惜しむ傾向はないらしく「バーゲンセールではかなり高単価、高品質の商品が最初に売れていった」とも。。
氏は「見る目の肥えた大阪の若者を相手にすることで首都圏にもフィードバックできる売り方のヒントが見つかるのでは」と語ったらしい 。
見る目が肥えているらしい。大阪の若者は。

この見る目を磨かせるというのは、実は百貨店がその役割の一端を担っていた。
が、最近の百貨店はどうも違うらしい。
今回は筆者本人の話ではなく借り物の話ばかりで申し訳ないが、女性の知り合いが久々(数年ぶり)にとある百貨店(有名大手)に出向いたらしく、売り場のディスプレイのチープさにビックリしたとか。。
興味大だったので、例えばどんな所に?と真剣に聞き耳を立てた。
話によると、品質云々より、ディスプレイにがっかりしたらしい。
かつての高級感が無く、まるでスーパーの服売り場のようだとも。
数年ぶりにその売り場を見たわけだから彼女の話の信憑性は高い。
服を買う気満々だったらしいが早々に切り上げたらしい。大阪的に言うと、見るのもアホらしい…と言うことだろうか。。
百貨店のディスプレイにチープさを感じたことが無かっただけに、本当に驚かされた。ディスプレイのチープさは理解できたが、それで目的のものを買わないというのが、これが大阪か…と上記の記事を思い出した。

オレオレ詐欺に一番引っかからないのが大阪らしいから、見る目が厳しいというのは分かる気がする。
筆者は大阪生まれ大阪育ちだから、灯台下暗しで、大阪人の消費性向がわかっていなかったのかもしれない。

もし、今後の戦略練り直しのために大阪出店するのならば109も未来は明るい。

今回は、109大阪出店の話から少々脱線しましたが、次回以降に、大阪における109がらみの話で執筆する予定です。


2010年06月25日(金曜日) #130.ショップは客の交通手段に興味ゼロ

筆者は数年前からクロスバイク(MTBとロードバイクの中間)という自転車を乗っている。いわゆるママチャリではないタイプの自転車。
雨でない限り、かなり遠いところまで移動できるし楽しい。

快適さ云々はさておき、街中で乗っていると、明らかにここ1年ほどでこういうタイプの自転車が増えた。ママチャリではないタイプの自転車が。

原油高、不況による自動車離れ。。都市部であれば自動車の存在意義自体が再考され、こういうことになっているのだろう。

とある若年層向け雑誌のアンケート調査によると、自動車どころかバイクにさえ興味を示さないとか。。
たかが荷物含め大体100kgまでの物体を動かすのに、車なら1トンから2トン、バイクなら200kg前後の鉄の塊を動かすわけだから、なんとドンくさ い、と思えるのかもしれない。実は筆者もそういう考え。
不況であることがデフォの世代なので、それらを買えないというのが、最大要因だろうが。

前置きはさておき、今回は移動手段のファッション化という切り口で語ってみたい。

ショップが生活スタイルを提案するのは今に始まったことではない。当然、移動手段も生活スタイルの一つ。
なのに、ショップ側は消費者の交通手段に無頓着。車においては駐車券を気にするが、バイク、自転車においては完全無視。
バイクはともかく客の自転車を合法的に置いておけるスペースくらいはショップごとに確保すべき。
最寄駅の駐輪場でいいじゃないかと考えてしまったなら、行政の感覚。

街中を自転車で走っていると、若い人たちがチラッ、チラッとこちらの自転車を見てくる。ママチャリでは彼らはまず見ないだろう。
こういう情報こそ大事。

当然、自転車関連アイテムの開発も考え得る。
自転車関連アイテムは性能第一で、実は無骨なデザインのものがまだまだ多い。
早急に切り込みを入れるべきジャンル。


2010年06月03日(木曜日) #129.信頼戦略をAppleから学ぶべき

筆者は最近iPhoneにかえた。で、iPadを買いたいと思っている。
要因を考えてみた。ガジェットとしての魅力・評判。Appleストアの信頼度。

iPhoneにしろiPadにしろ、ジョブズのトップダウンが奏功して魅力的なガジェットが完成した。が、それだけではAppleエンスーの数を説明でき ない。

後講釈は情報雑誌とテレビに任せるとして、アパレルでAppleのような強力な囲い込みが出来るかどうか考えてみたい。
彼らは強力なエンスーを増やし続けている。アパレルにおいて強力なエンスーを増産させることは出来るのか。
先日情報番組で、とある百貨店が取り上げられた。年配の人をメインターゲットにしている百貨店。多少価格は高いが、昔ながらの定番商品を取り揃えている。
中には、買う人がいるのかと思えるような、例えば粉歯磨き(パウダー状の)さえ取り揃えていた。繁盛しているようだ。
まさに百貨店の名に恥じない、品揃えだが、その百貨店の責任者がインタビューで興味深い発言をしていた。
高齢の方は商品やサービスに対して浮気をしない。。若い人たちは簡単に商品やサービスに対して浮気をしてしまう。。と。
まさにこの百貨店において、彼ら(高齢者)はエンスーであり、やはりこれらは期待を裏切られないという安心感がそうさせているのだろう。

錚々たるブランドも平気で生産を中国にシフトさせ、バーゲンを連発。挙句、短いタームで出店・閉店。。
安っぽい戦略で折角ついたエンスーをがっかりさせる。
あまりに信用がなさすぎる。これまでのアメリカかぶれのスクラップアンドビルド戦略を心の中で笑っていたのは筆者だけではないだろう。

またAppleの話になるが、以前、自分が持っていたiPodがちょっとした不具合を起こした、Appleへ行って見て貰うと、丁重な説明&1年近く使っ ていたのに新品の物と交換してもらった。いつ出向いても店員の対応が最高で、ガジェットに対する知識も豊富。まさに信頼戦略。
ブランドの顔たる店員に力を入れないアパレル業界は正直いったい何なんだと感じた。

ようするに、彼らに言いたいのは「売ろうとして売るな」と言うこと。
筆者は売ろうとして売ったものは、結局商品に対する魅力だけで売れたのであり、ブランド全般(店員の対応・信用度)に対する魅力で売れたわけではなく、必ず含み損を抱えながら売れたと見るべきで、ゆえに将来簡単に浮気されると考えるべき。
物凄く分かりづらい説明かもしれないが、これはどの業界にも言えること。
これを分かっていない経営者の多いこと。


2010年04月19日(月曜日) #128.季節物という言葉自体ナンセンスと気付くべき

まもなくゴールデンウィークに突入する。
筆者も一足早く南国へ出向く予定で、水着(サーフトランクス)を購入するためにスポーツ用品店をハシゴした。
ゴールデンウィークまで1ヶ月を切っているというのに、水着はおろか、水際で遊ぶアイテムがほとんど出ていない。
正直驚かされた。
欲しい物が手に入らないという経験をここ数年していないから、悠長に構えていた。
ネット通販ではかろうじて取り揃えているが、サイズと実際の見た目が不安で手が出せなかった。
結局少ない選択肢の中から、選ばざるを得なく、季節がちょっと早いというだけでこれほど困るのかと実感させられた。

売場のディスプレイの変化を与えるために季節感を出すのは分かる。
が、海外へ出かける人々がかなりいる中、季節外商品を抹殺する寸前まで減らす理由が思い当たらない。
というより、早々に季節物という言葉自体ナンセンスと気付くべき。
海外へ出向く人の為だけではなく、海外から日本の製品を観に来る人々もいるだろうから。
小売で欲しいアイテムが売場にないというのは悲劇的。
Amazonの躍進は、送料戦略だけが奏功したのではない。
物量戦略。まさに小売の見本。
これは百貨店の没落にも通じる事。

何でも物があるという感覚で暮らす事の出来る日本で、今回のように消費者に苦労させると、Amazonに食われる日も近い。

今回は更に突っ込んで考えてみる。
店側の言い分として、「2009年モデルを売場に出せないから」、「2010年モデルがもうすぐ出るから」というのもあるだろう。
だが、アパレル業界において新しいから良いという発想は陳腐すぎるし、筆者はこういう存在意義不明な区切りをまず無くすべきだと常々考えている。
話は、小売にとどまらずに上流まで飛んでしまうが、パリコレにせよ、ファッション雑誌の編集にせよ、何の疑問も持たずに何十年と同じことを繰り返してい る。貧しい想像力が定着。
実際、季節という切り口での彼らの仕事は、そこに定住し続ける人向けの提案デザイン・服でしかない。
要するに、〜年モデルというのを一切無しにして、真夏前にダウンジャケットの発表をしても良いと言っている。
これに違和感を感じるのなら、周囲にかなり流されていると見ていい。


2010年03月27日(土曜日) #127.オトナの無駄冒険否定説

それは歳を増せば増すほど傾向する。
30代以上の読者の方、ちょっと振り返ってみてほしい。
20代前半の頃と現在では購入ブランドの浮気が減り、固定化ひいては固着化してはいないだろうか。
歳をとると、まず冒険をおかさない。トヨタならトヨタを乗り継ぐ感覚。。

これを「無駄冒険否定説」と名づけてみた。
永年使い続けているブランドよりイイ物があるかもしれないと分かりつつも使い続ける。要するに、”安定”に価値観を置いている。

今回はデフレ云々以前の話をしている。
現状、大まかな消費者心理は、アパレルに限らず「価格≧無駄冒険否定説」。
ユニクロをお試し価格(元々安いので)で買い、これでいいじゃないか…となり、「無駄冒険否定説」で買い続けられる。。話はブレていない。ユニクロの価格 自体、冒険と言えるほどの価格ではないから。
20代より30代40代のほうが当然、絶対的に人数が多いわけで、成人の大多数がこの「価格≧無駄冒険否定説」に基づいて行動していると仮定すると、他ブ ランドはユニクロに取り入る隙がない。

これらの事象を元に、大まかな消費者心理を分析してみると、車なら操作感が変わってしまうと嫌、アパレルならサイズが変わってしまうと嫌、という特に実用 的な部分で冒険をおかしたくなく、継続的に同ブランドを選択するのではないかと観ている。
ちなみに筆者はスニーカーがこれに当てはまる。日常的に履くものなので、出来る限り冒険したくはない。現在メインで使っているパソコンもそうかもしれな い。。
これらの感覚を重要視する事は、今後アパレル通販事業を展開する上で消費者サイドの最大ネックとなるサイズ選定の面でも大いに奏功する。

筆者が言いたいのは実用・機能性でブランドを分けてみるということ。もしくは、同一ブランドでアウターから下着まで揃え、むやみに実用的な部分で刷新しな いこと。
あししげく通う料理屋で味が変わった時にムカッとくる感覚を常に思い出して商品開発をして欲しい。
今のところ、戦略として実用性に重きを置くのが得策で方策すべき。


2009年12月15日(火曜日) #126.自身の百貨店ブランド軽視の不思議

実に1年ぶり以上にコラムを更新します。
ここ1年ほどはあまりにも私生活で忙しく、更新できておりませんでした。
久しぶりに自分のサイトを見てあまりにも悲しくなったので…というのも正直動機のひとつです。

百貨店業界の事について。
百貨店業界の不況ぶりは散々報道され、それ自体が追い討ちを掛けているのではないかと思えるようになってきた。
ブランド第一の百貨店業界は行過ぎた報道に対しても法的処置を検討した方が良いのかもしれない。

規模の優位性は専門店に軍配。。
ユニクロ、ニトリなどの専門店がイトーヨーカ堂などの大規模スーパーの服飾、家具部門のシェアをゴッソリ奪っている。
大規模専門店の出現に簡単にシェア負けしてしまうというこの構図は、今後百貨店業界でも当然事例として出てくると観るべき。

そういう状況の中で、大阪梅田地区ではまもなく百貨店が乱立する事になる。消費者としては歓迎だが、乱立後一段落ついた時が本当の試練になると見ている。百貨店の吸収合併・提携しかり、百貨店の規模化はこれまでの述べてきたとおり筆者は反対。

これから更に続くであろう不況の中で百貨店が生き残る道は、以下の二つの道しかないと見ている。

■借り物ブランドでは戦わず、PBを乱発し高級スーパーマーッケットになる道
■規模を極限まで縮小し高級セレクトショップになる道

規模を維持できるという点でも、現実的には前者が有力ではないだろうか。

なぜか今までは百貨店自体のブランドを軽視する傾向があったが、今後はPBを脈絡の無いブランド名ではなく、百貨店の名前を積極的にブランドとして取り入れ製品開発してみるというのはどうだろうか。
もちろんその事によって、明確に百貨店各社の棲み分けが出来るようになるし、貸しビル業者という情け無い称号も払拭できるだろう。

自社マーク入りの包装紙一枚で箔がつくギフトを扱いながら、どの百貨店のPBブランドも出元が分からないようなネーミングばかり。
なぜ自社のマークやネーミングを積極活用しないのか。
やはりこれも日本固有の自己評価謙遜の表れなのだろうか。


2008年02月03日(日曜日) #125.阪急メンズ館は今後大阪における特化ビルの指標になるだろう

最高の立地、集積規模、フロアレイアウト、阪急ブランドの牽引力・・・
失敗する要素が極小で、特化ビルとして奏功するか否かが論点のビルになるだろう。


オープン初日、2月1日(金)仕事帰りの午後7時過ぎ、早速視察をしてきた。
初日かつ金曜日という事もあり、ごった返しの混雑を予測していたが、フロアを何とか自分のペースで歩ける位の人の密度だった。
社会人と非社会人の割合は五分五分といったところだろうか。オープン初日なのでこれらの情報価値はほとんどない。
いずれにせよ今まで経験した事がない雰囲気。まず女性が居ない。これほどの緊張感でフロアを歩いた事がない。
”男は外に出ると7人の敵が居る”をそのまま具現化したような、目を合わせるわけではないが、それぞれが立ち居振る舞いで威嚇し合っているような心地よい緊張感があり、思わず背筋を伸ばしてしまった。
今まで様々なビルを視察してきたが、本当に驚かされ、ビルを後にするまで胸が躍っていた。
正直な話、筆者は普段男など見ないが、良識と節度あるオトナのファッション人が多く、フロアを歩くだけで随分ファッションの参考になった。


特化ビルの長所や感じた事を筆者の主観で以下に列挙する

■心地よい来訪者同士の緊張感があり自分のワードローブを更に充実させたくなった
(受験生が模試を受けて更なる勉強の必要性を感じるような)
■ファッション誌の架空ファッションではなく現実ファッションの参考になった
(店員のファッションではなく来訪者のファッションを見て)
■服を買う場合、数箇所のファッションビルや百貨店を見て回るが、今後、メンズファッションの最大の集積所として、第一に立ち寄る場所になるだろう事
■来訪者の同属回避(同じ様なファッションの人を避けようとする事)は在り得ないと感じた
(特化ビルの高集積が故に)


列挙したものを見ていただくと自ずとお分かりになるだろう。
特化ビルのキーポイントは、来訪者自体にある。
阪急メンズ館は特化ビルの特徴が如実に出現している。是非関係者は視察をお勧めします。
通常のファッションビル、百貨店ではちょっとあり得ない雰囲気を是非感じて欲しい。筆者が言おうとしている事が分かって戴けると思う。
阪急メンズ館が特化ビルとして成功すれば、他者も追随せざるを得なくなるだろう。口火を切るとは正にこの事。
当然、今後もこのビルをコラムで取り上げていきます。


2007年12月07日(金曜日) #124.百貨店のメンズ戦略は将来の顧客を育てる事

メンズの市場規模は”元々”小さいという考え方は、いかにも古典、マイナス思考。
メンズは現状の市場規模自体、含み損を抱えていて、未だ真の市場規模へ成し得ていないという捉え方が真っ当。要するにスタート地点にさえ立っていない。
男女同数、金銭的余裕は男性の方がある訳だから、レディス以上の市場規模が真の市場規模となる。
産経新聞によると、関西の百貨店各社が、紳士服の強化に乗り出し、紳士服を充実させ、他社との差別化を図ろうとしているらしい。阪急百貨店は来年2008年2月に、梅田で日本最大のメンズ館を誕生させるとの事。売り場面積は伊勢丹新宿店のメンズ館を上回るらしい。
百貨店の使命は、百貨の如く良品、高級な物を集め、幅広い客層に見てもらい、その良さを知ってもらい、将来の顧客を育てる事。
男性の圧倒的大多数に”仕事帰りに同僚や友人と百貨店にでも寄って服でも見るか”などという思考パターンは存在しない。
当然疲れているからというのもあるのだろうが、敷居が高いというのが主要因。
排他感だけならまだしも、メンズフロア自体が閑古鳥状態なのでショップへ入りづらい。
現状の百貨店のメンズフロアは、量販店に押された歯抜け商店街の様相を呈している。まるでメンズ市場の縮図。要するに人気のないところに人は来ない。
百貨店に対しては、一つ提案したい。
定期的に、催事フロアで、服の着こなし方実演ショーなどどうか。当然メンズ。今の季節なら、マフラーの選び方、マフラーの結び方、コートのベルトの処理の仕方など。知っている人は意外に少ないはず。
女性ならファッション雑誌などで当然の知識として持っている事が、男性には無いわけで、そういう所に着眼点を置いてみるのも一つの手だろう。
メンズ市場拡大において百貨店の担う物は大きい。良品を扱い適正価格を掲げる百貨店はアパレルショッピングの教科書とも言える存在だからだ。
今回の阪急のメンズ館にも求めたいことは、兎にも角にも排他感を無くすこと。これはサイト運営と同じで、内容が良くても誰も見てくれなければ、無いも同じ。
百貨店側も、旧来のメンズフロアに新風を入れるのが目的なはず。排他感で高級感を感じ、それを求める人達にフロアを占領されるような事態だけは避けて欲しい。


2007年05月15日(火曜日) #123.彼らは出世意欲が低いのではない、立身出世像が違うだけ


財団法人「日本青少年研究所」の「高校生の意欲に関する調査―日米中韓の比較」によると日本の高校生は米中韓の高校生よりも「出世意欲」が低いらしい。
「偉くなりたいか」という問いに、「強くそう思う」と答えた高校生は中国34.4%、韓国22.9%、米国22.3%、日本8.0%とのこと。

出世意欲がないと言えばエガティブイメージだが、超現実主義者と捉えると何か大人びたイメージになる。
実際、後者が正解ではないだろうか。
これに関しては以前のコラムでも執筆した。

#055.新成人の興味深いアンケート調査

同研究所の理事長は「食べることに困らなくなり、今の高校生は『偉くなりたい』という意欲がなくなってきている。」と分析している。
鼻タレていた旧世の高校生を測るがごとく、彼らを分析てはならない。
筆者は、彼らが思い描く、成功或いは立身出世像が違うだけであると認識している。
実際、高校で夢を語り、大学で現実世界の一端を覗き、社会へ出て打ちのめされ、ほとんどが現実主義者へと変貌してゆく。これらの過程をたどることは最近までは普遍のものだった。
しかし彼らはネットなどの情報から現実社会を仮想体験し、社会人を経験せずとも現実主義者になっている。
これを悲観すべきか楽観すべきかはさておき、他の世代より遥かに早い段階から現実社会で生活することを前提にし進むべき道を模索している。
こういう視点で彼らを改めて見てみると、素直にアンケート結果を受け入れられるだろう。このニュースから読み取らなければならない事はここではないだろうか。
真実を報道できないでいるテレビには興味を示さず、ネットへ傾倒する若者の増加も最近よく報道されている。
彼らは他世代とは志向性という点で明らかに一線を画している。是非是非見守ってゆきたい世代。


2007年05月07日(月曜日) #122.希少性の存在が百貨店を支えている、経営統合はブランドの相殺も孕む

先日の産経新聞で高島屋の社長が語っている。
「再編がなだれ現象のように続くとは考えていない。統合によって単純に企業規模が大きくなれば、競争力が高まるという考え方には違和感を覚える・・・」と。
氏はこの中で、中国進出について「百貨店を軸に、専門店が入る複合商業施設とする方向も検討している・・・」とも語っている。
平成21年に大幅増証する大阪店は、専門店を入居させた「都会型ショッピングセンター」を打ち出すとの事。
百貨店において、規模の優位性が無いという事に関しては同感できるが、百貨店の専門店街化構想は真逆。
筆者は、百貨店の正常進化の未来像は専門店街化ではないとかつてのコラムで散々書いた。

#089.百貨店という業態こそセレクトショップに向いている
#087.百貨店の正常進化の最終形は”高級セレクトショップ”である
#078.百貨店の”専門店化”と”箱ショップの壁撤廃”は要注意

百貨店の専門店街化の問題については過去のコラムを読んで戴いて、今回は百貨店の規模の優位性について語りたい。
今回のコラムのテーマでもあるように、希少性の存在が百貨店を支えている。希少性については語るまでも無い。
スーパーマーケットと百貨店の違いはここにある。
規模の優位性を押し進める事は希少性と相反する。高島屋の社長がこれをベースに語っているかどうかは定かではない。
昨年2006年9月の大丸と松坂屋の経営統合は筆者も気になっていた。
この経営統合は希少性の有無以外にもブランドの相殺という危険性も孕んでいる。
※「ブランドの相殺」とは・・・概ね相乗効果の反対を意味しています。筆者が勝手に創りました。
大丸と松坂屋の経営統合は、屋号をそれぞれ存続させ、店舗配置も今日までバッティングしていないし、これからもさせないとの事。
この経営統合事例は現時点で、希少性を損なう危険性もブランドの相殺も無いものだが、将来的に社力の優劣が表面化し、ブランド自体の整理統合も考えられなくもない。
百貨店における最重要ポイント、希少性とブランドを軽視する可能性のある経営統合は、メリットである高効率化を差し引いても得策とはいえないと結論したい。


2007年04月25日(水曜日) #121.現状の電子マネーでは未来など無い、まだまだ過渡期

流通大手、イオングループとセブンアンドアイは今年から電子マネーを導入するとの事。各社独自の規格らしい。


■電子マネーの使える店かどうかを確認しなければならない手間
■電子マネーにチャージする手間
■持ち金を一元管理できない
■規格が多すぎる、財布がまた太る(カードの場合)
■どこで何を買ったかなど記録が残ってしまう


正直、筆者は”小銭を減らしたい”、”すずめの涙サービス”で、これらの手間・苦痛に耐えられない。
10年後、電子マネーが現状の利便性のままで生き残っていれば奇跡。
将来的には「家にあるテレホンカード」のような存在になるだろう。
現状の電子マネーは、前回執筆した単なる「考え過ぎさん」で終わっている。
もしファッション界が今後、それでも電子マネーを導入したいというのなら、車のキーレスエントリーのようなシステムを是非導入してもらいたい。鍵を自分のジャケットやカバンなどに入れておいて、手を触れるだけで開錠してくれるというあのシステムを。
カード太りした財布をジャケットに入れるなどファッション界では許されないだろうから。
キーホルダー型の物や、時計に内蔵されている物は、既にアメリカで実用化されているが、それぞれ受信機にかざさないといけないシステムで、車のキーレスエントリーのようなシステムはまだ聞いたことが無い。
車のキーレスエントリーのようなシステムになって初めて「超考え過ぎさん」になれる。
電子マネーを経済ニュースでは、ひたすら業者側のメリットばかりを掲げていた。消費者がどこで何を買ったかなどの情報を得ることができると。
これも一歩進めて、消費者自身が過去購入したシャツのサイズであったり、ジーンズのサイズがその場で確認できれば、サイズで悩む時間が節約でき、更にショッピングを楽しめるようになるのではないだろうか。
いずれにせよ、現状の電子マネーシステムはファッション界とは程遠い、ドンクサイ代物であると考えて欲しい。


2007年04月17日(火曜日) #120.アパレルでは「超考え過ぎさん」と「考え無さ過ぎさん」が愛される

久々に執筆します。
去年の夏以降、実に9ヶ月ぶりです。
「一度腰を下ろすとなかなか立ち上がるのが億劫になる」というのと同じで、この9ヶ月間中に執筆したくなるようなファッション界のニュースが数あれど、「ネタの充電期間だ」と自分に言い聞かせ、自分を甘やかしておりました。
 
最近街中を歩いていて感じるのが、昔に比べると妙に街中が歩き辛くなったという事。具体的にいうと、向かってくる人の視線が定まっていないというか、ボーっとした人が多く、コチラが非常によけづらいという状況。
筆者の気のせいだろうか…
これを平和ボケなどと安易に分析はしたくない。経済という観点で考えてみると決して平和ではないのだから。
筆者は物事を考えながら歩いているのだと解釈している。要するに考え過ぎさんが増えたのではないかという事。
先日、とある百貨店の紳士物のバッグ売場で、面白いものを見つけた。
棚に「バッグを手に取ってください。そのバッグの説明が横のディスプレイ上に表示されます。」というステッカーが張られていて、好奇心旺盛な筆者は早速、片っ端からバッグを手にとって20インチほどのディスプレイに映る説明画像を確認しつつ、新技術に関心&楽しんでいた。今から考えると買う気が無かったから楽しめたのかもしれない。
もし買う気があったら数多くのバッグを見たいだろうからそんな面倒なことはしなかっただろう。バッグを見つつディスプレイも見ないといけないわけで結構面倒に感じる代物でもある。
お客参加型エンターテインメントは正常進化の過程にあると考えているし、実際筆者は楽しめたので、考え過ぎシステムと酷評したくは無いが、他の客は見向きもしていなかったというのも事実。
百貨店型紳士淑女は筆者のようにディスプレイ前で遊んだりしない。ここがこのシステムの抜けている所。
要するに今回のコラムの「超考え過ぎさん」と「考え無さ過ぎさん」のどちらにも当てはまらない「単なる考え過ぎさん」で終わっている。実にもったいない。
きめ細かさは日本人の特徴。きめ細かさは、悪く言えば考えすぎということになる。どちらでとられるかどうかは、やはり最後の詰めで変わってくるのではないだろうか。
 
「超考え過ぎさん」と「考え無さ過ぎさん」については長くなるので次回以降に執筆します。


2006年07月19日(水曜日) #119.サンダルのデザインは限界、足元の和装化は当然やってくると見るべき

近頃、休日に出掛けると浴衣姿の女性によく出会う。相対的に男性の浴衣姿は少なく感じる。
この前などドラッグストアの店員が着ていて実に風流を感じた。”いつもと違うユニフォーム”というのも相まってか、場が一挙に華やいで見えた。コストを度外視して考えると、ユニフォームを頻繁に着替えさせるというのは、売場のレイアウト変更並みに場の新鮮さを消費者にアピール出来るのではないだろうか。
ファッションビルや百貨店を見て回っていると浴衣含め夏場の和装の増加を感じずにいられない。メンズフロアには雪駄まで置いている。
カジュアルシーンならサンダルの代わりに雪駄でも違和感はないように思える。草履もおかしくないだろう。さずがに下駄では街中でうるさ過ぎかつ危険だろうが…
以前、夏場になるとサンダルが恋しいと執筆したが、未だ即買いしたくなるようなサンダルに出会っていない。
中にはトイレのスリッパと形容したいような代物が4万という値札を付けて鎮座している事もある。
サンダルを探してうんざりしているのは筆者だけではないだろう。
夏場の和装ブーム到来は快適性故であり、この快適性故の変革はアパレルに限らず他業界でも起きている。自動車業界のミニバン、ワゴンの寡占化はそれを良くあらわしている。
人がふれるアイテムのデザインは、まず人間の快適性ありきで、それを無視したデザインは劣悪と言わず、人間を無視しているだけに卑劣なデザインといえる。
クーラーの無い古来、蒸暑い日本で人々は風流で機能的な涼み方を心得ていた。それを見直すアパレル界の動向は、日本人として、人間として実にうれしい。


2006年07月11日(火曜日) #118.消費者にとっては服飾のプロの最後の一押しが心の安らぎ

肩幅ピッタリ丈ピッタリの服にはなかなか出会えない。このあたりの問題は、既製服にとって永遠の問題・課題なのかもしれない。
筆者はサイズセレクトの失敗は未だにある。だから迷った時は必ず店員に聞く。面白い事にカジュアル量販店で店員の勧めのサイズで買った半袖シャツを、サイズが合っているかどうかを改めて百貨店の箱ショップの店員に聞くと小さいのでは…と言う。百貨店の店員の話によると、結局着こなしによって違うのでどちらが正解と言うわけではないらしい。ブランドが軒並みS.M.Lを1.2.3という表記に置き換えている理由・意味が何となく理解できた。必ずしも体の大小のみでサイズが決まるわけではないという事で。
そういう意味で、サイズに迷いながらショッピングと言うのはリアルショッピングの楽しさのひとつかもしれない。
各ブランドが参入を進めているネット通販においては、そのサイズセレクトが消費者にとっては一番の懸念事項になっている。やはり試着できないネット通販は現状、冒険でしかない。靴などは怖くて仕方が無いだろう。
ネット通販に参入するのなら、消費者心理というものをもう少し研究してもらいたい。
消費者は結局プロの最後の一押しがほしい。
それがベストセレクトで無いとしても、服飾のプロから「あなたのサイズはLだ!!」と断言されると絶大な安心感を持ってショッピングができる。これが大きい。
現状のサイズ表記はそれぞれのサイズ間に必ずダブりがある。
個人的な話、筆者の身長(178cm)ではMでもLでも大丈夫(ボーダー内)だったりする。ここで迷う。そこからのケアがあるのがリアルショップ。残念ながらバーチャルショップにはここが欠けている。
ネット通販においては、ただただ服のサイズを羅列するだけではなく、例えば身長はもちろん、スーツの体型、シャツのサイズ、更に体重、体脂肪率をそれぞれ入力してもらって、自動的にサイズを弾き出すようなチャートプログラムがあっても面白いだろう。もちろん回答は断言的にして。


2006年07月04日(火曜日) #117.建替え中の梅田阪急に望むこと

先日、梅田の百貨店のバーゲンへ出向いた。現在建替え中の阪急だが、建替えによる在庫処分の影響も手伝ってか例年より高集客に見えた。「良識的に商品を漁る」という光景に百貨店らしさを覚えた。
梅田阪急に限らず、百貨店へは夕刻6時以降、週に二回ほどの頻度で立ち寄っている。
良い物を見て目を肥やすというのもある。店員と話をして雰囲気を楽しむというのもある。百貨店へ来ている人間を観察するというのもある。
梅田阪急に関していえば、売り場は画一的ではなく、いまだに迷うことがある。梅田阪急の気に入っている部分はまさにこの部分。
新しい発見というのは常に迷いから始まる。ちょっと考えてほしい。見知らぬ道を歩いていて迷った結果、最終的に新しい道を覚えたという経験は無いだろうか?
逆にいうと、迷いが無ければ新しい発見など無い。これは少し言い過ぎの感があるが、大きく的を外していないだろう。
新しい発見とは即ち、ある種の感動であり、エンターテインメントでもある。なぜ、以前から迷わすフロアを造れと言ってきたのかというと、これがあるからだ。
売場面積を最大限に活用させる為にどこもフロアは画一という言葉通りスクエア的で正直楽しくない。
現状の阪急のそれは増築の繰返しが原因して結果的にそれが好転しているのだが、今回の建替えによって画一的フロアにならない事を願うばかりだ。
それともうひとつ。人が歩く面だけでなく、それと同じだけ面積を有している天井に関しても視覚戦略としてデザインしてもらいたい。
これに関しては次回以降改めて執筆したい。


2006年06月22日(木曜日) #116.クールビズ、足かせの開放は二の次か

近頃ひたすらビジネスマンの足元を見ている。特にノータイのビジネスマンの。
ビジネスシューズは本革、合皮しか有り得ないのか。相変わらずゴツイ靴が多い。
なぜかクールビズの話題において足元があまり語られない。
ネット検索で「クールビズ 靴」で検索しても思惑のサイトへなかなかたどり着けない。
足の寒暖がどれだけ体感温度に影響を与えるかは言うまでも無い。筆者は最近、全体の高さが低いスリップオンタイプの革靴に履き替えた。おかげで通常の革靴へ戻ることができなくなってしまった。これだけでかなり涼しい。チャッカブーツなど論外。
笑ってしまうが、石田純一ばりに”靴下無し”も試したが気持ち悪いだけだった。
革靴に見える又は驚異的な通気性を保つ革の素材開発、更に話を進めて、ファッション界の使命として、ビジネスの場でノータイが受け入れられる様になったが如く、スーツ姿において革靴以外でも受け入れられる様なブーム作りが先決かもしれない。
政府が主導したクールビズ。言葉と共にノータイスタイルが意外に普及しただけに、相対的にファッション界の影響力の弱さが目立った。そういう意味でもぜひ仕掛けて欲しいブームだ。
「人の行く裏に道あり花の山」ごとく、クールビズにおいて足元が軽視されている事をビジネスチャンスと見る事が出来るか否か、これはファッション界の先進性にも通じる事かもしれない。


2006年03月29日(水曜日) #115.アウトレット事業は「アウトレットだから」という意識を捨てるべき

丸井はアウトレット事業に本格参入するらしい。日刊工業新聞によると、丸井本体にアウトレット事業部を設置し、アウトレットモールにテナントとして出店し、プライベートブランド(PB)などを消化する販路としたいらしい。
先日、関空に対岸する「りんくうプレミアムアウトレット」へ出向いた。
見慣れたブランドショップを見回っていると、安さに心ときめくも、サイズタグを見てガックリさせられる事しばしば。
アウトレットだからと言われればそれまでなのだが、「なんて品揃えの悪い!」と思われるのもショップ側として面白くないだろう。
何かプラス発想の戦略が必要になるだろう。消費者にガックリさせないような。
サイズが揃わないのなら、ディスプレーの仕方を変えるべきで、サイズ別にディスプレーするなどの対処が考えられる。それによって、サイズの品揃えに難アリのアウトレットでも、客がムッとする機会がグッと減るかもしれない。
アウトレットだから…と逃げの口実を持って、それに甘んじていると発展など望めない。
アウトレットショップの良い所は、ブランドショップのような気取りも無く、かと言ってファミリーチックになりすぎない所。
そういう意味で筆者はアウトレットという業態は、ファミリーがブランドに触れられる貴重な存在であり、ファミリーをブランド指向へ導く本家ブランドショップにおける呼び水的な存在で、新たな購買層を作り出す重要な役割を担っていると考えている。
今後も更なる安定需要が見込まれる業態ではないかとみている。
百貨店の次期戦略としても無視出来ない業態のひとつになりつつあるのではないだろうか。
ただ、アウトレットとは何たるかをもっと明示する必要性があるように思う。


2006年03月07日(火曜日) #114.バッグにおけるブランドの価値、重要性

バッグにとってのブランドは、アパレルのそれとは比べ物にならないほど重要。
ちょっと考えてほしい。人が着ている服のブランドを当てることはできるだろうか?多分、決まりきった定番ブランド以外は難しいのではないだろうか。
対して、人の持っているバッグのブランドはどうだろうか?結構簡単に分かってしまうのでは?
筆者が言いたいのはここ。パッと見、甲乙つけやすいのがバッグ。故にバッグはブランド性が大事。
先週の「一澤帆布」のお家騒動は、関係者の体たらく振りを世間に知らしめた。「バッグのブランド性」について再考させられる一件でもあった。
関係者のみっともなさはともかく、鞄職人を全員引連れて新たなブランドを構築するという戦略、バッグのブランドに対する認識の甘さにびっくりさせられた。
「一澤帆布」というブランドを広めるのにどれだけ苦労したのかは関係者自身が一番知っているはず。
筆者の視点では、「職人達」と「ブランド」を天秤にかけて、職人達を取ったようにしか見えない。
キツイ表現になるが、「一澤帆布の鞄職人」からブランドを取り去ると「単なる職人」になるという危険性を経営者として認識しているのかと問いたい。
「職人達」と「ブランド」は常に一心同体。お互いどちらかが欠けてもフヌケ状態。それがブランドビジネスのいい所でもあり悪い所でもある。
今回の騒動でブランド自身も激しく傷ついただろう。
この一件は先週執筆したとおり、既に購買した人達に対する背信行為ともとれる。
新ブランドを立ち上げると言う気概は感じられるが、戦略としていかがなものか、今後の動向を見守りたい。


2006年02月28日(火曜日) #113.善良なブランドなら消費者保護の観点も考えるべき

ブランドの偽物対策は、ブランド保護だけにとどまらず、消費者保護の観点からも必須。それが善良なブランドと言うもの。
先日、朝の経済番組で、海外ブランドがホログラムを使用してブランドの偽造阻止にのり出していると報道していた。
少々遅すぎの感がある。日本で人気ナンバーワンの名だたるブランドバッグは、偽物が氾濫しすぎて、全てが偽者に見えてしまう。こういう現象は、本物を持つ消費者にとって迷惑この上ないだろう。筆者が言いたい消費者保護というのはまさにこの部分。本物のブランドを購入した人の事だ。
もちろん、これから購入しようとする人についても保護しなくてはならない。
以前、各ブランドのウェブサイト活用法に苦言を呈した。
ブランドはそのブランド自体の紹介だけでなく、過去出したモデル、現行モデルを写真などで完全網羅したサイト構築をしろと。結局これをやることによって、消費者がやましい激安通販サイトへ迷い込んでしまう事もある程度阻止できる。
何より消費者に他のサイトで真贋解説やらモデル自体の存在を確認させるというのが、ブランド主として恥ずかしい事この上ない。
以前、ちょっとびっくりした事があった。高級ブランドの少々高めのベルトを百貨店の箱ショップで購入した時のこと。家に持ち帰ってそのベルトを眺めてみると、どこにもブランドの刻印がない。こういう物もあるのかとその時はさして気にも留めなかった。が、よくよく考えてみると、ブランドで売っているにもかかわらず刻印が無いというのはおかしな話。
消費者にとって刻印は安心感。安心感を売るというのもブランドの使命。
消費者保護という観点では、セレクトショップのブランドの取り扱いについても言及したいが、長くなるので次回以降に執筆したい。


2006年02月21日(火曜日) #112.「価格」もファッションのひとつ、心粋の問題

財界では、経済格差の問題が浮上してきているが、ファッション界では内なる美意識格差が確実に進んでいる。
毎日新聞によると、ブラジャー1枚が1万円を超す「高級下着」の愛用者が増加する一方、普段人に見られない下着を「実用下着」と位置づけ格安下着を購入する人も増えているとの事。
最近、筆者の目、男の目で見て、世捨て人ならず、女捨て人の増加を感じている。もちろん、女性の目から見て、男を捨てた男の増加の指摘もあるだろう。それは甘んじて受け入れたい。
が、やはりファッションと言う観点から見て女性のそれは際立っている。
男、女と交錯するが、男性のファッションは、過去10年と言うスパンで見てみると確実に底上げされた。低価格、高品質の量販店の台頭がそうさせたのは言うまでもない。
女性のファッションにおいてはそれは当てはまらない。むしろ「低価格衣料」がいつの間にか「実用衣料」へすり替わってしまっている。
女性の下着については、普段人に見られないという少々特殊なファッション性を持ち合わせ、心の内を映し出す衣料でもあると以前執筆した。
安いから、慎重に選ぼうとしないというのも、格安衣料の弊害と言ってもいいだろう。
ファッション性と価格は全く別次元の話と見る人は多い。大抵は、「高いブランド物でもダメなものもある…」と反論する。
ファッション性というものを改めて考えてみると、ブランド、デザイン、”価格”の3つのベクトルが存在しているとみている。
ブランドとデザインは正に外見。筆者は価格を心粋と見ている。
ファッション性に価格の話を持ち込む事自体抵抗を感じる人は多い。ちょっと考えてほしい。高い服を着ている時「高い服を着ている♪」という内なる悦びを感じたことは無いだろうか。
更に言うと、ワードローブをのぞきこんだ時、それぞれの服の値段が頭の中に入っているのではないだろうか。
電車化粧女に代表される、特定の日、特定の人にだけ良く見られればそれで良しとする心粋の無い風潮はかなり気になる。
格安衣料にその風潮の責任を押し付けるのは実に酷な話だが、因果関係は無いとはいえない。
いつの間にか「実用衣料」と位置づけられてしまう可能性のある低価格戦略は、ファッション界において得策と言えなくなってきているように思う。


2006年02月14日(火曜日) #111.男が待つ場所

男は居場所がほしい。
家庭不和に陥り家に帰りたくない中年男性の話ではない。
女性のショッピングで、男性が退屈しない、言い換えると女性に気を使わせない(ショッピング中連れを待たせるという)配慮が必要ではないかという話。
特に盛況店ではつくづく感じさせられる。例えば渋谷109のセシルマクビー。このショップはこのコラムで何度も登場している。土日の集客度は間違いなく日本一だろう。かつて満員電車の様だと比喩した。
連れの男性がエスカレーター脇の柵にズラーっともたれ掛かっている風景は異様で威圧感さえある。
中には親切にも店内に待合ソファーなどを設置しているショップもあるが、現状は売り場面積確保の為、ほとんど設置されていない。
女性のショッピングの後をついて歩く男性の姿は、まさに金魚の何とやら…。
その点、セレクトショップなどは、ユニセックスのアイテムなども豊富に取り揃えられていたりするので男性にとっては退屈することも少ない。
ちょっと想像してほしい。メンズアパレルショップの前に連れの女性がたむろしている現場に遭遇したことはあるだろうか?
男女の差異は正にこの部分。
連れのショッピングを積極的に楽しめない男性は意外に多い。実際、ショップの前で男性がボーっと突っ立っている光景はよく目にする。
提案として、簡易なソファーでも設置して、男性ファッション誌を置くだけでも、女性側は連れの機嫌を気にせず、男性側も積極的に「ショッピングに付き合うか…」とならないだろうか。
連れを店頭で待たせるショップは、男性を無様にさせていると言えなくもない。


2006年02月07日(火曜日) #110.健眼者の為に伊達メガネコーナーを作るべき

現状のメガネ屋は健眼者にとって楽しくない場所。
医療ベースのショップ造りは間違っているとは言わないが、健眼者を確実に取りこぼしている。
これは以前にも執筆したが、メガネ屋で店内を散策していると、店員が話しかけてくるが、「目は悪くないんです…」と告げると、スーッと引いていく。
こんな対応、こんなショップ作りでは、健眼者にとってメガネ屋は無縁の場所と考える人も少なくないだろう。
ファッションベースでショップ造りを進めなければならない。
ちょっと考えてほしい。
服飾はどれだけダサい服でも、ファッション性のカケラはある。
言い換えると「デザインの無い服はない」。デザインが無ければ服は作れないわけだから。更に言い換えると「身に着ける全ての物がファッション」。
顔につけるメガネにファッション性が求められないわけが無い。コンタクトレンズが存在する現状では、ファッション性あってのメガネと言っても言い過ぎではない。
が、現状はどうも違う。確かにメガネ自体のデザインの多様性は増えた。何が言いたいかと言うと、ショップ側が何ら変わっていないと言うこと。
最近、「メガネブームが本格派の兆し!?」という興味深い記事を見た。
オリコンによると最近の音楽、エンターテインメント・シーンでメガネをかけたアーティストやお笑い芸人、タレントなどの活躍が多いとの事。
変える所は変えた。他に変える所がないから付け加える。ウィッグ然り、つけまつげ然り、度なしカラーコンタクト然り・・・。中にはもちろん伊達メガネの人もいるだろう。
目の悪い人用のメガネを、伊達メガネ用にする為にレンズを0度にしてもらうと言う発想では実にお粗末で消極的。
今までショップに近づかなかった健眼者を引き込むため、伊達メガネコーナーを造る。これが戦略と言うもの。
時の人、ライブドア広報の乙部さん。
彼女はコンタクトの時とメガネをかけている時とではまるで雰囲気が違う。正直、メガネをかけている時の方が雰囲気が良い。これは同感される方も多いだろう。
価格打破をしたメガネ業界の次期戦略として考えられないだろうか。


2006年01月31日(火曜日) #109.男性のエステ、成功キーワードは「ついでにやってもらう」

先日、産経新聞で「男だってキレイに!」というタイトルの記事があった。ここ数年、ネールサロンやエステに通い、外見を磨く男性が増えているとの事。
アッパーブランドの男性用スキンケア「シセイドウメン」の売上も前年比で20%増らしい。
外見を磨く男性が増えているといえど、いきなりネールサロンやエステではハードルが高すぎる気がする。
「ついでにやってもらう」というニュアンスがなければ”特定の人が行く所”で終わってしまうだろう。
筆者は理容室でヘアカットしてもらっている。そこは資生堂の直営店で、丁重な髭剃り後に、クリームで顔マッサージ、顔パック(顔の形をした有効成分を染込ませたシートを使用)をしてくれる。初めてその店へ行ったときは、正直驚かされた。「な、何をするんだっ…」と。
本格的な顔マッサージをしてもらったことがなかったので、初エステの第一印象は「こそばい」。
女性の繊細な指先でのマッサージは「気持ち良過ぎる」、これが第二印象。ちなみに家で真似て自分でやってみたが全く気持ちよくなかった。
帰り際、良い香りのクリームの残り香を漂わせ、マッサージによる確実な顔の引き締まりを感じながら、次からここでカットしてもらおうと決心した。それほど”おまけエステ”に感心させられた。
ヘアカットの”ついで”にエステの入り口を提示・体験させる資生堂の戦略は、一人の男にエステの素晴らしさを知らしめた。
男性のエステの入り口は、百貨店も考えられる。
服のコーディネートの相談サービスは既にある。服を販売し、そのコーディネートまで面倒を見るのに、男性コスメを販売しつつ、それを生かすカウンセリングやらのサービスが無いというのは不自然と言えるかもしれない。
百貨店では女性のエステは既に存在している。それだけに、次期戦略として考えられないだろうか。


2006年01月24日(火曜日) #108.株の格言集は少し参考になるかもしれない

先週はライブドア関連、株関連のニュースが目白押しだったので、今回は株の話を絡めて執筆したい。
没落した拝金主義者を、かつて絶賛していたマスコミや個人が、手の平を返したように総叩きにするのを見て、その横並び主義はさて置き、大多数の人が内心、違和感やら反感を持っていたという事実に正直ホッとさせられた。
拝金主義の台頭は、かつて誰かが言った「お客様は神様です」という思想が発端になっていると考えている。この馬鹿げた思想が、消費者を「金さえ払えば何をしてもよい」という勘違いへ走らせた。
思わず品性下劣なタイトルをつけた氏の著を思い浮かべてしまう。
買収防衛策を多くの企業で練らせたという点で評価は出来るが…。
話は変わるが、今シーズンの大寒波で、コートなどの防寒衣料が大いに売れたらしい。これは実に喜ばしい事だが、株の反発、反落と同じで、今シーズンの急激な売上増は、気は早いが来シーズンの急落を暗示していると考えるべきだろう。消費者が来シーズン防寒衣料を買い控えるという事は容易に想像できる。
今シーズンの寒波は記録的なものだっただけに、これは要注意事項。
これは防寒衣料に限らず言える事。
フリースブームの時もそうだった。ブームの翌年は全く売れなくなってしまった。
投資の真似事をする筆者の視点では、株のトレンドも服飾のトレンドも同じような法則で動いている様に見える。
アパレルビジネスでも使える株の格言集を、ちょっと見繕ってみた。


■「頭と尻尾はくれてやれ」
相場の天井と底は誰にもわからなく、欲をかくと失敗しますよという事。
■「人の行く裏に道あり花の山」
人と同じ事をしていてはダメですよという事。
■「卵はひとつのカゴに盛るな」
落とすと全て割れてしまうので分散投資した方がよいですよという事。
■「知ったらしまい」
言葉どおり、知ったらしまいではなく、その情報を生かしましょうという事。


2006年01月17日(火曜日) #107.”香り戦略”は対費用効果で非常に優秀

先日ディスカバリーチャンネルを観ていると「ショッピングの科学」と題した非常に興味深い番組をやっていた。その中で「ショップの香りが買い物客にどのような影響を与えるか」というものがあった。
アメリカでは、男性は「ローズマロック」の香り、女性は「バニラ」の香りを好むらしい。
調査は男性が好む「ローズマロック」の香りを紳士服のショップで芳香させるというもの。
以下のような調査結果が出ていた。
?ショップ自体をより肯定的に捉える。?商品をより好意的に評価する。?ショップへ繰り返し訪れる事が多くなる。?ショップの滞在時間が長くなる。?購買金額が増える。
衝撃的。ショップの香りを変えただけでこの結果。
印象付けに香りを用いることは非常に有効であり、臭覚という感覚は他のどの感覚よりもすばやく心理に働きかけるとの事。
古代、人が狩猟や防衛の為、脳の中で香りという情報を最重要視して処理していた名残なのかもしれない。
ここで注意してもらいたいのは男性の「ローズマロック」、女性の「バニラ」はあくまでもアメリカでの話だという事。
フレグランスの分野において、各国好まれる香りはかなり違う。かつて世界のフレグランスランキングなるものを見たことがあるが、かなり好みに差があった。この辺は留意してほしい。
ファッションビル、百貨店を見て回っていると、十数メートルも手前からそのショップの香りだと分かるほど強烈な香りを放つ公害クラスのショップも実在する。フレグランスショップではなく石鹸を扱うショップに多い。ショップの前を通るたび、四六時中その空気を吸っている店員の鼻は大丈夫なのかと心配する。
上述の調査でも分かるように、香りの効果は絶大だけに、状況が好転するも悪化するも紙一重、諸刃の刃。
余談になるが、筆者は百貨店の化粧品売り場の香りが妙に好きだ。化粧品売り場には綺麗な女性がいるという幼い頃からの心理的な刷り込みが影響しているのかもしれない
香りは心理的刷り込みの為の効果的なアイテム。対費用効果が絶大なだけに試さない手はないだろう。


2006年01月10日(火曜日) #106.人口減少対策は効率化しかない、ブランドの対象年齢の見直し

新成人がまた暴れているらしい。眉毛を極限まで細くした高校球児を見た時のような微笑ましさを感じた。去年30歳成人説を語ったので今年は語らない。新成人は143万人との事。前年より約7万人減。人口減少はひたすら深刻。
服飾ブランドには対象年齢というのがあるが、対象年齢を設けてベルトコンベアー式にある年齢に達したらそのブランドは卒業と言うようなシステムでは、今後の人口減少に確実に置いて行かれるだろう。
ダムのようにせき止めて卒業させないブランド構築が必要になってくる。根本的にマーケティングの手法を変えていかなくてはらなない。
ユニセックスにならって単一世代「ユニジェネレーション」「ユニエイジ」とでも言おうか、世代の差別化を無くすという発想。
「世代に合わせた服を提供する」と言うのではなく、逆の発想で、「年齢で服を変えていくなんて古い」と思わせる積極的なマーケティング戦略を打ち出す。もちろんそれによって異世代ブランド同士の集約やコラボレーションも考え得る。
かつて服飾とは階級の証だった。現在に至るまで、何より多様化が服飾文化を発展させてきた。これは誰も疑わない事実。
これを前提にして、この多様化の大いなる要素「世代間の差別」を無くせというのは実におかしな事を言っているように思えるだろう。が、現状の社会情勢を考えて欲しい。日本の人口は正にターニングポイントを迎えた。丙午やらの特殊な減少を除いて、日本は初めて人口減少を経験した。
人口の総数が減っている状況で、服飾の多様化、細分化を推し進める戦略は非効率でしかないという事は分かって貰えるだろう。
ユニクロの肩を持つわけではないが、ちょっと思い浮かべてほしい。単一ブランドでこれほど対象年齢の守備範囲が広いブランドは他にあるだろうか。
ユニクロのブランド戦略については辛口に述べてきたが、人口減少という局面ではユニクロの戦略が奏功するような気がしてならない。


2006年01月03日(火曜日) #105.神事、祭事で見直す服飾文化

あけましておめでとうございます。
元日、日中の混雑を嫌い、夜中に友人と初詣へ出向いた。近場の有名な神社、仏閣を廻ったのだが、夜中とは言え元日なのに本堂を開放していない所が多く少々驚かされた。個人的には三箇日くらいは本堂だけでも昼夜を問わず開放すべきだと感じる。実際、有名な所では夜中でも初詣をする人が大勢いる。
最近では神社仏閣の管理者でさえ宗教観、文化観が変わってきているのかと考えてしまいそうになる。
極論になるが、無くても困らない事、そういうものが文化であり美徳でもある。服飾文化も然り。
故に大義名分がどうであれ簡素化と言うものは文化を削り取っていると言えなくも無い。簡素化を効率化のはけ口にしてはならない。
効率化イコール簡素化と言う安直な考え方は正にアメリカンチック。文化を削り得る簡素化は最終手段であるべき。
上記の事項に限らず商業主義に走る神社を見ているとふと思う事。
最近感心させられた事があった。ユニクロのエアテックジャケット。
冬場、上着などをフルにジップアップした時、ジッパーの金属部がアゴや首にあたり冷たく感じる。
このジャケットはジッパーの端が三角形の小袋状に縫製されていて直接身体に触れないように工夫されている。細かい事であっても消費者は確実に気付くし恩恵を感じる。
安価でありながらも出しゃばらない日本的な気遣いに感心させられた。このジッパーの加工が日本発祥の物かどうかは分からないが、こういう類の工夫は日本文化に多い。
神事、祭事毎に日本の文化の存在意義を改めて考える事は、服飾文化の発展にもつながるのではないだろうか。
本サイト及びコラムは2年目を迎えることが出来ました。
斬新な視点での情報提供を心掛けると共に、自らもこのコラムを通じて今後も成長できればと考えております。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。


2005年12月27日(火曜日) #104.ネットでリアリティショッピング、ストリーミング技術の可能性

現状のネットショッピングは正直愉しくない。ネットショッピングのエンターテインメント性(以下エンタ性)の欠如については以前執筆した。
ネットストリーミングはエンタ性に欠けているネットショッピングに一筋の光を与える。
ネットストリーミングの「パソコンテレビGyaO」は今年大いに飛躍した。利用者が急増しているとの事。実際筆者も映画とドラマを観ている。
パソコンテレビGyaO:http://www.gyao.jp/
フ〜ンで聞き流さないで欲しい。もしイメージ業界でもあるアパレル業界に身を置かれているのなら、こういうマルチメディア関係のニュースには敏感になって欲しい。
例えば、1週間に1回程度、ショップでディスプレーされている商品を価格を見える状態にして満遍なく録画し、ネットストリーミングとして配信する。
売場の臨場感を愉しめるという点、絶対的な情報量の多さと言う点で静止画を遥かに凌駕する。売場に出向いてでのショッピングに限りなく近づくだろう。
服は欲しいけれど、「忙しくてショップへ行けない」、「遠い」、「売場へはどうも・・・」等々、ショップへ出向けない又は出向きたくない理由は多岐にわたるが、現状のネットショップを見ていると、これらの潜在需要があるにもかかわらず、リアリティ性、エンタ性の欠如から、かなり取りこぼしているのではないかと予測する。
ネットストリーミングは配信側の技術、受信側の環境などクリアしなければならない課題はまだまだあるが、ウェブサイトやネットショップ対策として、今から構想を練っていても早いと言う事は決して無い。
こういう大きな流れを見ているといつも思う。ネット技術の過渡期を見守れる、そういう時代に生きている自分が如何に幸運であるのかを。
今年も一年、本コラムを読んでいただき有難うございました。良い年末年始をお過ごし下さい。


2005年12月20日(火曜日) #103.イメージ商売でありながら店員を重要視しないアパレル業界

先日とある百貨店へコートを買いに行った。ショップを見てまわり、数々の店員と話をしていると、絶対に出くわす。勘違い系と言おうか、浮世離れした店員に。今回もキッチリ出くわした。
イメージ業界を意識してか立ち居振舞いから話し方まで全てにおいて「ツン」とした感じ。何か笑ってしまうが、何となく分かってもらえるだろうか。
勘違い系の人々はどの業界にも存在するが、アパレル業界に至っては際立って存在しているような気がする。
接客調査なる抜打ち調査をして店員の接客態度を監視している所もあるらしい。リアルに上述のような店員に出くわすと、接客調査の必要性を感じずにいられない。
話は少し飛躍する。店員の雇用形態について。
日本の雇用形態の変化、非正社員化は未だ続いているが、マクロ的に考えるとやはり得策ではない。詳細はこのコラムの趣旨に沿っていないので述べないが、結局の所、限られたパイの奪い合いでしかないと考えている。
ネット上で面白い表現をしていた人が居た。派遣という制度について、「椅子取りゲームで、椅子とり代理人が増えただけで、雇用問題の根本的解決になっていない」と。
物凄く的を得た表現でつくづく感心させられた。
アパレルに限らず接客という分野において、非正社員の増加と共に質の低下を感じる。同感される方も多い事だろう。
このファッションビル研究所のサイト趣旨は、かねてから幾度も述べている。三位一体での連携が大切であると。
街あっての商業施設。商業施設あってのショップ。店員を含めたショップあっての商品。
街、商業施設、ショップまで必死で構築して来て、店員でぶち壊すなど言語道断。
そういう意味で、ショップにおいて最前線で消費者と向かい合う店員は、本部より重要視されるべきかも知れない。


2005年12月13日(火曜日) #102.ジーンズ、素材レベルで季節感を与える事は出来ないか

筆者はジーンズ愛好家。この時期ジーンズを穿く時は心構えが必要。
「よし、穿くぞ」と。
ヒタっと平面的に接するから、冷感倍増、保温性ゼロ。
かつて保温性を持たせたジーンズの存在を聞いたことがあるがまだまだ一般的ではない。フェイク(スクラッチやらのキズ加工の事)が当たり前のジーンズ素材において、この様な保温性に富むジーンズが存在しないのは実に不自然。
素材レベルで季節感を出す。
寒いからジーンズから暖かいボトムスに穿き換えさせる。こういう発想では月並み。
寒い季節でも無理してジーンズを穿きたい人の為に、改めて快適なジーンズを作ろうという、素材レベルで解決しようという発想がアパレル業界が本来持つべき発想だろう。
ファッション性と快適性を何の抵抗も無く天秤にかけてしまうのなら旧人類であると自覚してほしい。
これは車業界でも同じことが言える。バブル崩壊後、スポーツカーが途端に売れなくなった。早ければそれでよしとする古いコンセプトの車はどんどん姿を消していった。
身体を守る衣服であれ、移動を簡単にする車であれ、原点は人間をいかに快適にさせるか。この部分は変わらない。
この部分を無視した商品は最新のものでも古臭さを感じる。そういう点でジーンズ業界の冬の快適素材の投入は遅い気がしてならない。これは毎年冬になると感じる。
筆者の即席案。
ジーンズの裏をハードタッチでスクラッチ加工を施し、軽く毛羽立たせてはどうだろうか。ちょっと無理があるか・・・


2005年12月06日(火曜日) #101.「金があるから買う」から「買いたいから買う」へ、購買者の意識変化

「20万円以上」の男性用高級時計が売れているらしい。
産経新聞によると景気回復傾向が反映された結果と分析している。セイコーウオッチによると、国内の腕時計の市場規模は年間約5400億円で横ばい状態が続いているが、内訳を見てみると「5万円以下の時計がシェアを下げる一方、20万円以上の高級時計が伸びている」との事。
携帯電話の普及により、ビジネスの場でない限り、時刻を見るという腕時計本来の使われ方による”実用性の腕時計”はもはや必要ない状況。
以前筆者自身でもプライベートでは腕時計を外すようになったとこのコラムで語った。
それでもあえてさす男性の腕時計は、もはや女性におけるファッションリングに近いものと言えないだろうか。実質両者の根本的な違いは実用性の有無のみ。
話は飛躍するが、「松」、「竹」、「梅」の選択肢があれば殆どの日本人は「竹」を選ぶという。平均主義、右へならえ主義がよく出ているが、こういう日本人の資質の観点で見てみても、高級品が売れるという現象は、従来とは何かが違う。新聞社の言う景気回復要因説に賛同せざるを得ない。
が、なぜ高級「腕時計」なのかという観点も見失ってはならない。
筆者は今回の現象を、バブル期の”乱買”とは一線を画していると見ている。
「金があるから買う」のではなく「買いたいから買う」という明確な購買意識がそこにあると分析している。
それは趣味性比率の高い高級腕時計から売れているという傾向から読み取れる。
以前「#017.携帯時代における腕時計の存在意義」で「時計をアクセサリーと捉える女性、機能として捉える男性」という副題で執筆したが、男性が時計をアクセサリーの一つとして認識する人が増加したという分析も考えられないだろうか。
いずれにせよ趣味性の高い商品を扱う業者は、これらの傾向を今後注意して見守るべきで、大いに意識すべきだろう。


2005年11月29日(火曜日) #100.アパレルビジネストレンド100号を迎えて

アパレルビジネストレンドは100号を迎えることが出来ました。ファッションビル研究所のウェブサイト開設と同時に執筆を開始し、間もなく2年になろうとしていますが、つくづく感じてきた事があります。
それは、街、ファッションビル、ショップの集客対策は、ウェブサイトのSEO対策と本質は同じという事です。
SEO対策とはウェブサイトの集客対策の一つであり、具体的にはウェブサイトをプログラミングレベルで検索エンジンに対し最適化をはかり、「如何に検索者の思惑通りに自サイトへたどり着いて貰うか」という非常に奥の深い分野です。
本サイトも幾度となくこれらの対策を施し沢山のコラムファンを獲得し、同時に励まされてまいりました。
結局、ウェブサイトなら検索者の立場、ショップなら消費者の立場に立つ事が何よりも重要で、集客という要素に限って言えば本質は同じである事を悟りました。
ファッションビルやショップの運営と、小生のウェブサイト運営を同列に語るのは誠におこがましい限りですが、それが私の結論です。
季節は、これからクリスマスや年末年始と、街レベルからショップレベルまで華やぎをみせますが、それらから新しい発見やアイデアを貰いつつ、今後も私の考えを発信する事が出来れば幸いと存じます。
これからもアパレルビジネストレンドをよろしくお願い致します。


2005年11月22日(火曜日) #099.ファッション界の若年信仰は10年後、20年後生き残れるか?

先日、新聞のトップページに「阪大が数値化、加齢と共に幸せは減退する」という記事があった。
男性よりも女性、高齢層よりも若年層の方が幸せを感じていて、所得の高さと幸せは必ずしも比例しないとの事。年齢別では三十代が幸福度が最も高い。次に二十代。四十代以降は加齢とともに不幸になり、六十代では最低らしい。更に「アメリカやイギリス、ドイツでは三十歳代で幸福度が最低で加齢とともに幸福度が増しており、若者に甘く高齢者に厳しい日本社会の傾向を表したともいえる」と分析、くくっている。大阪大学社会経済学研究所が全国の六千人を対象に行ったアンケート結果。
この調査結果を見て、若い事に対して必要以上に価値を置いている日本社会の現状に少々驚いた。
この傾向は女性の方がより強いというのは容易に想像できる。
察するに、若さに対する価値を極度に置いているが故、若い頃は必要以上に幸福感があり、その反動で相対的に年齢が増すほど、必要以上に自分が不幸であるかのように感じてしまっているのではないだろうか。
殆どの人は、相対的な尺度で幸、不幸度をはかる傾向があるが、この調査は特にその面を浮き彫りにしているような気がする。
結局、「決め付け」が起因しているのではないだろうか。
「もういい歳だから〜」「結婚したから〜」・・・と、自分自身でボーダーを築きあげてしまっている。
要するに、自分の中で勝手にボーダーを作って勝手に不幸になっている。
数年前のジェンダーフリー論争はともかく、アパレルのユニセックス化、聖域なき価格打破(メガネ業界)など、とにかくあらゆる敷居がどんどん取り払われてきている中、人間にとって避けようのない加齢が何となく不必要に差別化されている現状が上記の調査結果に反映されているのではないだろうか。
日本におけるコギャルなど極端なファッションを見ていると、本来誇示する必要のない若さを、改めて誇示しているファッションとも取れなくない。
要するに、若い事を必要以上に重要視しているファッション界がそうさせているのではないかと考えている。
晩婚化、少子高齢化傾向にある時流において、今まで続いてきたファッション界の若年信仰は今後得策になり得ないだろう。
例えば現状のファッションビルに変化が無かったとして10年後、20年後を見据えてみると、かなりさみしい状況になっているのではないだろうか。


2005年11月15日(火曜日) #098.理解できないTシャツ観、晩秋なのにTシャツショップに人だかり

日曜の昼下がり、最近オープンしたNU chayamachi(梅田)に出向いた。
季節にそぐわないショップに人だかり。オリジナルTシャツを常時100種類以上揃えるgraphic(グラニフ)。
この怪奇現象は人の熱気で暑く感じた。
ウェブサイトで調べてみると価格は全て2100円(税込)。
季節にそぐわないと書いたが、よくよく考えてみると、さすがに柄物Tシャツをワイシャツの下に着ることは無いが普段着ていることは着ている。寝間着の下にも着ている。
しかしこのグラニフのTシャツは見せる為のTシャツであり、レイヤーで着こなすのか・・・など色々想像してみたが、やはり季節にそぐわないという筆者の認識は間違っているとはいえないだろう。
晩秋にTシャツショップに人だかりが出来るという奇妙な現象を目の当たりにし、その要因がスッと浮かばないだけに、低価格かつ統一価格、絶対的な多種性が奏効しているという安易な結論に落ち着かざるを得ない。Tシャツ自体がカジュアルファッションの基本アイテムであるというのももちろん後押ししているだろう。
目を疑うような値札が下げられているブランドTシャツはさんざん見てきた。メガネ業界やスーツ業界のスリープライスショップがそうであるように、明瞭な価格提示がそこにあるというだけでも好感が持てる。グラニフの価格統一戦略はそういう消費者心理をついた良い戦略。
Tシャツは全て畳みでディスプレーされていた。ブランドチックに売るという戦略が垣間見れるが、これに関してはレディスインナーの事例で執筆した事があるが、ハンガー掛けにしたとたん売上げが伸びたという事例があるだけに、何割かはハンガー掛けがあっても良いような気がする。
キレイに畳まれている服を、全体を見るためにバサッと広げるのは心苦しい。そう思うのは筆者だけではないだろう。


2005年11月08日(火曜日) #097.屋上も売場面積に入れてしまおうというプラス発想が必要、そごう心斎橋

屋上をオマケと捉えるのではなく、他の百貨店にない名所を作り上げシャワー効果を生かそうとする発想が大事。これほど特長的なフロアは他に無いのだから。
そごう心斎橋の屋上には、そういうプラス発想を感じることが出来なかった。
実に醜い金網。網は太く升目の小さいもので、差し詰め動物園の檻、狭さゆえ鳥かご状態。金網が太く風景が見づらいだけにそれ以下と言ってもいいだろう。費用やらの諸問題はあるだろうが、ここは是非強化ガラスにしてもらいたかった。
心斎橋は大阪の中心部で、屋上からのバーチカルな基調の風景は観ていて飽きない。それだけに金網が一層醜く映える。
ベンチが随所に設置されているが、植木で怪我をしそうなレイアウト。
屋上が午後6時に閉鎖されるというのも実に不可解。ちなみに営業時間は午前10時〜午後8時30分(レストラン街は午前11時〜午後10時)。
天然のエンターテインメントをなぜ利用しないのか。
夏の夜はビアガーデン。冬は冬で、例えば寒さゆえ澄み切った夜空を観察させるイベント、というか常設の広場があってもいいだろう。足元だけ照明を照らして、ひたすらデッキチェアを設置するというのも考えられる。
普段夜空を見上げる事は少ないが、冬場たまに自宅のベランダに寝転がって星空を見上げる事がある。「こんなに星が見えるんだ」と素直に驚き感動させられる。登山のような苦労をしなくても、宇宙旅行をしなくても、広大な夜空に光る星々を見ているだけで、自分の人間的な小ささを再確認し、気が楽になったりもする。
世知辛い世の中で、疲れたサラリーマンなどにちょっと横になってもらって夜空を見上げてもらおうなんていうのは粋な計らいではないだろうか。
オープンしたてで、外から見えない部分でも問題が出てきているだろう。再出発を遂げたそごうには、ならではの名物、もてなしをプラス発想で仕立て上げる企画をどんどん出して、オープンしたての初々しさ、フレッシュさ持続してもらいたい。


2005年11月01日(火曜日) #096.そごう心斎橋は11階がメインフロア、偶然の発見を愉しめるフロア

再オープンからしばらく経ったそごう心斎橋本店を視察した。
「エンターテインメント性重視」がどういう形で表現されているのか楽しみにしながら入店すると、エスカレーター横で女性がピアノを演奏していた。エンターテインメント性を目指した一環なのだろうが、広場や待ち合わせ場所のような所で演奏しているわけではなく、人が流れる所で演奏をしている。もちろん人だかりも殆ど出来ていない。演奏終了と同時に関係者と思われるスーツ姿の男性の、周囲の人達に拍手を誘っているかの様な拍手が痛々しく感じた。
せっかくの吹き抜けが生かしきれていない。吹き抜け部分にちょっとした休憩所、広場を設けてそこで静かに演奏すればどれだけ雰囲気が良くなるか。どことなく音が聞こえてくるという感じ。価値の高め方が分かっていないような気がする。
そごうは11階・12階のフロアを「こだわり趣味の街」と銘打って、特に11階では呉服店、創作趣味の店、こだわり趣味の店、和雑貨の店を出店している。このフロアだけ全体的に照明も暗く、通路も狭く設計されている。和を基調にしたフロアで、屋根瓦も通路に顔を出して町屋の軒先を思わせる落ち着いた雰囲気を醸し出している。
筆者は薄暗く狭い通路を持つフロア構成に対して軒並み好印象を持つ。ギャレ大阪も好感を持つフロアの一つ。通路は直線基調でなく渓流のように複雑なら尚良い。
通路の狭さ、複雑さは物理的に歩くスピードを遅くし、その狭さゆえ結局両端のショップを同時に見て歩く事になり、立ち止まる機会が多くなるからだ。ここに筆者の言う「偶然の発見を愉しめる」がある。
ちょっと想像してほしい。通路が広くひたすら直線だとスーッと通り過ぎてしまわないだろうか?
照明の薄暗さが雑踏空間の中で探検気分を更に盛り上げている事は言うまでも無い。
この探検気分というのもエンターテインメントの一つと言っていいだろう。筆者が、そごう心斎橋11階フロアを「偶然の発見を愉しめるフロア」と表現している理由はここにある。


2005年10月25日(火曜日) #095.インナーの好みは本性がダイレクトに現れる、精神的個性化の遅れ

ワコールが、世界12都市の20代から40代の女性約1700人を対象に「好きな下着の色」のアンケートを実施した。半分の6都市で黒が1位になったらしい。
対照的に日本では1位がベージュ(55%)、2位は白(48%)、3位ピンク(42%)、4位黒(39%)という結果。
黒は好まないらしい。
下着における黒のカラーイメージは一般的に積極的、攻撃的なイメージで固まっているが、筆者は凛とした”精悍”というイメージがあって好きだ。
個人的趣味はともかく、このアンケート結果は実に興味深い。
社会情勢とカラーについてはよく相関関係を語られるが、インナーにおいては普段人に見せない部分で、積極的に見せる特別な日で無い限り、本性がダイレクトに反映される部分であると考えている。
それだけに日本でベージュが1位というのは、ちょっと精神的にオバサンしているような気がする。余りに無難で横並び。話は飛躍するが氾濫するヴィトンのモノグラムに通じる物を感じた。インナーだけに精神的なものまで横並びではないかと心配してしまう。
逆に考えると下着一つで積極的にもなれると言える。実際、赤い下着は体の表面温度を高めるらしい。ちょっと信じ難い話だが精神的なものがそうさせるとの事。かつてテレビ番組で観たことがある。
ワコールのウェブサイトをのぞいてみると、1位がベージュという調査結果を悲観してか、カラフルな下着が目立つ。
実際ファッションビルのインナーショップをのぞいてみても店頭にベージュが飾られている事は少ない。
アパレル関係者は、1位のベージュに続き、2位の白、3位のピンクという調査結果を見て、日本女性の精神的個性化の遅れを絶望視すると共に、開拓のチャンスでもある事を改めて認識すべきだろう。


2005年10月18日(火曜日) #094.2011年「百貨店なら梅田」が完結へ、三越の梅田出店

三越は先週、建設中のJR大阪駅新北ビル内に新店を出店すると正式発表した。2011年春にオープン予定との事。
2011年は梅田の百貨店にとって記念すべき年とも言える。今回の三越のほか阪急、大丸がそれぞれ大規模な建て替え、増床が完了する年だからだ。
三越の梅田地区参入を他の百貨店が競合とみなしそれを危惧しているのなら実にネガティブシンキング。
「金持ち喧嘩せず」。この言葉の真意は金持ちの引き出しの多さに由来している。実に稚拙な言い回しで申し訳ないが、引き出しが多い百貨店に是非贈りたい言葉。特に百貨店におけるサービスという引き出しは多い。百貨店のサービスの多種多様さが各百貨店に個性、オリジナリティを与え、ひいては競合を無くす。
これも、以前から筆者が唱えている平場の充実化が前提になる。
平場あっての百貨店独自サービスだからだ。
儲からなければ即撤退という現状の小売の悪習に嫌気をさしているのは筆者だけではないだろう。特に家電量販店。サービスを声高にアピールしているが、店舗自体が入れ替わってしまうのだからサービスなど無いに等しい。
こういう小売の現状において、百貨店の担う本物のサービスの提供、その存在意義は大きい。
サービスはもちろんの事、扱う商品が高級であればあるほど、趣味性が増し、競合相手になりにくいというのも百貨店にとっての強みであり、「金持ち喧嘩せず」の一側面とも言えるだろう。
三越の梅田出店の意義は、心配される競合より相乗効果の方が甚だしい。
「百貨店なら梅田」という構図が完成に近づくからだ。
これら百貨店は全て梅田地下街でつながっている。梅田の地下街は日本最大。複雑でもあり、筆者は未だに、ある地点からある地点への移動で最短ルートが即座に出てこない。複雑怪奇ゆえ探検気分、偶然の愉しみというのもある。
上記の百貨店はもちろん、ヘップ、イーマ、ハービスエントの主要ファッションビル、ディアモール、ギャレなどのモールも全て地下街で通じている。
筆者のような商業施設を研究する者にとっても最高のフィールドでもある。
大阪人としても今回の三越の発表は特に嬉しい出来事。


2005年10月11日(火曜日) #093.ブランド戦略はイメージ戦略、イメージ戦略はロゴ戦略

先日、ダイエーはロゴマークを年内に変更すると発表した。大いにやるべきだろう。三洋電機も業績不振に喘いでいる。「SANYO」のロゴマークから受ける筆者の直感的なイメージは、悪い意味での「軽いデザイン」だ。
先週末、ユニクロは旗艦店となる銀座店をオープンした。銀座に出店した意図を「グローバルブランドになる第一歩」と柳井会長は語っていた。
かつて「ユニクロは、低価格をやめます。」という大きな新聞広告を出した。価格を上げるというのではなく、品質向上により”安物”というイメージを払拭したいと明言していた。今回の銀座出店でも分かるとおり、その路線を更に推し進めたいのだろう。
ウェブサイト、ユニクロ銀座店のページを覗いてみると、銀座という立地でありながら、「ユニクロプラス」という文字が一切出てこない。ユニクロのメインページを覗いても「ユニクロプラス」の文字は確認できなかった。
安物イメージを脱するという大胆なブランド戦略において「ユニクロ”プラス”」などというロゴの踏襲では全く意味を成さない事が分かる良い事例だろう。
かつてのコラム「ユニクロは無印良品より日本におけるGAPのブランド戦略を見習うべき」(2005/05/31)で、海外でブランドを洗うという手法、レクサスに学べと執筆した。
トヨタは国内で強烈なイメージで固まっている。海外でレクサスブランドを展開せずに、いきなり国内でレクサスブランドを展開していたら成功していただろうか。
ユニクロのイメージも国内では余りに強烈過ぎる。その強烈なイメージゆえ大躍進してきた。
海外に新天地を見出し、同時にその機会を生かし別ブランドを立ち上げる。こういう手法は正にユニクロの訴えるグローバルプランに合致していないだろうか。
海外プランはともかく、ユニクロをイメージできないロゴデザイン、ネーミングによる新たなブランドを立ち上げない限り、ユニクロのブランド戦略は結局遠回りを強いられるだろう。


2005年10月04日(火曜日) #092.ネットショップ戦略は実店舗とのリンク、エンタ性の補完が重要課題

先日、ビームスが自社サイト以外で初の公式オンラインショップをオープンしたとのニュースがあった。こういう流れは今後加速していくだろう。
ネットショップはディテールの見せ方と、エンターテインメント性(以下エンタ性)をどう補完するかが問題。
現状のネットショップはエンタ性が絶対的に欠落している。要するに愉しくない。
前回はアパレルショップにおけるエンタ性の重要性を指摘した。
筆者もネットショップは結構利用してきた。振り返ってみるとエンタ性の無い実用品ばかり購入してきた。例えば部屋着など。結局、実際のディテールや質感を画面上から感じとる事ができないという点、ネット購入では愉しめないという点がネットショップの利用に影を落としている。
こういうネットショップ特有の問題を見ていると、アパレルにおけるネットショップの将来性を悲観視せざるを得ないが、ヤフーが実施した「インターネットを通じた買い物について」という調査によると、ファッション関連商品を中心に女性の利用が増加傾向にあるとの事。正直ちょっと驚いた。
予想するに、ネットショップでファッション関連商品を購入する人の殆どは、あらかじめ実物を実店舗において試着、品定めしていて、後日ネット購入すると言うパターンが多いのではないかと考えている。
こういうネットショップの使われ方を想定すると、ネットショップを独立させるのではなく、実店舗とネットショップを完全にリンクさせる戦略が正攻法として浮かび上がる。
ユニクロは既にネットショップと実店舗をリンクさせている。驚く事に新聞広告ともリンクさせている。
筆者はかつて「点在する要求を結びつけるのがWEBサイトの役目」と執筆し、現状のブランドアピールに重きを置くアパレルサイトを批判した。筆者が言いたかったのは正に今回の「ネットショップの実店舗とのリンク」。
画面でしか訴える事が出来ない現状のネットショップの環境、エンタ性の欠落という問題から、アパレルにおけるネットショップは独立させるのではなく、実店舗の補佐役として機能させておくべきではないかと考える。


2005年09月27日(火曜日) #091.服探しはエンターテインメントでならなければならない

エンターテインメントの存在意義は非日常性を提供する事。
極端に明るい、極端に暗い。極端に開放感がある、極端に閉塞感がある。極端にBGMがうるさい・・・。
集客調査をしていて極端な集客を誇るショップは、いずれもこの様な特徴を持ち合わせている事が多い。要するにエンターテインメントである非日常性がそこにある。
最近の映画、「チャーリーとチョコレート工場」では上映中チョコレートの香りを場内に芳香させるという演出も話題になった。香りという要素も考えられる。それを意識したショップは既にある。映画館自体も非日常を愉しむエンターテインメント空間。”いつもと違う”がポイント。
自宅に映画館並の設備を整えて映画を観る事が出来たとしても、一部の人たちを除いて、まず面白くないだろう。自宅に映画館を造ると、結局それは日常化してしまうだろうから。
上述の極端な演出であっても、長期にわたって変化が無ければ、そのショップに通う人達にとって日常化してしまう。
それを解消する手法はやはりレイアウト変更になるのだが、それさえ怠っているショップは結構多い。というか、これらの事「服探しはエンターテインメントである」という事自体を理解していないと言うべきだろう。
上述の照明の事について。
心斎橋筋商店街の照明を1.5倍の明るさにするというニュースが最近報じられた。そごう心斎橋本店オープンを意識してとの事。
照明が人に与える影響は結構ある。例えばコンビニの照明。コンビニの照明は通常店舗の倍以上の照明器具が使われている。あまりに強烈な照明ゆえ、夜間出入りする人の体内時計を狂わせるという話を聞いた事がある。これはコンビニ特有の夜間営業で、客に安心して入店させるというのがねらい。
こういう傾向、街自体がショップなどで積極的に取り入れられている手法を用い成熟する傾向を見ていると、結局「街はショップの拡大版」であり、「ショップは街の縮小版」である事を改めて感じる。


2005年09月20日(火曜日) #090.ウォームビズ、アパレル界の役目は季節感の無い物に季節感を与える事

第一生命経済研究所は環境省が省エネのために打ち出した「ウォームビズ」について、約2323億円の経済効果があるとの試算をまとめた。ニット製品や保温性の高い下着などを新たにそろえることで、男性が1人当たり約2万6000円、女性が2万3000円出費する事を前提に試算したとの事。
無茶な試算に笑ってしまった。「ウォームビズ」対策のために1人当たり改めて2万6000円分の衣料を買い足すと言うのか。あり得ない。
こういう話になると必ず経済効果云々と言うのが出て来る。経済効果を語るのはおかしい。暖房を強めれば電力を消費し実質的に経済効果は上がるのだから。かといって経済効果ではなく環境云々を言い出すと更に質が悪い。発電のための化石燃料を減らす代わりに、化繊を多く占める衣料を改めて買うわけだから。暖かさを増す機能性素材に化繊は不可欠。
一枚多く羽織らせるというのはお役人の発想。
季節感の無いアイテムに季節感を与え、ワードローブを入れ替えさせるというのがアパレル界本来のスマートな発想ではないだろうか。
信用ならない経済効果、環境云々を語るお役所を横目に、アパレル界からは冬用ビジネスウェアの提案を発信すべきだろう。
筆者が特に言いたいのはワイシャツ。上着と違ってワイシャツに関しては殆ど季節感が無い。機能性の違いによって夏用シャツ、冬用シャツを区別させる。これだけでワードローブの入れ替え効果が期待できる。
「ウォームビズ」の無理やりな理由付けに対して批判的に書いたものの、こういう傾向はアパレル業界にとって追い風になる事は確か。
オフィスだけではなく、ファッションビル、百貨店などの商業施設でも、夏場の冷房はともかく、冬場の暖房は極力控えてほしいというのが一消費者である筆者の思い。
暑さで脱いだ上着を持ってのショッピングは正直疲れる。


2005年09月13日(火曜日) #089.百貨店という業態こそセレクトショップに向いている

先々週このコラムで「百貨店の正常進化の最終形は”高級セレクトショップ”である」と書いた。その続きを記す。
筆者は百貨店のセレクトショップ化が百貨店自身のブランドを守り、如いては他の百貨店との競合防止にもつながり、ファッションビルとの差別化も図れるとみている。
インショップとして迎え入れるのではない。百貨店自体がセレクトショップ化するという事。要するに総平場化。
現状の専門店街化された百貨店は、いわばユニットで構成されたプレハブ建築に近い。ユニットで構成された物には個性が無い。
差別化を見出せない業界は衰退するしかない。例えば家電量販店。もはや潰し合いにしか見えない。説明する必要も無いだろう。
セレクトショップはブランド又はノーブランドアイテムをショップのブランド(信用)として展開する業態。
ファッションビルにおけるセレクトショップ台頭の危険性はかつてこのコラムで指摘した。セレクトショップ業態特有の「ブランドには拘りたくないが、確かな物が欲しい」と言う客層の競合と、「ブランドには拘りたくない」がゆえセレクトショップ間で客が流動してしまう危険性を孕んでからいるからだ。
単なる客の流動を相乗効果とは言わない。筆者がセレクトショップという業態が個別店舗、路面店に向いていると言う理由はここにある。
セレクトショップが百貨店の本来目指すべき「自らのブランドを掲げてセレクトした商品を提供する」という大義を有している点、セレクトショップが上述したように個別店舗に向いているという点、セレクトショップ化によって百貨店自身のブランド保護につながるという点、これらの理由により筆者は「百貨店の正常進化の最終形は”高級セレクトショップ”である」と考えている。


2005年09月06日(火曜日) #088.ショップ構築の要は店員という事実

「今一番投資したい国は?」という、外国人投資家へのアンケート調査で日本が1位に挙がった。季節は秋だが、景気の春を感じさせる。
内閣府の「小売店舗等に関する世論調査」によると、買い物をする店を選ぶポイントは「品質・ブランド」より「価格」へシフトしているとの事。
平成9年、8年前の調査では「品質・ブランド」がトップに挙げられていたが、今回の調査では3位。今更驚く事ではないし、狼狽してはいけない。
消費者心理が実際の景気からゆっくり遅れてついてくる事は当然の事で、不景気で打ちのめされた大多数は、しばらくの間貯蓄へ向かうだろう。
上記の調査は世代別にも集計していて、質に重きを置く傾向は年齢の上昇に比例しているらしい。
世代つながりだが、ファッションビルの集客調査をしていて気になるのが、30歳以上と思われる男性の姿が女性のそれに比べて極端に少ない事。私事だが筆者は31歳。
30過ぎから急にファッションへ興味を失う男性は多い。家族を持ちファッション自体に興味が失せる、又は費用を掛ける事が出来ないからという意見もあるだろう。
が、どうも違うように思える。筆者の主観ではショップ自体行きたくないと言うのが本音ではないかと見ている。
悪い意味で対応の軽い店員は多い。特にファッションビルでは。中には社会人としてはどうかと思わせる者もいる。
好きなブランドでも店員がダメなら行く気も失せる。かつてこのコラムで30歳成人説を唱えた。店員の質が気になり始めたのも30代突入後。オトナにはオトナの対応が必要である事を痛感させられると共に、ショップの良し悪しは結局店員なのかと、ファッションビルを研究する立場として思ってはならない事だが思わずにはいられない事もしばしば遭遇するようになった。
苦労してショップを構築しても悪質な店員が全てを台無しにする。これは客の立場で始めてわかる事実。


2005年08月30日(火曜日) #087.百貨店の正常進化の最終形は”高級セレクトショップ”である

[百貨店の専門店街化は確実に間違っている]
近頃”ファッションビル研究所”と謳いながら百貨店の事ばかり取り上げて申し訳ないと思いつつ、そごう心斎橋本店再オープンを前に余りに言いたい事があるので今回も取り上げる。
百貨店の専門店街化はどう考えても売場レイアウトに無理がある。
ある百貨店のブランドショップへバッグを見に行った時の事。探していたバッグがなかったので店員に聞くと、平場のバッグ売場にあるかもしれないとの事。追って「平場との商品のバッティングは極力避けている」という話も聞いた。
百貨店業界特有の問題でその時は”ま、当然か”と気にも留めなかった。
が、よくよく考えてみると他の百貨店で”得”した事を思い出した。そこはブランドショップの隣が、平場の紳士小物売場というシチュエーション。キーホルダーを探していた。ブランドショップで4000円で販売されている物が数メートル離れた平場では3000円で売っている。何度も往復して同じ物かを確かめた。完全に同一商品。
百貨店だけにショッキングな出来事で、以来百貨店では両方の売場を確かめる癖がついてしまった。
上述の店員の話”お互いバッティングしない品揃え”は、自由競争の欠落を招いている。
反対に、品揃えに制限を加えずに自由競争させると、今度は筆者が体験した”二重価格”という百貨店としては避けたい事態に陥る。
百貨店の専門店街化の無理がここにある。
9月7日再オープンを控えているそごう心斎橋本店の新聞記事にも「百貨店+専門店」と強調されていた。それだけに再びこのコラムでどうしても指摘したかった。
筆者の考える百貨店の正常進化の方向性は、今回のタイトルにもあるように「高級セレクトショップ化」にあるとみている。
長くなるので、この事に関しては次回以降に執筆したい。


2005年08月23日(火曜日) #086.ビジネス街のブランドショップ進出は案外容易

銀座は銀座の良さ、丸ノ内は丸ノ内の良さがある。が、街全体を見回したとき圧倒的に丸ノ内の方が品がある。ブランドショップは銀座の方が遥かに多い。差異は看板の数。
看板に関してはかつてこのコラムで執筆した。街の成熟には看板規制は不可欠。品のない看板は街全体の品位を損なうし、悪循環も生み出す。品のない看板は落書きに近い。ニューヨークの治安改善は落書き消しから始まった。「ブロークン・ウィンドウ理論」は余りに有名。この理論は結構どこにでも当てはまる。自分の部屋レベルでも。ホコリや雑誌を放置しておくと途端に汚くなっていく。”看板ごとき”という認識で放置しておくと取り返しがつかなくなる。
驚く事に”サイバーシティー”みたいで逆に良いという外国人観光客もいる。ヘンな日本語をあしらったTシャツを着る外国人に通ずるものがあり笑ってしまう。
現時点で丸の内のブランドショップ進出は成功したといえる。上述の様に看板の少なさが、ビジネス街とブランドショップの融合を容易にした。
こういう先例に倣って、今後、ビルの路面フロアを行政レベルで規制していく動きは更に加速してゆくだろう。
御堂筋は既にその流れを踏襲している。心斎橋付近の路面フロアはどんどんブランドショップに代わって街自体の品位が途端に上がった。
大阪の本町は遊び行ってはならないような雰囲気がある。排他感を出すような街は、街として魅力がない。本町は御堂筋線という大動脈かつキタとミナミの中間に位置し、看板の少ないビジネス街。ブランドショップ進出の失敗要因を見つけるほうが難しいような気がする。
ビジネス街におけるOLの存在が丸の内の成功を導いた事も忘れてはならないだろう。


2005年08月16日(火曜日) #085.浴衣文化復活のための布石、その方法

ある調査によると、20〜30代のサラリーマンの殆どは、軽装で仕事先を訪問する事に抵抗を感じているものの、来客のノーネクタイは気にならないとの事。
実に面白い。自己主張の弱い日本人らしい調査結果。これが自己主張の強いアメリカ人だとすると真逆の結果になっているのだろうか・・・。
クールビズ推進派、クールビズ実践派にとって、この調査結果は実に喜ばしいだろう。
話はちょっと変わるが、大阪高島屋によると、女性用浴衣の売上げは昨年に比べ10%、男性用に至っては約40%も増えたとの事。担当者はクールビズ人気が後押ししているのではないかと分析している。
実は筆者も浴衣を着たい。しかし抵抗がある。家から着てゆくのが・・・。
できるなら街中などに出てから着替えたいというのがホンネ。
こういう考え方をする自分を振り返って、上述の話ではないが、つくづく自分が生粋の日本人である事を悟る。同感される方も中にはいらっしゃるだろう。「街中に出てから着替えたい」という潜在需要は多い気がする。
そこで「浴衣着替えコーナー」なる”お着替えスペース”のビジネスモデルを考えてみた。百貨店の催事フロア、ファッションビルで考えられないだろうか。大量の着替えボックスを備えて。もちろん浴衣も販売する。これに付随させるサービスも考えられる。正に百貨店の催事に通ずる。
上述の男性用浴衣の大幅な売上げ増は次なる大波のサインと見るべきだろう。来年の浴衣売場の進化に期待したい。


2005年08月09日(火曜日) #084.商業施設のエンターテインメント化は極自然な進化

新聞記事によると9月7日にオープンする心斎橋そごうは、エンターテインメント性を前面に打ち出し集客力アップを狙うとの事。
方向性は間違っていない。ファッションビル界では階上に映画館を持つビルも多い。シャワー効果については何度も述べている。デパオクに関しても以前執筆した。
かつて百貨店は、休憩の為のベンチすら殆どなかった。消費者は効率を求める姿勢を無意識に感じとっている。
効率を求めると百貨店は途端に面白くなくなる。過剰包装を無くす事が出来ないのもこの為。
ファッションビルとの違いはここにある。
逆に言うと非効率を求めないと威信を保てないほどファッションビルと百貨店の差異がなくなってきているとも言える。
非効率を目指せとはおかしな事を言っている様に思えるかも知れないが、百貨店で買い物をした時の会計を思い出して欲しい。店員が小さいトレーに客の代金乗せてウロウロしている姿はよく目にする。こんな非効率が消費者に許されてきた現実に目を向けるべきだろう。無駄の楽しさとは言いすぎだが、百貨店独特のプロセスはそれさえエンターテインメントと言えるのかもしれない。
百貨店のエンターテインメント化はむしろ遅すぎたと認識すべきだろう。今後、百貨店のエンターテインメント化が「遊び=子供」という安易で幼稚な発想に陥らない事を願う。


2005年08月02日(火曜日) #083.子供の代わりにペット・・・そんな時代が迫っている

子供の代わりにペット。ペットの代わりに死なないロボット・・・。
子供の代わりにペットという人が増えている。独身で寂しいから。家族がいても、口答えのしない裏切らないペットに心の寄り所を求めてしまう人もいる。こういう社会傾向は今更議論するまでもない。
丸ノ内や銀座界隈を歩いていると、玩具犬(こういう言い方は好まないが分かって貰えるだろう)が散歩というよりダッコされて、人間が散歩している光景に何度も出会った。ダッコしつつファッションビルにも入る。
最近の、暴れる人間の子供よりしつけがなっている。
一見すると自分の事を理解してくれているような犬の仕草、ペットに傾倒する気持ちがわかる。あらゆる飼い主に話を聞いてきたが殆どが人間と同格、またはそれ以上の愛情を注いでいる。口答えしないのがポイント。
晩婚化、少子化、離婚率の増加(家庭不和の増加)、所得減少…。どれだけ好材料を持ち出してきて見積もってみても、日本において子供の数は今後絶対に増えない。
アパレル界は真剣にペットアパレルなる市場の拡大を意識しなければならない時期が来ている。統計を見てみても子供の数とペットの数は反比例している。
以下にWEBサイト”社会実情データ図録”のアドレスを記す。
衝撃的数字が網羅されている。大きい視点でマーケットを見るには適している。


■社会実情データ図録
http://www2.ttcn.ne.jp/~honkawa/
■飼育しているペットの種類(家族の一員的、感情移入しやすい犬猫の増加が目立つ)
http://www2.ttcn.ne.jp/~honkawa/2500.html
■集合住宅におけるペットの飼育
http://www2.ttcn.ne.jp/~honkawa/2600.html


2005年07月26日(火曜日) #082.渋谷109、ショップレベルで参考にしてはならない事例

渋谷109はショップレベルで参考にしてはならない。ビル自体にエンスーがついてしまうとショップが過大評価されてしまう。
”109のセシル”、”109の・・・”が一つの固有名詞になってしまっている。実際このひとくくりのキーワード検索でこのホームページへ訪れる人も多い。こういうビルはなかなか存在しない。それだけに特異なビルの事例として参考になるかもしれない。
109セシルについては以前も取り上げた。アパレルショップでは間違いなく日本一の集客力だろう。というか世界一かもしれない。一度店の中に入るとなかなか外へ出る事が出来ないのだから。服を選ぶ事さえままならない状態。ラッシュアワーの満員電車を思い出していただければ有り難い。
ちょっと話は逸れるが、ビルの存在について。ビルデザインのシンボル化。あぁ、あのビル・・・、丸っこい・・・、クラシックな・・・、中に巨大な鯨が泳いでいる・・・。シンボル化されるビルのデザインはどういう状況であっても有利。
ビジュアルで商売しながら、ビジネスライクな面白くないビルデザインは多い。効率を考えるなとは言わないが、面白い外観、面白い空間デザインのビルほど高集客というのも事実。個々で効率を目指すのは木を見て森を見ていない証拠。面白い街、面白いビル、面白い店。これらが備わってこそ最高の効率をたたき出す。この事はファッションビル研究所のサイト趣旨でも述べている。
渋谷109はショップレベルではなくビルレベルで参考にするのが正解。


2005年07月19日(火曜日) #081.百貨店の常識はどこかオカシイ、情報のインデックス化が必要

大手家電量販店のディスプレイを参考にすべき。カテゴリーを越えて使用される、例えばメモリーカードを考えてもらえば分かる。メモリーカードはデジカメでも使うし、パソコンでも使われる。デジカメ売場、パソコン売場とも同じだけ置いてある。デジカメ用のメモリーカードを探すためにパソコン売場に足を運ぶ必要は無い。これが当たり前。
こういう当然の事が百貨店では無視されている。
筆者の場合、痛感したのがサングラス。今年も一つ欲しいなと思い東京、大阪の百貨店を歩き回った。
とある百貨店のサングラス売場へ行くと、シーズン商品なのに余りに数が少ない。驚きと不満を抱え案内所へ行って聞いてみると、案の定、特設会場などで他のフロアにもあるとの事。その後、他の百貨店でも同じような事態に何度も陥った。
案内所の人が、複数に分かれた売場を打つ鐘の如く即答してくれたのが印象的。百貨店での案内所の存在意義が分かった。
結局、どちらの売場も重複するサングラスがあったり無かったり・・・。どうしてもこういう事態を避ける事が出来ないのなら、他のフロアにもサングラス売り場がありますとインフォメーションすべき。
整理されていない情報は無価値。エスカレーターやエレベーター前に掲げてあるインフォメーションボードは酷いものが多い。隣町へ行きたいだけなのに世界地図を見せられているような感覚。
筆者の様にすぐにインデックス化を求めてしまうのはゲーム脳ならずコンピューター脳の仕業か?


2005年07月12日(火曜日) #080.アパレル各社、WEBサイトの活用法に疑問

未だにFLASHを多用しているサイトが多い。ブランドイメージを最大限に引き上げたい気持ちは分かるが、閲覧性はかなり悪い。
アパレル外だがアップル・コンピュータのホームページは良い手本。FLASHを使っていない。大企業では珍しい。
http://www.apple.com/jp/
WEBサイトの本質を理解していない上層部がWEBサイト製作会社が提示するFLASHサイト(通常のサイトより制作費が高い)の見栄えに踊らされているのが現状だろう。
要するに古くて安っぽい発想、コンセプトをWEBサイトでわざわざさらけ出している。
例えば、どこかのショップで見かけたあのブランドのバッグ、他はどこで扱っているのだろう?幾らだった?今でもあるかな?
ブランドイメージだけでなく、点在する要求を結びつけるのもWEBサイトの役目。自ブランドの商品さえまともに紹介していないサイトばかり。
結局サイトで見つけることが出来ず、各店舗を駆けずり回った経験のある人もいらっしゃるだろう。それどころか検索中に本命のサイトがヒットせず怪しい小売サイトにたどり着いて商品に安っぽいイメージを抱かせる事もしばしば。
そういう意味でもサイトで自ブランド商品を網羅する事は必須。
ファイブフォックスブランドはWEBサイトすら存在しない。
意図は分からないが、やはり好ましいとは思わない。


2005年07月05日(火曜日) #079.女性発想デザインの固執化、水着売場はトレンドデザインの縮図

<今こそ男らしさ女らしさ、ジェンダーデザインを>
ファッションビルに水着ショップが続々と出来ている。水着売場を見ているとビキニが殆ど。ワンピースの少なさに驚く。多様化という観点でビキニ偏向は好ましくない。
”ビキニで積極的になりつつ柄化やフリルで体型を隠す”的発想の水着が如何に多いことか。これは正に女性特有、更に言えば日本女性特有の発想だろう。
こういう見方で水着を見ていると表面積が小さいだけにアパレルのトレンドデザインの縮図になっている事に気づく。デザインに男性発想が感じられない。
結局の所、ファッションは見られる事で始めて意味を発揮する。理論的にそのファッションを見る人の半数は男性である事を意識すべき。
優秀な女性デザイナー、スタイリストといえど男性側の趣向は理解できない。逆も然り。
少々話が超越するが女性ファッション誌も同じ。女性の中だけで流行を創出していてもそれ以上の進化は無い。男性にとってつまらないデザインばかりになる。
数年前のジェンダーフリー思想の台頭はファッション界にとって実につまらない現象だった。今こそ、男らしさ、女らしさのジェンダー発想デザインを異性に求めるべき。
最近になって撥水、速乾などの機能性水着が多く出回ってきている。オーダーメイド水着も好評とか。
水着は人前に出ることができる最低ラインのファッション。ジェンダーを極めるファッションとも言える。デザイナーにはこの観点での進化を求めたい。


2005年06月28日(火曜日) #078.百貨店の”専門店化”と”箱ショップの壁撤廃”は要注意

<ブランドの本質とは差別化である>
もはや専門店化する百貨店とファッションビルの違いは殆ど無い。
新宿三越は2005年3月31日に「アルコット」として百貨店から雑貨中心の専門店ビルへ改装した。若い女性の集客を狙っているとの事。
箱ショップの壁撤廃については「2005年03月15日(火曜日)伊勢丹新宿店シンデレラシティの大改装」で一度述べた。ブランドの敷居を低くし、排他感を無くした売場は成功した。
ここでゲート効果について話す。クレジットカードを思い出してほしい。シルバー、ゴールド、プラチナ・・・。第一のゲート、第二のゲート・・・。人はある程度の敷居があると、入りたくなるという衝動が起きる。百貨店には二つのゲートがある。百貨店自身が第一のゲート。インショップが第二のゲート。
百貨店のファッションビル化と、箱ショップの壁撤廃は見事に百貨店の二つのゲートを取り払っている事に気づくだろう。
百貨店界はブランドの定義を見失ってきている。敷居のないブランドはもはやブランドではない。ブランドの本質とは差別化なのだから。極論すると敷居あっての百貨店。敷居を無くす事は自虐行為とも言える。ともかく見てもらわないと始まらないショップ側にとっては、ブランドイメージの維持が足かせの様に思うだろうが。
伊勢丹新宿店の箱ショップの壁撤去戦略は、一見平場を思わせるだけに百貨店自身のブランド保護になっているように見える。
が、上述の様に二つのゲートを取り払う事によって、少しづつ百貨店自身のブランドを侵食している。この事実に目を背けてはならない。


2005年06月21日(火曜日) #077.白ブリーフ的発想、百貨店のメンズインナー売場

なぜ箱に入れる。ひどいものは箱に入ってさらに引き出しの中にある。しかもぎっしり詰め込まれている。横には申し訳なさそうにハンガー掛けされたサンプルがある。
これらの風景はどの百貨店でも同じ。
客がどうしても中を確かめたかったのか、一度開封された形跡のあるケースが多い。当然だろう。多くの消費者が日常的に地肌に接するインナーは肌触り、伸縮性など素材のシビアな吟味が必要であると感じている証拠でもある。
やはり箱に入れる意図は高級感の演出以外考えられない。
最近は機能性素材も積極的に取り入れられるようになってきた。それだけに中身より一瞬のミテクレ重視に走る百貨店の古めかしい発想は、自ら百貨店の存在意義を否定しているようにみえる。
ウン・ナナ・クール、PJに見習うべき。
2001年にワコールから派生したウン・ナナ・クールは重ね置きからハンガー掛けにしたことによって売り上げが伸びたという。ピーチジョンは通販がメインにもかかわらず、実店舗も高集客を誇っている。もちろんハンガー掛けだ。
ここで水着売場の事例を持ち出すのは多少難アリかも知れないが、ちょっと思い出してほしい。メンズ、レディス共にケースに入った状態で販売されているだろうか。これは地肌に直に着つつ、水着をアウター認識しているからだ。
ウン・ナナ・クール、PJの顧客も同じ。彼女たちも、身体から見てインナーは水着同様アウターであると認識している。
メンズインナーは、ローライズボクサーブリーフなど新デザイン、新素材がどんどん投入されて華やいでいる。
インナー的発想から水着的発想へ。これが百貨店メンズインナー売場の今後の改革課題だろう。


2005年06月14日(火曜日) #076.携帯品の収納場所に困る夏服、手ぶら族のアイテムに注目

ウエストバッグ、ヒップバッグ、シザーバッグ・・・
最近、街中を歩いていて感じるのが”手ぶら族”の増加。筆者もその一人で、シザーバッグをジーンズのベルト通しにカラビナでぶら下げている。ポケットには何も入れたくない主義で、大き目の財布、携帯電話、ハンカチ、鍵類など全てここに入れる。他の物を入れる余裕がほとんど無い。
iPodに代表されるハードディスク型携帯オーディオは意外に大きい。最近の携帯電話の巨大化も気になる。コンタクトレンズ使用者なら目薬も必須になるだろう。
カーゴパンツがもてはやされる理由が分かる。
カーゴパンツはカーゴ(貨物)船の乗務員の作業用パンツ。
シザーバッグはネーミングどおり美容師が腰につけるバッグ。
職人の効率至上主義で考案されたこれらの収納スペースは、巨大化、多様化する携帯アイテムの救世主になっている。
筆者は去年あたりから腰のベルトを外し、腕時計を放棄し、手提げバッグをやめた。とたんに、無意味に歩きたくなるほど快適になった。特に手提げバッグをやめてシザーバッグにした事が奏効したようだ。
以前から、とあるカジュアルバッグショップを注視している。このショップは価格設定に少々の問題があるが、品揃えは手ぶら族御用達アイテムで満載。
面白い事に、暑くなり携帯品の収納場所に困る夏服が増えるにつれ集客力が上昇する。
クールビズに代表される社会の軽装化傾向において、上述のようなショップは是非見ておくべきだろう。
デザイン関係者、企画者は手ぶらの快感を知っておかなければ、今後更に増えるだろう彼らの需要、要求に確実に置いていかれるだろう。


2005年06月07日(火曜日) #075.ジーンズのセミオーダーの定番化は当然やってくると考えるべき

気象庁は6〜8月の気温予想を「北日本は平年並み、東日本、西日本、南西諸島で平年並みか高め」と発表していたが、先日「熱帯の対流活動弱い」として冷夏の可能性を示唆していた。要するによく分からない状況らしい。
夏場、ジーンズの中はサウナ状態だ。家に帰って脱いだ時は実に快感。こういう楽しみ方もあるのかと皮肉に思いつつも、頻繁に洗う事が出来、乱暴に扱えるジーンズはハードローテーションで活躍する。
夏が近づくにつれライトオンスデニム、ドライデニムが使われたジーンズが出てきているが、ジーンズに限ってはドライの方向性より通気性を目差すべきだろう。トップスとは違いボトムスは煙突効果が期待できないのだから。現状のジーンズの中は絶望的密封空間。
ショップでジーンズを見るたびディテールの進化、こだわりには驚かされる。ヒゲはもちろんの事、ブラスト加工、シェービング加工、裾の内側には歩いて靴が擦れたのを再現しているのか小さい引っかき傷のような加工もしている。カジュアルにおいてジーンズ愛好者は非常に多い。デザインの多様化は当然の事。
先日テレビでアメリカのジーンズ事情についてやっていた。アメリカではセミオーダーのジーンズが人気との事。価格は大体3〜4万円。生地はもちろん、ボタン、ジッパー、ポケット、縫い糸など選択可能。
価格設定には抵抗があるが、ジーンズのセミオーダーが、スーツのセミオーダー並みに定番化すれば価格はもう少し落ち着くだろう。
量販店でもスーツのセミオーダーが当たり前の状況にあって、カジュアルの代名詞ともいえるジーンズのセミオーダーが一般的でない現状は不自然と捉えるべきかもしれない。


2005年05月31日(火曜日) #074.ユニクロは無印良品より日本におけるGAPのブランド戦略を見習うべき

ユニクロはアパレルの消費者行動を研究するべき。
極言すると必要のないものを買いに行く場所がアパレルショップの本来の姿。必要ないだけにブランド性が問われる。
ユニクロは国内でブランド指向を目指すのはもはや手遅れ。品質をあげてもイメージは追い付かない。国内ではユニクロは”ひたすら安い服”の代名詞となりそのイメージで固着してしまった。
ユニクロは海外出店を加速させている。意識しているかどうかは分からないがGAPのようにブランドの再構築を海外に求める戦略は明るい。海外でブランドを洗うという感覚。
更に話を進めると、トヨタのレクサスのように”ブランド逆輸入”という展開も考えられる。
無印良品(コンセプトとしては”ノーブランド”を掲げているが実際は既にブランド化している)は家具、家電、ファブリック、アパレル、食品、自転車に至るまで存分にブランドのシャワー効果を発揮させている。ユニクロの真似たい気持ちは痛いほどわかる。が、多角化を目指すのなら無印良品よりまずGAPの日本におけるブランド攻略の軌跡を研究するべきだろう。
ブランドを再構築してから多角化を目指さなければ、再び”ひたすら安い”といういうイメージで身動きが出来なくなってしまうだろう。


2005年05月24日(火曜日) #073.GAP、価格調整制度が買い控えに拍車、負のスパイラル

《GAPの価格調整制度》
購入した商品が購入後14日以内に値下げがされた場合、レシートを持っている場合にのみ、一回に限り価格調整が可能。
価格調整制度が、買い控え⇒安易な値下げ⇒買い控え・・・を繰り返し誘発させている。
この制度は値下げ前購買者の救済を目的にしているものだが、同時に購買予定者の価格に対する不信感も増大させている事に気付くべきだろう。
”公団の値下げマンション問題”と同様、消費者は常に「後から買った人が得をした」とは考えずに、「高い時に買った自分が損をした」と考える。
この思考観点からすると一見GAPの価格調整制度は正攻法かもしれないが、結局のところ事後的な処理でしかない事に気付くだろう。
値下がりはともかく、決して値上がりする事の無いアパレルの価格設定を、相場によって価格変動する株式の様に扱ってはならない。アパレルにおいては値下がりによるイメージダウンの一方通行しかないのだから。当然値下げ速度とブランドイメージ降下速度は完全比例すると考えるべき。
価格に納得して購買した顧客を過剰救済しつつ新規顧客に価格の不信感を植え付ける行為はやはり本末転倒というしかないだろう。


2005年05月17日(火曜日) #072.デパ屋の潜在的魅力

先日、毎日新聞で百貨店の屋上のリニューアルが進んでいると報じられた。東京・日本橋高島屋は園芸店や子ども向けゲームコーナーから犬の服や雑貨を販売する店に改装。京王百貨店新宿店も園芸・ペット売り場を「京王スカイガーデン」として床を木製にし、喫茶店として営業している。西武百貨店船橋店(千葉)は庭園に改装した。
デパ屋は何かオマケ、子供向けという感覚が強く、余り行く気になれなかった。筆者は今回のニュースを良い傾向と見ている。
上記の様に庭も良かろう。ただ屋上へ上がって毎回気になるというかガッカリさせられるのが風景。高いビルなのに見晴らしがよくない。安全のための柵が実に醜い。
百貨店の屋上は”展望させる”という発想がない。
高い所から風景を望みたいという潜在需要は多いはずだ。屋上をオマケと考えるのではなく、屋上にしかない魅力を打ち出すべきだろう。
大阪のE−MA(イーマ)ビルは上階に映画館があるが、ヒット映画の有無でビル全体の集客度がかなり変化すると以前執筆した。
この現象をデパ屋の少々の改装で恒久的に享受できるのなら、絶対にやるべきだろう。


2005年05月10日(火曜日) #071.オジサンたちは”フツー”を知りたがっている

オシャレはしたいが浮きたくないというのが本音。ゴールデンウィーク中に街歩くオジサンのスタイルを見ていて実感させられた。
このコラムの読者の中に、何事においても平均を知りたがる癖のある人は居ないだろうか。筆者もその一人。
いまだ男性ファッション誌の中には現実離れしたカジュアルスタイルをよく目にする。男性ファッション誌には”洒落たフツースタイル”という感覚が欠如している。ある調査によるとジャーナリストの鳥越俊太郎氏のシャツのボタンのあけすぎに、殆どの女性が違和感を持っているとか。
ユナイテッドアローズは45歳以上をターゲットにしたブランド”ダージリンデイズ”を立ち上げた。セレクトショップだけでは競争として優位性を保てないからとの事。
以前のコラムで”個性のあるセレクトショップはもはや存在意味がない”と執筆したが、セレクトショップは今正にその状況なのだろう。
個性があればセレクトショップとして意味がなく、個性がなければショップとして意味をなくす。セレクトショップにはこれらのジレンマが常についてまわる。
これらの事を踏まえて考えてみると、セレクトショップの独自ブランド開発という方向性は極自然な流れである事が分かる。
ただ、中高年者のユナイテッドアローズに対する認知度、先入観(若者向けというイメージ)は大きな足かせとなるだろう。
今回の挑戦が現在の支持年齢層をただ単に広めると言う戦略ではなく、将来の顧客として取り込むための先取りという意味を持ち合わせているのならば非常に明るい戦略になるだろう。


2005年05月03日(火曜日) #070.サービスをサービスと思って提供してはならない

筆者は東京大阪間の移動に飛行機を使う。最近何かと注目されている日本航空を使っている。先日日航機で東京大阪間を往復した時に気になったことがあった。今までは飲み物にちょっとしたお菓子がサービスでついていた。が、先日乗った便では行き帰りともお菓子がついていない。思わず笑ってしまうほど些細な事だが、いつも使っている人なら違和感を感じたに違いない。経費削減か?と思いつつ、重大ミス頻発で騒がれている中、あからさまにそんな事するか?と自問自答していた。
日本では”サービス”を提供していると思っていても、乗客はそう思っていない。”標準”サービスぐらいにしか思っていない。どうもサービス提供者側はこの事を理解していないようだ。
付いていて当たり前と言う感覚なのだからそれがなくなってしまえば乗客がどう感じるかは言うまでもない。
アパレルなどのショップのポイントカードも同様で、単なるサービスの一つという認識からか、カード廃止という事態に何度か遭遇した事がある。日用雑貨のショップと違いポイントはそう簡単にたまらない。より長いスパンが求められているにもかかわらず、簡単に廃止されると、限られた財布のスペースを犠牲にしてきたポイントカードの存在は一体何だったんだと憤る。
企業はサービスをサービスという感覚で提供していると、消費者の反感を確実に買うことを知っておくべきだろう。


2005年04月26日(火曜日) #069.行楽シーズン、渋谷、台場、集客の質

桜も散り、半そでで過ごせる日も増えてきた。晴天の土曜の昼下がり、渋谷、台場を視察した。
行楽シーズンに突入し”好集客でネタ収穫を”といき込んだ台場ヴィーナスフォート。調査対象施設までの道のりの閑散振りに、当事者ではないが早々に敗北感を感じた。建物の中は外とは対照的に薄暗く、集客もお寒い状況。思わず上着を羽織った。最高の晴天日にこんな薄暗い所にこぞって来るわけもないかと自分に言い聞かせながら視察していた。
その後、渋谷へ出向いた。
調査対象ビル渋谷109の高集客を予測できるほど駅前は非常な人出だった。実際、通路をまともに歩けない状況だった。
行楽シーズンと言う環境ベースで、ファミリー向けか否かで、これだけ集客に差がつくとは想像もしていなかった。
ファミリー向け商業施設は”荒天”ならともかく”好天”でも集客は落ちるという良い事例だ。
単に渋谷と台場を比較しただけでは説得性に欠けるので、その後、客層的に渋谷、台場の中間的存在の丸の内へ出向いた。
丸の内はここ数年商業施設が立て続けにオープンし、土日はオフィス街とは思えない集客を生み出している。丸の内界隈の集客度に変化を感じる事は出来なかった。客層を見ているとやはりいつもよりカップル比率が高くファミリー比率は低い状態だった。
ファミリー一辺倒の商業施設は、職場と商業施設を融合させファミリーが車で出向く事が出来、かつファミリー臭さを感じることなくカップルでも楽しめる丸の内界隈の集客の安定度を大いに見習うべきだろう。


2005年04月20日(水曜日) #068.フレグランスショップは放牧が正解

フレグランスショップはサンプルを置いて店員は話し掛けない事。いちいち感想を求められるのが面倒この上ない。もともと日本人はストレートに表現できないから更に面倒な事になる。
ファッションビルのフレグランスショップは平均して集客力が高い。ほとんどが放牧タイプのショップだが、中にはテスト紙にフレグランスをふりかけて通行人に試香を促すショップもある。案の定そんなショップは無人化傾向にある。
フレグランスのテストはほんの数回で鼻が利かなくなる。利き酒と同じだ。アパレルのそれとはまるで違う。
質問されたらやっと答える位がちょうどよい。好みかどうか分からないフレグランスを客に試させる行為はよいフレグランスに出会うチャンスを客から奪っているのに等しい。
トレンドは無臭化傾向にあるが、無臭は非個性でもある。多様性の中での無臭は、”裸はないアパレル界”で個性として認識されているモノトーンとは性格が違う。
ディスプレイだが、どこも狭いスペースに大量のサンプルを所狭しと陳列している。アクセサリーのディスプレイにも同じことが言えるが、商品が小さいからと詰めて置くのは間違っている。商品価値はアパレルのそれと同じか上の場合がある。先に見ている人が居ると後の人が見る事すらままならない。
商品価値ベースでスペースを与える事は基本である。
すれ違う通行人から香るフレグランスで春本番を感じる事も多くなってきた。香りのセンス如何によって、初対面なら人物の見え方まで違ってくる。フレグランスショップの更なる進化を望む。


2005年04月12日(火曜日) #067.男性用ファンデーションの失敗は汚点ではなくボトムと認識すべき

最近、「男性用ファンデーション」というキーワードをたどって本ホームページへ訪れる人が増えている。
このキーワードは、かつてこのウィークリーコラムでたった一行「数年前発売された”男性用ファンデーション”は大コケした。」と触れたに過ぎない。実際ヤフーで「男性用ファンデーション」を検索してみると24件(2005年4月現在)しかヒットしない。
”大コケした”という消極的記載にもかかわらず、ネット上の情報の少なさから閲覧していくのだろう。閲覧者が、消費者であるのか、関連業者側であるのか推測しかねるが、この事実は心にとどめておくべき事項だろう。
男性ファッション雑誌も、毎号と言っても良いほど特集を組んでコスメ紹介、美容法などを掲載している。筆者は日差しが強くなってくると日焼け止めを顔と体に塗る。毎年そのシーズンになると女性の化粧の大変さを思い知りつつ、日焼け止めで軽く白くなった自分の顔を見て、目的は違うにしろ、これもファンデーションの一種なのかと納得する。
開発者側の意図しない使用方法でヒットした商品は数多く存在する。世間の風当たりが強い男性用ファンデーションに正攻法は通じない。
逆転の発想で”消費者に目的のすり替えをさせる”という考え方で商品開発をすることは出来ないだろうか。
男性用化粧品大手マンダムは女性用化粧品の開発に着手したが、株式市場で「総悲観は買い」という格言があるように、コスメ関係者もかつての大コケ市場を”汚点”と処理するのではなく”ボトム”と認識すべきではないだろうか。


2005年04月05日(火曜日) #066.厚化粧と同じ、真夏の上着はヤリスギと考えるべき

先日、小泉首相は、閣僚にノーネクタイ、ノー上着を提唱した。首相は地球温暖化対策推進本部の会合で、今夏の省エネ策として首相と閣僚が率先してネクタイと上着の着用を自粛する「ノーネクタイ、ノー上着」を提唱した。
<失礼を意識しすぎて逆に失礼になっている現在のスーツスタイル>
失礼か否かを議論していくと結局”相手に不快感を与えるか否か”という所に議論が集結する。
うだるような真夏、コンクリートジャングルを歩くスーツスタイルビジネスマンはどう見積もっても見た目大変不快だ。
涼しいスーツの開発は年々進んではいるものの、灼熱のコンクリートジャングルでは焼け石に水状態。
以前のコラム「2004年10月21日ライブドア堀江氏に見るノータイの評判」で、ビジネスカジュアルが浸透していたアメリカで最近、「服装で損をしたくない、良く見られたい」という理由でスーツスタイルへ戻すビジネスマンが増えてきたと伝えた。
筆者はビジネスの場で見た目不快でなければスーツ、カジュアル、いずれであっても良いと考えている。服飾に限らずあらゆる発展、進化は、常に多様性が鍵を握っているからだ。
ビジネス界のあらゆる権力者は”お飾り”であるタイを肯定、強制しつつ、ファッション性や合理化によるノータイを否定している現在の一般常識の矛盾に早く気付いて欲しい。


2005年03月29日(火曜日) #065.フィッシュ哲学で見出すオフィスファッション

24日、東京・丸の内エリアのブティック16店舗が参加したファッションショーが丸ビルで行われた。女性誌モデル12名が華やかにオフィス街で働くOLに向けて「丸の内スタイル」を披露した。
2000年に発刊されたフィッシュ哲学の本(FISH!)は仕事は楽しまなければならないという、活気あるシアトルの魚市場をヒントに執筆された本だ。当時、朝の経済番組でも取り上げられ、店員同士が豪快に売り物の魚を投げ合って楽しんでいる姿が印象に残っている。この本の紹介文に「マクドナルドから米国陸軍まで世界中で4000もの組織が本書で成功!魚市場に学ぶ、オフィスを変える4つのコツ。」とあって思わず笑ってしまった。
痴呆症の老女に根気強く毎日化粧を施していると女性が本来持っている美しくありたいという強い願望が呼び起こされ病状が改善したという事例があるように、女性(男性も)がウキウキするようなセンスの良い制服をまとえばフィッシュ哲学が言う「個人がハッピーに仕事ができれば企業の生産性も高まる」に少しは近づけるだろう。
非常に口が悪いがモッサリした制服の女性従業員を見ると、仕事楽しくないだろうなと余計な心配をしてしまう。
直接人の心理に訴える制服は統一感のみならず志気をも左右しかねない重要事項であることを権限者は知っておくべきだろう。
どうかフィッシュ哲学にならったと言ってオフィスでいきなり魚の代わりに書類を投げ合わないで欲しい。


2005年03月22日(火曜日) #064.ハービスエントの集客と警備員

国内最大規模のブランドショップ集積地ハービスエントの集客は流通業では人出が落ち込むとされている2月でも好調だった。
警備員が整然と立つハイエンドのブランドショップに冷やかしとしか思えない若い女性がひっきりなしに入って行く。比較的単価の低いカバンや小物類も人気商品になっているというのもうなずける。
警備員の有無は集客に大きな影響を与えるが、グッチなど人気ブランドとはいえ警備員を店内に配置させるショップでこれ程の集客は珍しい。
彼女達を見ていると、他の人達が大勢入って行くから抵抗無く入店できるという感じだ。集客度と排他感は反比例の関係にある。右にならえの日本人に至っては更に明確度が増す。
警備員のいかにもというイデタチは威圧でしかない。接客までカバーする必要は無いが、ブランドショップという性格を考えると警備員の制服は絵にならない。
警備員や警察の制服は威厳を持たせるために丈の高い帽子、肩幅の広いジャケットで招かざる者に威圧感を与える事を目的としている。鍛え抜かれた体ではスーツに目立たない腕章だけでも十分に威圧感がある。
招きたい客も追い払っている警備員を見ていると、アフリカの魔除けのお面を思い出す。


2005年03月15日(火曜日) #063.伊勢丹新宿店シンデレラシティの大改装

百貨店業界はハイティーン向け売り場を縮小する傾向にあるが、今回の伊勢丹新宿店シンデレラシティの大改装は少子化対策の一環で、百貨店離れしているハイティーンを再び呼び戻そうとしたものだ。
ハイティーンを呼び戻すとしても伊勢丹ブランドを安売りせず、10代の客単価を15%引き上げ渋谷ブランドとは一線を画す独自性を出す方針だ。
今回の改装はフロアデザインにもこだわっている。2003年にオープンしたメンズ館に習い店舗ごとに仕切っていた壁を撤廃し、オープンなスペースで自由なショッピングを実現すると共に商品入れ替えのスピードアップにも貢献させる。異なるブランド間での接客差解消のために独自マニュアルも作る。
以前、伊勢丹新宿店のメンズ館を視察した時はかなり驚かされた。伊勢丹新宿店は婦人服売り場の集客力も高いが、紳士服売り場は他の百貨店のそれとは別格の集客力だ。今まで活気ある紳士服売り場を見たことが無かっただけに深く印象に残っている。フロアデザインの違いが集客力に多大な影響を与える好事例だ。
今回の大改装で帽子のCA4LAが百貨店初出店する。ファッションビルにおけるCA4LAの集客度は高い。それだけに百貨店の消費者がこの出店をどう評価するのかが楽しみだ。
このような百貨店の積極的なハイティーンの呼び戻し戦略が広がり、ファッションビルとのブランド共有によるシナジー効果が現れることを期待する。


2005年03月08日(火曜日) #062.着物の方は無料、京都の地下鉄やバス

京都の伝統産業を紹介するイベント期間中、京都市などは、着物を着た人について市営地下鉄や市バスの全区間、一部観光施設の入場を無料にする。
京都の風情ある街並みに無節操な近代ビルの乱立を許し、和の街にわざわざパリの橋を持ち込もうなどというニュースを以前から聞いてきて、日本人の自虐性にホトホト嫌気を差していた。今回のニュースを聞いて、筆者も以前から同じような事を考えていたからというのも一因し、期間限定であっても日本人として大変うれしく感じた。
かつて沖縄の役所や銀行で「かりゆしウェア」の導入が話題になった。現在では正装として認識されつつある状況にまで定着した。時の流れは意外性をも過去へ追いやる。
不動産業の営業ジャケットはスグレモノだ。一枚羽織るだけで小奇麗かつ統一感が高まり、パブリックな装いになる。
和装を広めたいと言っても、重厚な着物を仕事着にするのはさすがに無理がある。営業ジャケットのように一枚羽織るだけでパブリックかつ和装をアピールさせるような上着の開発をデザイナーに望みたい。
近くにある役所は私服が許されているのだが”私服=だらけた装い”と誤認識した一種ふざけた職員の存在も確認される。ただでさえ公務員に対する風当たりの強い現在において、だらけた服装の職員は悪の広告塔にもなりかねない。
公共性の高い職場は最低ラインの服装規定を設けると共に、京都に限らず各地域の自尊心、愛国心を向上させる為にも改めて和装を奨励してもらいたい。


2005年03月01日(火曜日) #061.気候、天候を味方にする発想

昨年秋から冬にかけての異常気象は、小売業界に深刻な影響をもたらした。11月の百貨店は、本当ならコートやブーツなど冬物衣料のかき入れ時のはずだが、売り場は閑散。「早く寒くなってくれと祈るような気持ちだった」という百貨店幹部の嘆きがヤフーのニュースに掲載されていた。
これらの事は気象庁の3カ月予報で大方の予測はつくし、元来不安定な気候や天候を売上不振の槍玉に挙げるのは如何なものかと感じた。
統計でしっかりそれが現れているのなら、統計で対策をとるしかない。
この類の対策はリスク分散が常套手段になる。青物業界では先物取引、価格安定システムなどかなり以前から対策が講じられている。天候に最も左右されやすい業界がゆえ発達したシステムだ。
上記のように暖冬の影響で冬物コートが出ないと予測できたなら暖冬用のコートを開発するなども考えうる。
以前のコラムでも触れたが銀座プランタンでは「HAPPY RAINNY DAY」と銘打って、雨が降った日限定のサービスを提供している。これも一種のリスク分散システムと考えてよいだろう。
気候、天候というどうしようもない相手を攻略するには、上記の様に発想をプラス方向へ転換させるしかない。
未だ気候に左右され、ただ嘆いているファッション業界を尻目に、最も影響を受けるであろう青物業界が様々なリスク対策を講じ、うまくシステムが稼動している現状を見ていると百貨店幹部の嘆きは泣き言にしか聞こえない。
ちなみに、気象庁は24日、夏(6―8月)までの暖候期予報を発表した。夏らしい暑い夏になる可能性が高いとの事だ。


2005年02月21日(月曜日) #060.集客スポットを創出したいのならマンション業界を見ればよい

筆者は大阪東京間の移動は飛行機を使っている。帰り、空港で最終便を待っている時、地域による気質の差がハッキリ現れる。具体的に言うと筆者の乗る大阪行きのロビーでは案内アナウンスが流れる前から搭乗口に人が並びだす。他方面へ向かうロビーではこの現象は見られない。合理的思考を持っているのなら案内アナウンスが流れるまで待合シートに座っているだろう。せっかちが多い。かつてこの気質の原因をたこ焼きに見出そうとした事もあったが、やはり大阪商人の血が引き継がれているのだろう。
何事にもイラっとしてしまう程スピード重視でありながら大阪中心部からアクセスしにくい又は車でしか行きたくないベイエリアに商業施設、娯楽施設を乱立させた大阪の第三セクターのダメっぷりは周知の事実である。
ただ単に古いだけの存在を大切にするという妙な風習のせいか集客スポットになり得る地域の再開発が後回しにされ、埋立地のベイエリアに労力が注ぎ込まれてきた。
かつての大阪商人のスピード、身軽さを復活させると言う意味でも郊外に集客スポットを置くのではなく、相乗効果狙いで大阪中心部に一極集中的に集客スポットを置くべきである。
マンション業界では都心回帰現象が起きている。野村不動産によると、ファミリーというよりシングル&カップル世帯がこの現象を後押ししているとの事。現在のファッションビルにおけるメイン顧客であり、この視点で見てみても、都心回帰、一極集中的に集客スポットを置くのが得策であるといえるだろう。


2005年02月15日(火曜日) #059.公園に子供がいない、本当にいない

少子化はかなり前から叫ばれていた事だが、公園から子供の姿が消え始めた事を感じつつも子供の遊び方の変化によるものだと気にも留めていなかった。しかし最近最寄の駅まで歩くようになって、筆者が子供の頃良く遊んでいた公園を覗いてみると、土日の午後なのに本当に子供がいない。もはや遊び方の形態が変わったからだと説明付けできない状態だ。
これらの事をリアルに感じていた矢先、両国予備校が少子化の影響を受けて閉校した。現時点でこの状態だ。
現在、人口の逆ピラミッドを築いている底辺が本来の底辺の長さからかけ離れた差分だけ子供・若年層をターゲットにしていた業界に脱落組が存在すると考えられる。このまま逆ピラミッドの形状を維持しながら上方へ移動していくなら、次の脱落組はその上の年齢層にターゲットを置く業界だ。正にファッションビルの主な顧客層に当てはまる。少子化によって、一人娘、一人息子だからと金をつぎ込む親が増える事は容易に想像できる。ベビー、子供市場の対応策は高級化で間違いないが、ファッションビルの主な顧客層、親離れ層に対する明確な少子化対策、ベクトルは見出せない。
報道、統計などの数字を眺めていても、どうしても少子化をリアルに感じ取り、危機感を覚える事は出来ない。是非これらの事を踏まえた上で、土日の公園の様子を改めて眺めてみる事をお薦めする。


2005年02月08日(火曜日) #058.仕舞い遅れた雛人形は見苦しい

ファッションビルのバーゲンの引きずりと低集客の関係を例えるなら、雛人形の仕舞い遅れによる未婚状態と未婚状態を世間の晩婚化に訴える娘だ。
1月末の土曜日午後、ファッションビルの集客調査へ出かけた。怖いほどの無人ぶりだ。余りの無人ぶりに途中で調査を放棄した。各ショップは”ファイナルセール、再値下げ”の札をベタベタと貼り付けている。見栄えの悪さは当然で、どれだけ引きずればいいのかとあきれ返った。余りの収穫の無さに、隣接する大手百貨店を覗いてみると、かなり盛況していた。もちろんバーゲンは既に終えている。バーゲンを引きずるファッションビルを横目に、8年連続売上高マイナス成長を報道されつつも、潔さで集客を稼ぐ百貨店に明るいものを見た。
ファッションビルの無人振りを消費者心理的に説明すれば”どうせ売れ残りばかり…”が本音であろう。無人ぶりはそれを暗に示された結果で、常に新鮮さを求める消費者層を顧客に持つファッションビルにおいて、新鮮さに欠く”引きずり”は最悪ともいえる。
ベタベタと札を貼るセンスの無さと、それをファッションビル全体でやってしまえる又はそれを許しているファッションビル自体に改善の見込みを見出せない質の悪さを覚えた。


2005年02月01日(火曜日) #057.渋谷109、驚異的集客力のセシルマクビー、集客の要因

連れと思われる男性陣がショップの前の通路を隔てて壁際にずらっと並んで待っている。熱気に満ち溢れた彼女達と、それを冷めた眼差しで見ている彼らの視線を遮りながら店内を見てみるとバーゲンセールでもしているのかと思うほど店内は異様に盛況している。109のセシルマクビー、毎度の調査風景だ。
他のファッションビルのセシルマクビーの集客結果と見比べてみても渋谷109のセシルマクビーは別格の存在である。
ブランド目当てに来ているというのは当然の事として、その理由だけでこの集客力は説明できない。明らかに109のセシルマクビーだから来ているというのがある。要因は幾つかあるが、最大の要因はファッションビルのターゲット層とブランドのターゲット層が”ウマニンジン”状態にあることだろう。セシルマクビーのブランドマトリクスはカジュアルとエレガンスの中間で、ターゲット層が10代後半から20代前半まで。109の客層そのもの、あるいは少し上がターゲットだ。
109ではセシルマクビーとターゲットを共にする背伸びブランドはどこも盛況している。彼女たちの背伸びしたい症候群だけが109を支えていると極言してもいい。ビルとブランドの”ウマニンジン”状態が続く限りこの高集客は変化しようがない。
現時点におけるファッションビルとブランドの相乗効果の最高事例であろう。


2005年01月25日(火曜日) #056.ブランド意識調査の本当の着眼点

台場にあるトヨタのテーマパークMEGAWEBはヴィーナスフォートに隣接している。
中国人の多さには毎回驚かされる。言葉を発するまで全く気づかない。殆どがファミリー連れで純粋に観光で来ているという感じだ。服装も日本の最新カジュアルで完全に溶け込んでいる。中国人の順応性の高さをこんな所で再確認させられた。
中国人の日本車ブランドに対する好感度は欧州車より低いとか…。それはさておき、ある調査によると北京、上海、広州の3都市で、25〜39歳のビジネスパーソン600人を対象に消費調査をした所、購入の際にブランドを意識する人は40%と、日本人の2倍。単にこの調査だけで”中国人はブランド好きである”と断定は出来ない。経済力が高いほどブランドに傾倒する傾向があるという法則があるからだ。それを勘案してもブランド志向が日本の倍という事実が重いせいか”中国人の虚栄心の強さが現れている”と結論付ける人も多い。半分意地悪チックな結論付けに見える。
ブランド意識調査を単に虚栄心の強さを表すモノサシと認識するより、上述したように、経済力が高いほどブランドに傾倒する傾向が万国共通法則である事を踏まえ、この調査の着眼点を国民の経済力の高さ、真の豊かさの指針と認識するべきで、この着眼点で調査結果を改めて分析してみると、日本人は中国人より経済的に豊かでないという恐ろしい見方も出来る。
イケイケドンドンの中国経済、中国人の覇気を見ていると、ブランド意識調査の本当の着眼点が虚栄心の強さを測るモノサシではなく、豊かさのモノサシである事を見出せる。


2005年01月18日(火曜日) #055.新成人の興味深いアンケート調査

毎年テレビに映る”粋がる新成人”を見る度、筆者の”30歳成人説”の正しさを再認識し、心からその事への悦びに浸る。ここ数年、悦びっぱなしだ。
SEIKOのホームページにある”新成人が考える「時」の意識アンケート調査”は実に興味深い。
今のあなたの時価総額はいくらだと思いますかという問いに、最も多かった回答は「0円」で、このうち「若さ」や「将来性」を「金額で換算できない」という回答が64.3%。解説には”反骨精神、自尊心の表われ”であると結論付けている。
上位の意見を見ていると、消極回答かつ現実主義である事に気づく。粋がっている新成人とは結びつかない意見が多いが、好景気を殆ど知らない世代である事を考えると納得できる。
以前のコラム(2004/06/02(水)高度成長期を知らない世代)でも触れたが、粋がる夢追い人が存在する一方で、不況がデフォルトである環境により価値基準が経済観念に左右されない淡々とした現実主義者も多い。上記環境によりこれらの世代は経済的悲壮感を感じにくい体質を持っているとも言える。これまでの日本人の消費観念と一線を画す世代であり、これらの世代が本格的に社会進出し、筆者の言う成人年齢に達するする頃には日本の消費性向は物欲性から趣味性への移行が完了しているだろう。


2005年01月12日(水曜日) #054.街中を奇妙美術館にするな

六本木ヒルズのエントランスオブジェに象徴される奇妙オブジェには目に余るものがある。筆者の率直な感想は”気持ち悪い”だ。他の大多数の人もそう感じているのか、そのオブジェの前で記念撮影している人は見かけない。
人は何か分からないものに対して取り敢えずアリガタがる本能がある。これは自分への第三者からの評価を気にするが故の防衛反応の一つで、先日ディスカバリーチャンネルの”勝ち抜き本能”というテーマのメンツを守る本能でやっていた。
この本能、取り敢えずアリガタがる本能を否定するつもりはない。この本能は、かなりのウェイトでアパレルにおけるブランドビジネスで絡んでいる現実があるからだ。
長年愛されるオブジェを良いオブジェと定義するなら、良いオブジェはどれも万人受けする絶対的な美しさを持ち合わせている。
街中のオブジェはそれぞれに評価の為の投票箱を設置させても良いほど公共性が必要で”ヨン様銅像騒動”以上に神経を尖らせてもよい。
奇妙オブジェに振り回されている街を見ていると眩暈がする。芸術家の突飛なエゴは美術館だけで十分だ。


2005年01月05日(水曜日) #053.神事、祭事と着物文化

あけましておめでとうございます。
ここ数年、不況だからという理由ではなく、年末年始の人々の行動パターンに変化がある。理髪店の店員に聞いてみても、正月前だからという理由で来店する客は確実に減ったという。
初詣にしてみても、元日はそこそこ人がいても、二日、三日目はまばらという神社が多い。
核家族化が神事離れ、おせち作り離れに拍車を掛けていると安易に結論付けたくはないが、飛ぶように売れる百貨店のおせちの現状を見ていると否定できない。
習わしは語り部がいない限り廃れるしかない。昭和初期、戦中戦前に厳しく叩き込まれた団塊世代が限界で、その親を持つ筆者でも必要性に疑問を持ってしまうほど習わしの希薄化が進んでいる。
人々がこぞって参加したがる習わし、風習でない限りそれらの希薄化は歯止めが利かない。結局の所、人々の”参加したい”という願望だけが文化発達の原動力で、それらの事はクリスマスに見て取れる。
クリスマスのように神事をエンターテインメント化するのには抵抗ある人が居るだろうが、形式でしか存続し得ない文化に発展はない。
話は少し飛ぶが、夏場の浴衣はここ数年復活してきている。花火大会、祭り、盆踊りの日に街中を歩くと更に実感できる。これらの神事、祭事のエンターテインメント性に興味を持つ人達が集まり、かつての浴衣文化が復活した。
着方の困難さを差し引いても正月の和装比率は、夏場の浴衣に遠く及ばない。
非日常性を装う人の少なさは正月のつまらなさを暗に象徴している。


このサイトはオープンから1年が経過しました。2005年も数多くの都市計画が予定されています。それらの経過を見守りつつ、1年の区切りに気を引き締め、他にない情報提供を常に念頭に置き、先陣を切るという意識の元、精進してまいります。今後ともファッションビル研究所をよろしくお願いいたします。

ファッションビル研究所 所長


2004年12月28日(火曜日) #052.リーマン根性がデザイン業界をダメにする

(日本のデザイナーが育たなく、軽視される理由)
この事はデザイン、意匠に対する法制裁という、手段の行使自体困難な立法にも責任があるが、根本は立法を動かせるほどのパワーが日本のデザイン業界にないからである。
本当の意味で、守られて発展するものはこの世にない。法に守られて弱体化した業界は多い、というか殆どだ。
結局、積極力、自己力が必要で、日本におけるサラリーマン主導社会は、独創性を必要とするデザイン業界にひたすら負の影響を与え続ける。
表立った、突出した自己表現を好まないサラリーマン社会の膿は社会現象に見て取れる。インターネットの普及によって発散する場所を匿名の掲示板に見出し、それが盛況している現状がある。それらを見ていると情けなく感じ、同時に社会全体、日本のサラリーマン社会の縮図を象徴している事に気づく。
陰でしか意見を言えることが出来ない人間に独創性を世に発表できるわけがない。
サラリーマン根性の中に同調意見というのがある。同調意見は自分の意見ではない。他人から見ると、同調からの飛躍分が、やっと自分の意見で、結局、デザイナーにとっては第三者の評価が絶対であり、そうでなければタダの自己満足に過ぎない。
フランスの個人主義は行き過ぎの感はあるが、少なくとも”赤信号みんなでわたれば・・・”が横行する日本社会においては幼少期からの根本的な教育改革が必要なのかもしれない。
ある経済番組を見ていて、経済評論家が米国主導で日本の株価が動く現状を嘆いていた。物凄く当然の嘆きだが、これらの事を当たり前と違和感を感じない日本の状況は確実に危ない。


2004年12月21日(火曜日) #051.マネキンは子供の遊ぶ人形と同じ

ニューヨークのおもちゃ専門店はここ数年苦戦を強いられているらしい。
報道によるとアメリカではクリスマスギフト購入予定店としてディスカウント店(73%)おもちゃチェーン店(44%)インターネット(41%)となっている。ディスカウント店ではおもちゃを客寄せ商品として位置づけ、おもちゃ専門店では追随出来ないほどまで値段を下げている。
ニューヨークの老舗おもちゃ専門店では生き残りのため、高級路線を見出し、大人が欲しがるような商品も扱い始めた。
他のおもちゃ専門店もサービスで対抗している。ある店では人形と同じデザインの服も売られている。自分の髪型と同じように人形の髪型をカットしてくれるサービスもあり、いずれも好調との事。人形を自分の分身、自分を人形の分身にしている。この願望のお陰で人類が繁栄してきたというのは大げさかもしれないが、対象が人間、ペット、人形、どんなものであれこの感覚に素直に感銘できるサービスはいずれも安定しているようだ。
この感覚を利用したのが正にマネキンのディスプレイだろう。
最近店頭ではマネキンの絶対数が少なくなっている。
親しみ度で最近のマネキンは日本人の体型に似せたものが出てきているらしいが、未だ硬くヒンヤリ感漂うものが多く、上述のように自分の分身になり得ない代物が多い。
究極のマネキンとして店員自身が商品の服を着ていることがあるが、言って貰わないと殆ど見過ごしてしまう。店員にとっては恥ずかしい事かもしれないが、きちんと売り物を着ていることを主張するためにも派手なタグを付けるなど工夫の余地もあるだろう。店員の質はどうであれ、親しみ感、素直に感銘できるという点で生身の人間に勝るマネキンはない。


2004年12月15日(水曜日) #050.人は安い物に慣れ易く、高い物に慣れ難い

1990円のフリースが高いと思える社会は、ある種悲劇である。
ユニクロ定番商品のフリースを買いに近所の店舗へ出かけた。フルジップとハーフジップのフリース、それぞれ790円で購入した。
1着当り平均的な昼食代で買えてしまう。790円のフリースを大量に物色した後、1990円の新素材フリース(アウトラスト)が異常に高く感じてしまった。この感覚の異常さを覚えたのはユニクロに出会ってからだ。ユニクロを実際に今まで羽織って性能の高さを知っているから更にこの異常さが際立つ。
今回のコラムのタイトルは正にデフレスパイラルに拍車を掛ける”人の性質”の一つである。
店内を歩いている時に率直に思った。1990円のフリースは売れるのだろうか・・・。筆者はユニクロのフリース愛用し、その性能も知っている。一消費者であり、その視点で考えてみると、790円のフリースで、もはや性能の飽和状態を迎えているのではないかと思えるほど機能性が高い。ここ数年、このフリースのお陰で冬場に羽織る枚数が確実に一枚減った。
この点ユニクロの一般社会への貢献度は非常に高いし、素直に賞賛に値すると考える。
世の中には”知らぬが華”という事が多々ある。
近年、あらゆる分野での情報開示、聖域の打破によって原価が一般人に知れ渡ってきている。その代表例はメガネ業界だろう。ここ数年でメガネの単価は驚くほど下がってきている。この事はある種喜ばしい事で、自由経済、資本主義社会の恩恵でもある。
もし、ユニクロの最安のフリースが1990円だったとしたらどうだろうか。1990円だったとしてもフリースとしては安い。消費者は普通に喜ぶだろう、790円のフリースを知らなかったら・・・。何が言いたいのかというと、1990円から比べると790円は半分以下だから、幸福感も倍なのかと考えると必ずしもそうではないと言う事である。正に”知らぬが華”現象。
この現象が他の業界でもどんどん噴出してきて、単に安さで幸福感を覚える事が近年一気に少なくなった気がする。
話は少々スケールが大きくなるが、平和の大切さを語る老人の気持ちが少し分かる気がする。余りに当たり前で浸透して慣れてしまった事象が、実は一番危険な事だと。
790円のフリースをフツーに安いと思ってはいけない。”気持ち悪いほど安い”ぐらいに思っておかなければならない。
デフレが終焉した時の事を考えて・・・


2004年12月08日(水曜日) #049.ファッションブランドの証券化

(映画の証券化)
2004年11月30日。松竹は日本で始めてフィルムファンドを個人向けに公募した。
一口10万円から投資できる。投資家から集めた資金は、対象映画の製作と配給の費用へ充てられ、映画の完成後、興行とビデオグラムの事業収益から一定割合で、投資家へ還元する。
日本映画は以前から資金調達力の不足が指摘されていただけにこの制度によって才能ある未開の製作者の発掘、および明確な投資家、観客の評価による無能製作者の排除に供する事も出来る。それに付随するビジネスも生まれる。証券化を進め資金を調達する為には、投資家に観客を動員させる映画を見極めさせなければならないからだ。今後の動向次第で観客動員指数なるものが出来、観客動員格付け組織の出現もあるかもしれない。これにより一種ふざけた存在とも言える映画評論家の一掃も出来れば日本映画の未来も明るいものになる。
話はファッションからかなり逸れたが、ファッションブランドの証券化も十分にあり得ると考える。
ファッションブランドは毎年大量に生み出され、大量に消滅してゆく。ブランドが多すぎて消滅してしまったかどうかも分からないものもある。
ブランドビジネスでは特に資金が物を言う。ブランドはニッチ市場であっても継続的に活動しなければ死んでしまう。ブランドはキザに言うと「イキモノ」で、言葉は悪いが「止まると終わり」と言う点で自転車操業に近い性質がある。ブランドを立ち上げたものの資金難でブランドを売却というのは良く聞く。
日本の個人投資家が増えつつある現状においては、会社の分からない経営戦略、業績云々を分析し、未だ不明、不透明なルールで動く株式より、身近な映画又はブランドに投資するファンドが今後有力になる可能性がある。
上述のようにブランドにも格付け機関が現れ、不祥事によるブランド評価の低下が現実の数値のもとで評定されれば、消費者にとっても、ブランドを発信する企業側にとっても有益である。ブランドに関してはブランドビジネスとして大きな市場が動いているにもかかわらず、その評価は”好きなブランドランク”などといった信用性に欠く”なんとなく”という部分が多かった。会社は、決算という数値の物差しで目標を明確化している。ブランドビジネスも”なんとなく”で評価を下していると今後更なる発展は望めない。
ブランドの証券化はブランド評価の数値化の”手段”としても有益であると考える。


2004年12月03日(金曜日) #048.ヒット映画に見る観衆側心理とネット通販の安心度

今年のヒット映画も相変わらず未来物が多い。
機械産業の進歩、ロボット工学における進歩は目覚しく、視聴者が”夢物語”で終わるのではなく、実際に起こり得ると認識できるレベルまで現実世界でロボットの性能を引き上げたからかもしれない。夢と現実の狭間が加速的に近づいている。
これらの映画をリアル近未来物と位置づけると、ヒット映画に多数含まれている事に気づく。近未来を想像出来るから観たい。映像の中で、現実・非現実の見境を見出せなくなっている現在の映像技術の中では、もはや現実の世界で完全に不可能な事柄でも実現可能であるかのような錯覚すら覚える映像編集技術に観衆が翻弄され、このくらいの映像は当たり前という一瞬冷めた状態にある。言い例えると、驚きが感動を呼ぶというより、驚き無く、淡々と未来を観に映画館へ足を運んでいると言う感じである。
観衆は、一種のバーチャルリアリティーの世界の極みの状態にはまっているといえる。
この話をアパレルの世界へそのまま持っていくのは大きな無理があるが、ネット販売においてそれらを見出す事が出来る。
楽天の仮想商店街は過去最高益をマークしている。
一昔前までは、通販カタログショッピングならともかく、ネットでの仮想空間でショッピングするのはかなりの抵抗があった。
仮想空間でのバーチャル度が飛躍的に向上した事に起因している。業者は、商品をさまざまな角度から情報を提供し、買い物カートを作り、消費者を安心させるバーチャルリアリティーを創造している。この現実に無いものをリアリティに表現する事は、映画もネット販売も同じだ。一度バーチャル商店を経験した消費者は、二度目抵抗無く入店できる。これは現実の商店であると認識されている証拠でもある。このヴァーチャル商店と現実の商店とのシナジーのキーポイントは、映画のそれを見ると、仮想商店のリアリティー度にかかっているとも言える。
映画業界はこの部分で極めた。ネット上のアパレル業界でもリアリティーを更に煮詰める技術を待ち望む。


2004年11月24日(水曜日) #047.カルフール撤退に見る、日本市場における小売の性格

食料品売り場は秀逸だ。なるほど他の大手スーパーと性格を異にしたフランスを意識した品揃えはオープンから3年たった現在でも、行く度新鮮な驚きを与えてくれる。
服売り場に目を向けると、状況は悲惨だ。人を見かけない。他のスーパーと何ら代わり映えしない商品群。他のスーパーの服売り場と何が違うのか理解に苦しむ。日常最低限必要な下着の類ですらほとんど売れていない。フロア責任者は日本人がカルフールに何を求めているのか一切理解していないようである。このフロアを例えるなら、電化製品の量販店がブランド品を併売している感覚に近い。要するにフロアの見た目も考え方も安っぽい。ユニクロにおけるフロアとは性質がまるで違う。
例えるのは難しいが、概念的に言うと「安い」と「安っぽい」の違いだ。「安い」と言うのは商品価値が価格に勝っている状態で、「安っぽい」と言うのは商品価値が価格に負けている状態である。カルフールの服に関しては結果的に後者を見掛ける事の方が多かった。少なくとも筆者はこのフロアで、フランスの香りのするアイテムに遭遇した事がない。フランスを意識したアイテムがあれば、売り場の”安っぽさ”はある程度回避できたに違いない。
結果的に洋品雑貨のフロアの不振が、一消費者である筆者の御用達食料品売り場の足を引っ張った事はいたたまれない。
日本市場においては10年単位で長期戦略を立て消費者の信頼を得なければ、顧客の定着は難しい。それほど日本市場における他の大手スーパーのサービスは徹底したものがある。日本の小売、サービス業は世界的に見ても優秀で、外資の荒削りスーパーの撤退は今となっては別に珍しい事象ではない。
良い物を持ちながら、同じ間違いで日本市場を後にする外資が多い事に痛々しさを感じずにいられない。


2004年11月18日(木曜日) #046.価格別に陳列されていない2プライスショップ

(価格の明瞭さがウリの2プライスショップ)

先日、スーツを見に2プライスショップを訪れた。
身長、体格別に分けられていて、店員は自分に合うサイズの所まで案内してくれた。
驚いた事に、プライス別に陳列されていない。このことを指摘すると、店員も分かっているらしく苦笑いしていた。
願わくば安い買い物が出来たらと思い、2プライスショップを選んだのに、ギシギシに吊り下げられたスーツの値札を一々見る気もなれずに結局店を後にした。
サッと見た所、高プライスが80%、低プライス20%だから客の意見はフィードバックされることもないだろう。2プライスショップのコンセプトを理解し得ない会社側の責任である。
何かを訴えたいかの様に苦笑いしている店員を見ていて、かつて聞いた”フロントがアホやから・・・”という言葉を思い出してしまった。
客の不満はこういう事でコツコツと積み上げられる。それに対してCSとしてこれらをコマメに消化していかないとコンセプト自体がどんどん揺らいでいくと言うある種良い事例だ。
安売りのショップなら割安のものを、高級品を扱うショップなら高品質のものを、価格の明瞭さを売る2プライスショップなら価格の明瞭さを第一に掲げるべきで、価格の不明瞭な2プライスショップは、ヴィトンの店頭にユニクロを置くに等しい。


2004年11月12日(金曜日) #045.車とファッションに見る偏った価値観

良く車を乗る人から”暴力的な車に乗るドライバーに限って色白貧弱クンだ”というのを聞いて思わず笑ってしまった。同様に感じた読者もいらっしゃるだろう。
「和を以って尊しと成す」。この格言は欧米崇拝社会では負の要素を含むが、現実の日本社会ではまだまだ根底している。
思わず相槌を打って笑ってしまう核心は、上記の貧弱ドライバーの中で”和を以って尊しと成す”に必死で抵抗している姿にある。
要するに相槌を打った人は、日本古来の格式高い精神を少しでも持ち合わせている人ともいえる。文化的水準の高い国ほど、この傾向にある。
上記の車とドライバーに限らず、服とそれを着る人でも同様で、文化が急激な経済成長に追いつけない発展途上国に、それは”成金趣味””下衆”として妬まれ増幅される。
成熟した社会では一笑に付されるどころか、そういう発想自体生まれ辛い。
日本でもこれらの現象はまだ多いが、目上の人からいさめてもらう事が出来なくなった頃から甚だしくなった気がする。
いさめる事の出来る人が居ない社会は、他人を嘲笑する事でしか抵抗できなくなる。それどころか、日本では供給側が売れさえすれば良しとする拝金第一主義的ショップが目に付いて仕方がない。これらのショップが暗黙の了解的規律を乱し、女子高生のブランド志向が生まれ、その痛々しい姿を目撃するたびに、発展途上国の成金を嘲笑する資格のない国民であることに恥じる。


2004年11月03日(水曜日) #044.ファッションビルの雨の日対策

今年は台風の上陸が非常に多かった。
雨の日のファッションビルの集客状況を見てみると、駅前、もしくは駅から雨に濡れずに行ける所はさほど影響を受けない。土日に至っては土砂降りでない限り変わりはない。
むしろ平日の集客に大きな影響を与える。休日の集客は事前に予定している客が多いのに対し、夕刻に集まって来る人たちは、仕事帰りで日和見客が殆どだからである。
駅から離れていて行くまでに雨に濡れてしまうような所は曜日に限らず集客減は深刻だ。
プランタン銀座では雨の日に、「HAPPY RAINNY DAY」と銘打って、対象商品を割安にするサービスを行っている。
何らかの付加価値を付けて雨の日でも集客の安定を図るのは非常に明るい戦略だ。手っ取り早いのは価格サービスだが、ポイントカードを発行している店舗ではポイント還元という手法もありえる。
この手のサービスはバーゲンに比べると、宣伝手段が非常に貧弱な事が多い。相手が天候なだけに日和見的不安定要素があるから、消費者としては、今日はサービスを受けられるのかどうかという不安が、店舗側としては、上記理由から確定的に宣伝費を投入し得ないというのがある。
事前に大々的に宣伝しておき、あのファッションビルにはそういうサービスがあると認識させるのは当然の事として、告知手段としてホームページ又はメールを活用するのがスマートだ。
このサービスもバーゲンと同様、ビル全体で実施しなければ、奏効しない。


2004年10月28日(木曜日) #043.109で出会った着ぐるみギャル

渋谷109を視察している時にうわさで聞いていた着ぐるみギャルに出会った。”ピカチュー”と”ウシ”に。
東京人の無関心さか、異様なイデタチに注視する人が殆どいない。注視したいが注視し得ない東京人の無関心の装いと彼女達のそのイデタチが混ざり合った独特の雰囲気はコントの一場面を見ている様で笑えた。このイデタチで大阪の街中を歩くと、軽く人だかりが出来るだろう。
誰もやっていない、新しい事を自分達で試し街中を練り歩くその度胸は賞賛に値する。社会適合性は無いだろうが・・・。
この”ピカチュー”と”ウシ”はドブネズミスタイルのリーマンの目にはイベント関係者としてしか映り得ないだろう。
彼女達を鼻で笑わずに、一歩踏み込んで見てみると、クリエーターとしての資質を備えている事に気づく。新しい発想を生み出し、それをおくめも無くやり遂げることが出来ると言う点で。彼女達の視点では制服組も鼻で笑える存在なのかもしれない。


2004年10月21日(木曜日) #042.ライブドア堀江氏に見るノータイの評判

様々な人にライブドア堀江氏の印象を聞いてみた。印象は軒並み良くない。
彼の著書内容、発言に異論が多いのも事実だが、それは個人思想の自由で、会社人としての立場で有、不利はあるが、彼の不評の根元は他にある。服装だ。夏場はほとんどTシャツ姿でテレビに映っていた。エッ、この人が?と思った人も多いだろう。さすがに重要な懇談会などではノータイだがスーツ姿だった。
ビジネスカジュアルが浸透しきっていたアメリカでも最近ではスーツスタイルが復活してきているとの事。服装で損をしたくない、良く見られたいというのが大方の理由らしい。
服装に関しては、信頼、階級の象徴になり得るし、百聞は一見にという観点でもヴィジュアルは非常に重要なポイントだ。中身があってもヴィジュアル的にダメだと現実社会では評価してもらえない。思想と違い簡単に着替える事が出来る服装で損をしていては非常にバカバカしいということだ。
堀江氏に対して、この事もマスメディアで取り上げられていて、戦略家、CEOの観点で自身の服装による会社のイメージダウンは如何なものかという厳しい意見が出ていた。
ライブドアの株価は近鉄球団買収に名乗りを上げ一躍有名になったのを頂点にひたすら下降線をたどっている。
現在の”見せ掛け的”不安定要素が多くを占めるマスメディアにおいて、その話題性は、彗星の如く現れるだけあって彗星の如く去ってしまう。ヴィジュアルを馬鹿にしてヴィジュアルに泣くのは戦略家にとって非常に稚拙な判断ミスといえる。


2004年10月15日(金曜日) #041.日米の帽子嗜好差

集客力調査をしていると、帽子専門店はどの店舗でも季節を問わず安定した集客がある。日差しが強い夏に限った事ではない。この集客の安定は帽子をファッションとして認識し購入していると分析できる。
アメリカの帽子消費は国民一人当たり年平均4個で日本の16倍、世界一の帽子消費国である。但し消費される帽子の種類は野球帽が大半を占める。一人当たり年平均4個と言う驚異的な消費はサングラスと同様、日常必需品としてファッション性というより消耗品的商品として消費されていると言える。
日本が帽子をファッション性で求められているのに対して、アメリカは機能性で求められている。
帽子製造卸大手栗原は先日、ロス郊外高級住宅地に海外1号店に進出すると報道された。ここでは野球帽ではなく、デザイン性を強調したものに絞って販売する。海外トレンドを逆輸入する情報拠点としても機能させると言う。
日本のファッション性を輸出し、日本に欠けている帽子の日常性を輸入する栗原の戦略は無駄の無い非常に明るい物だ。
日本の成人男性は子供の頃には帽子をよくかぶっていたが大人になってからかぶらなくなったという人が多い。筆者もその一人だが、帽子市場全体の底上げ策として成人男性の帽子着用の日常化推進策が、手詰まり感のあるターゲットの拡大の重要なキーになり得る。


2004年10月07日(木曜日) #040.オレオレ詐欺で見る経済学

今年1月から8月までのオレオレ詐欺の被害額は約100億3000万円。粗く計算して1年で140億4500万円の計算になる。不謹慎だがこれを市場規模と判断すると、健康食品のマルチビタミン市場と肉薄する。ちなみにこの市場規模は180億円。一つ主要商品の市場として成り立ってしまうほどの被害額だ。実に興味深いのが、地域によって被害件数に大きな偏りがあるということだ。大阪は政令指定都市がある都道府県のうちで際立って被害が少ないらしい。実に全国被害件数の1%しか占めないとの事。住民の金銭に対するシビアな姿勢が伺える。この地域の住民が金銭に対してシビアであることを踏まえて、カルフールが試験的にこの地域へ進出したのは有名である。
大都市ニューヨークで成功することを夢見る一組の男女の成長と別れを描いた映画「ニューヨーク・ニューヨーク」のテーマソングに出てくる”ニューヨークでうまくやれれば、どこでもやれる”というフレーズは有名だが、日本においても”大阪で成功できればどこでも成功できる”と言うのがこの調査によって名実共に実証されたと言える。
逆に捉えると他地域で成功していてもそれは本当の意味での成功では無いと言えるのかも知れない。


2004年09月29日(水曜日) #039.週末、大阪のオフィス街は死の街

 
飲食系ショップは充実してきているが、依然アパレル系のショップの進出は遅れている。アパレルにおいては平日休日ともに惨たんたる状況だ。飲食、アパレルのいずれも路面店でしかない。商業施設も無い。
東京の丸の内では昨年秋に丸ビルがオープンした。先日は丸の内オアゾがオープンした。その他にも東京駅をはさんで反対側の日本橋地区でも、丸の内の三菱グループに対抗して三井グループが新たな街づくりに乗り出す。その手始めに、10月11日には三越日本橋本店が、新館を開業。来夏には、隣接地に超高級ホテル、マンダリンも入居する「日本橋三井タワー」も完成する。東京のビジネス街は再開発ラッシュが盛んだ。
週末のビジネス街の活性化において”ホコテン”という手法もあり得るだろう。ビジネス街だけあって立派な大通り、街路樹が存在する。御堂筋本町にはクリスマス目前になるとは街路樹がライトアップされ、疲れたビジネスマンの目の保養にもなっている。この金の掛かった街の演出をビジネスマン、道を行き交うドライバーだけの特権にしていては実にもったいない。
大通りから眺める街路樹並木の風景は横断歩道の真ん中で立ち止まって見入ってしまう程の壮観である。
ホコテンは週末のビジネス街において、さしてリスキーな冒険でもない。定期的にホコテンにして違った角度で街を観てもらい、開発者が本町を商業地として魅力的な街であると認識すれば放って置いても街は自ら活性化する。
働いて遊べてこそ大人の街である。


2004年09月22日(水曜日) #038.晩婚化或いは未婚化傾向におけるアパレル業界、消費社会の影響

裕福で消費に自由度が高いシングルは一見すると家族持ちのそれより一般に消費旺盛のように思えるが、自己防衛のために預貯金に走る人も多いと聞く。市場の縮小・拡大の物差しとして、高付加価値消費の代表格として百貨店を例に取ると男女で消費パターンが全く違う事が分かる。休日、アダルトの男性が一人で紳士服売り場を歩く姿は滅多に見ることは無い。もちろん、男性同士で歩いている事もだ。対して女性の場合はアダルトでも一人で買い物に来ている人は多いし、女性同士で買い物に来ている人も同様だ。
高付加価値商品の空洞化はすなわち市場縮小を意味する。女性のシングル増加は市場拡大の助けになるが、男性のシングル増加は市場衰退を加速させる。男性のシングルアダルトが、百貨店で見かけない理由は、日本人の血中に根強く浸透する農耕民族、村社会における他者干渉文化が未だに色濃く残っている証拠でもある。その文化により、より多くの利点を享受しているのも事実だが、男性の消費に関しては例外である。今更その部分に変革をもたらす事は不可能であるにしても彼らの消費意欲側でコントロールする事は可能である。消費意欲を前にして下らない価値観は意味をなさない。趣味には幾ら金を叩いても良いと言う人は多い。言いかえると消費意欲は何物にも服従する事の無い別格の意欲なのである。
男性シングルアダルトにおける百貨店戦略は売り場に足を運ばせる戦略より、消費意欲高上策にポイントを置くべきである。


2004年09月16日(木曜日) #037.アパレル業界慣習と顧客訴求のタイムラグ

7月末から店内は秋色一色に変わりますとのたまっている店舗を見て、率直に”早ければ早いほどエライのか!!”と心の中で叫んでしまった。うだるような外気温にさらされながら服を見に来て、ちょっと肌寒い秋の装いを冷静になって買う事の出来る消費者がどれだけいるのだろうか?常識で考えてみて思わず笑ってしまうこの業界特有の飛びぬけた部分が伺える。
ブランドの稀少性を保守するため、顧客の反応を見るためにシーズン初頭に小ロット多種の商品が並ぶ。シーズン中盤では既にお目にかかる事さえ出来ない商品も出てくる。お目当ての商品がシーズン中盤に無くなっているのならまだしも、そんな商品自体の存在を知らなかったという事態も多々遭遇する。店員が店の奥から出してきてはじめて知る。
良く知る消費者だけがシーズン初頭に買い物をする。賢明な消費者だけを相手にしていると、業界は更に青田狩りが進行するだろう。この市場閉鎖的な動向は新規顧客獲得の機会をもむしり取ることになる。
マニアック、エンスーな顧客は一定数存在し大切な顧客だが、その人たちの過剰保護によって新規顧客獲得を疎かにして裾野を広げない戦略は、市場、規模縮小にもつながり、鎖国主義以外の何物でもない。この事は規模の大小あれど他業種でも散々議論がなされていて、結論は出し尽くされている。ヘンな所にこだわりを見せるのはスマートではない。


2004年09月10日(金曜日) #036.ユニクロの高付加価値路線転向について

ユニクロは低価格路線を卒業と位置づけ、高付加価値商品にイメチェンすると先日報道された。
ユニクロ在来のイメージを払拭する事は非常に難しいと考える。ユニクロというブランドの一般認知度から推測してみても困難が伺える。
ユニクロの称号のまま高付加価値路線への転向は無謀ともいえる。新たにニューブランドを立ち上げ別店舗にして従来のユニクロを存続させ差別化することにより高付加価値ラインの存在を知らしめるほうが得策であると考える。
今回の方策では高付加価値路線の顧客にも、在来の顧客にも相手にしてもらえなくなる可能性がある。安価高品質ラインを望む顧客は常に一定数存在する。その顧客を切り捨てるのはいささか疑問である。
高付加価値路線を展開するにはもう一つ問題がある。元来ユニクロの店舗の立地は郊外型がほとんどである。
これは筆者の持論だが、ファミリーが集う場所で高付加価値ブランドは成功しないというのがある。郊外型店舗は広い駐車場を持ち客層はほとんどがファミリーだ。百貨店のそれとは明らかに違う。暴論と言えるかもしれないが、高付加価値路線の客層は、ファミリー、特に子供連れのファミリーがフロアを占拠しているのを非常に嫌う傾向にある。
この”雰囲気”を軽視してはならない。高付加価値路線の客層はこの店頭の雰囲気という付加価値にも代金を払っているからである。”雰囲気をも買っている”のである。日本人はこの感覚の大切さを軽視する傾向にある。規模は違うが日本の街並みの汚さを想像すれば即座に理解できるだろう。国道脇の激安ショップの乱立と街並無視の営利主義の看板には吐き気がする。
高付加価値路線の消費者は”雰囲気をも買っている”という事を理解していればユニクロの戦略は明るい。


2004年09月03日(金曜日) #035.ファッションビルにおけるセレクトショップの占有化

ファッションビルの総セレクトショップ化が進行している。
セレクトショップに来る人は一つのブランドイメージに縛られない、多様性を求めている。どこかに所属するという感覚を非常に嫌う。少し脱線するが、この現象は社会問題にもなっている。一般的に新卒や若い人たちがフリーターの道を選ぶ理由は自分が何をやりたいのかわからない、或いは、将来漠然とやりたい事があってというのが大方の理由であるかの如く片付けられているが、根底はどこかに所属する、事実上特定の会社に身を捧げる、服従するという感覚を非常に嫌っているのだと考える。その事は少々強引だがファッション自体の組み合わせにも現れる。上品なジャケットでドレスアップしながらジーパンでドレスダウンを図るなど。ジャンルを跨ぐコーディネイトが多くなったのも上記のそれと根底でつながっていると考える。
特定のブランドイメージに染まる事をも拒絶する。服選びにおいても特定ブランドに縛られる事の無いセレクトショップに傾行するのは当然の成り行きである。だから幾らセレクトショップであっても、どこのセレクトショップの商品であるのかがわかる程の個性は必要無いのである。要するに個性のあるセレクトショップはもはや存在意味自体が無いのである。よってセレクトショップにおける優劣は、多様性の優劣でしかない。筆者はファッションビルにおけるセレクトショップの占有化を少々危惧の眼差しで見物している。セレクトショップ側にしてみれば、多様性を実現させるために幅広い商品セレクトが進化の過程であるが、例えはおかしいがギャンブルに置き換えて考えてみると、これは全てのパターンに幅広く投資しトータルで収益を確保すると言う非積極的なものであり、セレクトショップにとってはそれが限界だからである。進化の方向性は多く持てば持つほど厚みが増し更なる発展に貢献できる。


2004年08月25日(水曜日) #034.セレクトショップに付きまとう消費者価格と生産者価格の乖離

商品を見ていて、”これは妥当、これも妥当、ん?、んー?桁が間違ってない?”という事が多々ある。セレクトショップ特有の出来事だ。真眼を持ち合わせていなければその商品の価値を見出す事ができないものもある。そういう物ばかり扱っているショップなら問題無いが、セレクトショップでは普通の商品に混じっているのが曲者だ。ま、これが楽しいのだと言ってしまえばそれまでだが・・・。後日見に行っても売れずに残っている事も事実で、やはり曲者である。
余りに消費者の値踏みと乖離しているとショップ自体の信用にもかかわるだろう。このボーダーラインは非常に微妙なラインだが、1〜2万の価格帯のシャツのラインの中に4、5万もするようなシャツをそーっと忍び込ませるのは頂けない。消費者の頭の中で、ここのラインは1、2万までだなとインプットされていて、”おっ、イイの見つけた”と値札を見てガックリされるのはショップにとって洒落では済まされない事態だ。
消費者の中で価格を気にせずに品質第一で買い物をする人は極一部だ。他の大多数は自分の頭の中で設定価格が決められていて、それに従って行動する。要するに上記のようなディスプレイは大多数が大きな価格ギャップを感じるという事である。それを念頭においてディスプレイしないと、ふざけたショップだと認識される事請け合いである。セレクトショップにおいても価格系列に従ってディスプレイするのが基本中の基本である。


2004年08月19日(木曜日) #033.小売に与える休日分散化の影響

主要高速道路の渋滞情報を見る限りでは例年と変わり無いように思えるが、盆休みの分散化は確実に進んでいる。その事は朝の通勤電車に乗っていても良くわかる。ここ数年、特定日から急に乗客が少なくなるということは無くなってきている。ぼんやり始まりぼんやり終わるという感じだ。休日の分散化は交通機関では乗客のとりこぼしが無くなる為いずれもプラス方向へ働くと安易に推測できる。小売分野はどうだろうか。交通機関のように客を取りこぼすということは無いが、バーゲンのような一極集中が更に客が客を呼ぶという特異な性質を持ち合わせるため必ずしも客数の平坦化は小売にとってプラスになるとは限らない。客の気分が流動性を支配する小売に関しては客数の平坦化を避ける為に特別な日を設定し客数の変化に揺さぶりをかけなければならない。こまめにバーゲンを増やせば問題解決のように思えるが、今度はバーゲン自体に平坦化が訪れる。バランス取りが非常に難しいところだが、いずれも価格の高低の一元によって集客をコントロールしている。百貨店ではワンフロアを催し広場として、時にはバーゲン会場になったり、世界各地の名産展を開催している。このように価格の高低以外の要素で集客をコントロール出来るようになれば集客の平坦化、バーゲン自体の平坦化をいずれも解消できるだろう。筆者は売り場の平坦化解消は集客を向上させると説いてきたが集客度の平坦化解消も絶対集客数を向上させる重要な要素であると説く。


2004年08月12日(木曜日) #032.劣悪メンズファッション誌に思う

巷に出回っているているファッション誌はB系かヤングアダルト系しかない。中間、又はアダルトに当るものがほとんど存在しない。しかもB系を扱うファッション誌の内容に関しては酷いものが多い。人と違えば違う程よしとするバカげた風潮が当然であるが如く紙面を飾る。ビジュアル的にンパクトの強い写真でそれらを見ていると、あたかもそれが普通であるかのように見えてくるから怖い。虚栄心の強い読者がその錯覚に陥ってどんどん深みにはまって行くのがうなずける。
B系ファッション誌に出てくる誌内奇抜偏差値50の人は街中を歩いていて100人に1人見掛けるかどうかと言う所だろう。それほどB系と呼ばれいているファッション誌の内容は街中の風景とかけ離れている。よく問題になっている事実歪曲報道を思い出すのは筆者だけだろうか?影響力が大きいだけに読者がその事に気づいたときの反動は強い。ネタ切れだからと奇抜さへ走る姿勢はいずれにしても首を傾げたくなる。
男性ファッション誌はどれも売上が伸び悩んでいるらしいが、構造は至極単純である。
ファッション誌が少ない→選べない→ファッションに興味を持てない→メンズアパレルの縮小、と言うまるでどこかのスポーツ界のようである。ファッション誌の担っている責任は非常に重い。おしゃれの第一歩は他人を真似る事に有る。大量の情報を提供すると言う点で雑誌における責務は言うまでも無い。
男性誌に関しては年代別と言う切り口だけを見ても未開拓ジャンルはまだまだ有る。女性誌には年齢と共にエレベーター式に細かく年代に分けて購読する雑誌が存在する。暗黙の了解的に棲み分けがなされ、これらの事が浸透している。要するに歴史が有る。
能無しエディターの排除、新刊の発行を待つ。


2004年08月05日(木曜日) #031.イイ香りのおじさんは好きですか?

最近、街をを歩いていて、整髪料の香りではない明らかにフレグランスの香りをまとっているスーツ姿のサラリーマンに良く出会う。身なりからは明らかに不似合いと思えるような男性から香る事も多い。これらの人は娘さん等からのプレゼントであると推定する。男性化粧品の売れ行きが好調なのは数年前から報道されているが、フレグランスの事に関しては最近になってやっと実感が沸いて来るようになった。
百貨店のフレグランス売り場に近づき得ない男性でも気軽に立寄る事が出来るドラッグストアでのフレグランスの充実が奏効している。狭い売り場でも対応出来るとあってエスカレーターサイドなどの極狭い売り場で展開している店舗も多い。
数年前発売された男性用ファンデーションは大コケした。明らかに”それ”と分かる様な化粧品は余程の冒険家でないと試そうともしないのだろう。
男性用化粧品においては「何気に」「さり気なく」というコンセプトは重要ポイントだ。フレグランスにおいても未だに”アクア系”と呼ばれるさわやか印象の物が売れているのもこれで証明できる。元々日本人男性は羞恥心が強く、確執を非常に嫌う。お国柄によって愛用されるフレグランスの系統が違うとの記事を以前見たことがあるが、非常にうなずける事象である。
新しい興味を持ち始めた今だからこそ、馬ニンジンではないが走り始めた馬を止めない様に、更に追いたくなるニンジン(高貴で高級品)と供給の場の開発が必要だろう。


2004年07月29日(木曜日) #030.メンズは小物類の充実を図るべき

ファッションビル、百貨店でメンズショップに人だかりを目撃する事は少ない。元々レディスに比べてファッションに多様性が無く、気質的にも女性よりブームに流されにくいというのが原因として考えられるが、それを考慮に入れても売り場に集客の偏りは少ない。レディスでは必ずと言っていいほどワンフロアにワンブランドは盛況している。
街中を歩いていても、時系的に彼らのファッションに変化を感じることは少ない。メンズフロアにおいても”集客”に関し新しい発見が少ないので正直面白くないと言ってもいい。しかしアクセサリー、小物類、バッグに関しては様相は異なる。この中にはフレグランスも含まれるが、これに関しては次回のコラムで執筆する。
男性は”絶対的な強さ”に憧れる傾向が強い。この”絶対的な強さ”というのは壊れやすい物より壊れにくい物という事である。ファッションに関してはシルクよりコットン、服より小物という事である。時計に関しては数年前にG-SHOCKが、過剰な防水性を持つ時計も時代を問わず人気商品だ。
女性の時計、ジュエリーに対する憧れとは質が違う。女性はそれらに対して恒久的なイメージを持ち、所有すること自体に幸福感を覚える人が多いのに対し、男性は所有するだけでは飽き足らず”絶対的な強さ”の中に含まれる”機能性”も重要視する。
これを考慮に入れて彼らのファッションを見ていると驚くほど多様性もあり、変化の速度も女性のそれに拮抗する。
メンズショップを見ていると未だ小物類を軽視する傾向がある。”小物”だけあって省スペースに追い込むことが出来るが、ディスプレイの方法自体に疑問を感じることも多い。
メンズに関しては小物類の充実こそが集客の鍵を握っていると言ってもいいだろう。


2004年07月21日(水曜日) #029.猛暑も涼しい水着専門店

今年は空梅雨でカンカン照りの猛暑が続いている。報道でも海水浴客は例年以上の盛況ぶりとの事で、エアコンの売れ行きも好調らしい。さぞ水着売り場も人の熱気で凄いだろうと予測していたら驚く事に現状は正反対であった。百貨店、ファッションビルの水着専門店を覗いてみるとガランとしている。外気の熱気からは想像もつかないほど売り場は体感的、心理的涼しさを感じた。
水着専門店は期間限定で出店する。消費者の認知度は低いと推定する。消費者行動は、水着がほしい→スポーツ用品店に行こう、となるのだろう。消費者にとって水着というアイテムはファッションというよりスポーツ色が濃い。これはファッションビル・百貨店側が水着を期間限定アイテムと捉えオフシーズンには一切取り扱わない事に起因している。海外旅行、スポーツクラブへの入会者が伸びている現在においては、サングラス同様、水着も期間限定アイテムではなくなってきている。
オフシーズンには売り場を縮小させるのはやむを得ないだろう。しかし、水着を”スポーツ用品”ではなく”ファッション”と認識させるためには、オフシーズンだからといってスポーツ洋品店にタスキを渡すような事はしてはいけない。
消費者が水着専門店に足を運ばないもう一つの要因は周辺アイテムが揃わないという点にある。ビーチで遊ぶのならビーチサンダル、パラソル、シート、日焼け止め、日焼けオイル等…。アパレルの販売現場では小物類の充実が集客力に大きな影響を与えるが、その事がそのまま水着売り場でも当てはまっていると言える。現状の水着専門店が出来る事はブランド開発と小物開発を同時に行う事である。


2004年07月14日(水曜日) #028.百貨店の独自ブランド開発

百貨店では独自ブランドの開発が以前から進んでいる。阪急には「as you」として、大丸には「カスタマーズヴュー」として顧客の声を反映した独自ブランドが存在する。
ブランドの構築は以前から進んでいるものの、存在感は今ひとつ薄い。独自ブランドにインパクトが無いのは平場での販売が起因している。平場のノッペリした売場で展開するのではなく、他テナント同様、敷居を高くし百貨店独自店舗を造るべきである。
現在の百貨店においては取扱商品の独自性がほとんど無い。顧客は、百貨店が併設する意味を見出せないでいる。
独自ブランドを”顧客の声を取り入れているだけ”の曖昧なものにするのではなく、確固としたブランドコンセプトを展開し”押しの強い”ブランドを作らなくてはならない。
その上でセレクトショップのようにセレクトブランドのひとつとして「as you」、「カスタマーズヴュー」を取り入れるべきである。
大丸はローマ字の”DAIMARU”をモチーフに”D△I○”というロゴを作り、デザインのワンポイントとしてショッピングバッグに使っている。ロゴのデザインの良さからこのショッピングバッグは好評である。街中ではハロッズのバッグも良く見かける。これも成功事例といえるだろう。
購買客の中にはロゴマニアが常に一定数存在する。百貨店のそれと認識させるため、百貨店独自ブランドであることを前面に打ち出す為にもモノグラム・ロゴの開発、使用は不可避である。
大丸のロゴにはセンスを感じるだけに、現在の売り場、ブランド戦略に不満を感じる。


2004年07月07日(水曜日) #027.バーゲンの困ったサン

6月末から7月の初めに掛けてあったサマーバーゲンに出かけた。
百貨店ではバーゲンに参加していないブランドもちらほら見受けられた。バーゲンに不参加のブランドはまったく活気が無い。入店客が少なく、店員が情けなく突っ立っているのを見て更に入る気を無くすようだ。大きい売り場面積を占有しているブランドでこれをやると、まるで合コンで話に加わらずに黙々と食べて自分の世界に浸っている”困ったサン”の様だ。バーゲンにしか来ない客は顧客ではないとでも思っているのだろう。筆者の感受性が強いのか、そのような店舗は”バーゲン目当てで来たんでしょ?”的雰囲気を感じてしまう。実際そうなんだが・・・。
自店の”お高くとまっている”的イメージダウンはともかく、周りを巻き込む”困ったサン”は大いに問題がある。百貨店のテナントの一部として”抜け駆け”は許さないが”不参加”も許してはいけない。これは先に執筆した百貨店におけるユニクロの進出の事例と同じで、百貨店内においては単に価格設定の高い安いで競争してはならない。
ファッションビルにおいては殆どこのような光景は見受けられないが、百貨店においては以前から良く見る。実に不思議な現象だ。


2004年06月30日(水曜日) #026.カジュアル量販店の和装戦略コンセプト

着物業界には”井の中の蛙は井の中に居れば良い”という発想が未だ根底にある。この事は店頭を見ているとひしひしと感じる。着物をただ見るだけでも叶わない事が多い。店頭は何か特別な物を売り付けるが如く排他的雰囲気で威嚇しているようだ。ユニクロの浴衣はそれらに対抗する為の挑戦と曲解できる。今回のユニクロの和装戦略には、見る事もままならない”着物”を、買ってもらわなくても、とりあえず気軽に見て触ってもらうというコンセプトを感じる。
ユニクロの浴衣は3,800円という価格からすると驚くほど多彩である。レディス30、メンズは3、キッズは5の柄がある。
和装の機能美を全く知らない人の為の入門着としても最適価格である。今回のカジュアル量販店の和装戦略は着物業界全体に好影響を与える。和装の入り口を指し示したという点でも大いに意義がある。
現在浴衣で外出するシチュエーションは実質祭り位でしかない。室内着として作務衣を愛好する人は多い。室内着、年中着としての機能は夏場限定の浴衣を凌ぐ。
和装の入門着としての浴衣戦略はコンセプトとしてはすばらしいが、普段の生活の中で和装を楽しみ、それを定着させるという点では役不足だ。
作務衣にこだわる必要は無いが、ユニクロにはそれに準じた和装の開発、販売を望む。


2004年06月23日(水曜日) #025.百貨店のユニクロ招致

先日、高島屋堺店にユニクロとABCマートが出店した。
踏み越えてはいけない垣根を軽々しく踏み越えてしまった感がある。
百貨という名目からすれば高級品から日常的な商材まで揃える事はさして問題なさそうに見える。実際、以前から仕事着で使うスーツなどでは2着3万で販売している。これは”仕事着(作業着、実用着)”としてのスーツであるから安売りしてもギリギリ消費者にも他のテナントにも許さていたのだろう。しかもこの場合は百貨店自身の平場である。
筆者は以前から無意味な差別化、細分化を無くせと論じてきた。しかしこの場合は違う。筆者は百貨店の平場にユニクロの商品を置くのは一向に構わないと考える。しかし、テナントとしてユニクロを招致してしまうと、歯止めが利かなくなる。在来テナントとしても決してプラスには働かないと見る。その事は消費者にとっても同じことが言える。ファミリーがユニクロ目当てで百貨店に押しかける風景を想像すればわかるだろう。スーパーの延長線上に百貨店は無い。ベクトルがまるで違う。言うまでも無いが、スーパーの進化系は大量生産による安価方向にある。百貨店のそれとは確実に違う。そのことを知ってか知らぬか、安直に集客力を求め、易々と招致した百貨店に痛々しささえ感じる。


2004年06月16日(水曜日) #024.量販店のディスプレイセンス

消費者が危惧するのは街中で同じ服を着た人に出くわすこと。
大量生産で価格を抑える必要のある量販店に常に付きまとうジレンマで、ユニクロでは色数でそれを回避したこともあったが、振るわなかった歴史がある。数年前のフリース現象ではユニクロのフリースが大量に出回って、ユニクロでなくてもユニクロにみえ、それを嫌ってフリース自体を着ない人まで出てきた時があった。ユニクロに行ってみると、他の量販店でもありえないほど同じ服が山のように積まれている。本当に山のように積まれていて脚立でないと届かない所まで積み上げている。
消費者心理を代弁すると「これだけ山のように同じ服があると、さらに安っぽく見えるな」、「お目当ての服がこれだけ大量にあったら売り切れることもないし、今買う必要も無いな…」だろう。筆者も実際そうだ。ユニクロでは”売り切れるかも…”という切迫感に苛まれて買ってしまうというのが皆無なのである。
話は変わるが大規模家電量販店では大量にさばく商品は小分けにして販売している。関連する商品の裾に置くなどして。これは非常に良い方法で、一箇所に商品を積み上げると上述したように、商品が更に安っぽく見えて、売り切れるかもという切迫感も削いでしまう。安く良い物を探そうとしている消費者の探検気分も台無しにする。ワンフロアで広い店舗を持つユニクロでは非常に有効な手段だろう。アパレルの世界ではセットアップできる商品が多い。各店舗のセットアップディスプレイセンスが問われるが、小分けにして販売するだけでもかなりの効果が期待できるだろう。



2004年06月09日(水曜日) #023.ファッションとインテリアは同カテゴリーとして収束していく

最近プラントショップ、フラワーショップがファッションフロアに進出しているのを良く見る。集客度も他店とそれほど変わらない。それどころか本題のファッション専門店よりはるかに賑わっている所もしばしばある。固定店舗としてプラントショップはもとより、移動できる屋台型のプラントショップの進出も激しい。コンビニエンスストアに観葉植物が置いてあったのには驚かされた。
観葉植物の価格帯は大体2000円から8000円程度のものが多く、ホームセンターなどで販売している同種の物から比べると何割か高い値段設定である。しかし、鉢などの付属品がファッションビルに付随しているだけにスタイリッシュで高級感あるれるものばかりである。鉢を別に買ってきて植え替えするという泥臭い作業を敬遠する人が買って行く。推測通り、店員の話からも手間の掛からない物から売れていくとの事。
今後、ディスプレイとしての観葉植物を兼ね、それを販売する店舗も出てくるだろう。顧客にとっても目の保養になり、店側もライフスタイル、トータルコーディネートの提案、限られた店舗面積の有効活用にもなる。
癒しを求める時代背景がこれらの現象に拍車を掛けている事は言うまでも無い。


2004年06月02日(水曜日) #022.高度成長期を知らない世代

よく晴れた平日の昼間、とあるファッションビルの前を通りがかった。すると若い人、20前後の人たちでごった返していた。平日であることを忘れてしまうほどの活気である。
通りかかったのが午前11時頃で、服装から社会人とも思えないし昼休みに入っている専門学校生とも思えない。
彼らを平日の昼間に街中で目にするのは何の違和感も感じないのだが、ファッションビルで目にすると違和感を感じざるを得ない。彼らがフリーターであることは読者も容易に想像できるだろう。
彼らは当然休日も街中に溶け込んで消費行動を続けている。何が言いたいのかというと、一番の稼ぎ頭で金銭的余裕のあるアダルトより、金銭的に自立していないフリーターのほうが消費意欲は盛んだということである。
昨今、若い人達、特に10代の活躍が目立っている。プロゴルファー、作家、俳優…。
この年代は日本の高度成長期やバブル期を体験していない。この事で一つの世代を区切ることができる。”不況であることが当たり前”として育った世代なのである。だから彼らを見ていると悲壮感を感じさせない。ヨーロッパでは経済的に貧困な国が多いが、それを感じさせないほど陽気で、消費活動なくしても人生の楽しみを知っていると良く聞く。それに近い感覚を覚えた。
上述したようにこの世代に芸術家タイプの人間が多く輩出されているのも、このようなデフォルトが最大級のマイナス環境であるという土壌が彼らの精神に余裕を持たせ、それらの才能をどんどん伸ばせているのだろう。
フリーターであることが良いのか悪いのかを別にしても、日本人に欠けていたものを新しく持った世代であることは確かである。


2004年05月27日(木曜日) #021.ホームページの大改装について

このホームページを開設してあと1ヶ月ほどで半年になろうとしています。この約半年の間にも新たに百貨店などの商業施設の大改装の計画が続々と発表されてきました。
直近では阪急百貨店うめだ本店が、大型化、立て替えの検討をしている。その他にも大丸百貨店大阪2店を2005年春から順次大規模改装を予定している。
これら立て替えおよび大規模改装は自主的なものではなく、すべて競合相手を意識して踏み切られたものと考えられる。
本当は立て替えも大規模改装もしたくはないのだが、競合相手がするから重い腰を上げようかという感じをどうしても受ける。開発や整備計画が競合相手から遅れ後手後手に回るほど消費社会に与えるインパクトは薄れ、本来の効果を発揮できない。
これらの話はどれも規模が大きいものであまりピンと来ないだろうが、例えはおかしいが”ヘアヌード”と同じといえる。今や男性週刊誌で載っていない物を探すほうが難しいのではないだろうか?
今から思い浮かべると青々しい時代だったんだなと物思いに更けてしまう程インパクト感は低くなってしまっている。
これらの事象と同じで先陣を切る者が最大限のインパクトを与え最大の利益を享受するのである。
これらの立て替えや大規模改装の話から自分のホームページの大改装へ話を持っていくのはいささかというか大きな無理がありますが、常に先陣を切るという意識の元、精進してやって参ります。これからもよろしくお願いいたします。


2004年05月12日(水曜日) #020.小物やアクセサリーは小悪魔的アイテム

ビジネス街ではアンタイドスタイルはまだまだ少ないが、以前から比べるとニットタイをしている人をよく見かける。5月半ばでも晴天の日に外を歩くと汗が吹き出る。この時期のニットのイメージはいかにも暑そうに思うかもしれないが、タイの場合に限っては逆だ。通常のシルクタイは織目が極小さく通気性はほとんどない。ニットタイの場合は生地のボリュームを出す為にかなり粗めに編んでいる。通常のタイから比べると通気性が格段に良い。以前、硬い竹の素材を使ったタイを見た事があるが、ココまでの冒険は出来ないにしても、ニットタイならガチガチに凝り固まったビジネス街でも風景に打ち解ける事が出来るだろう。素材の冒険はともかく柄の冒険はよく目にする。近づいてみてみると柄がアニメのキャラだったり…。これがイイ歳を召した紳士がしていたりするとホッとしたりもする。このようなギャップはかなり好感が持てる。オトコの視点で好感が持てるのだから、女性の視点では更に期待大だろう。本来のキャラクターとは違う所を見せ付けられるとドキッとさせられる。特に異性には…。服、特に小物やアクセサリー類は使い方次第でキャラを大きく変貌させ、見る者を強烈に惹きつけることもできる小悪魔的アイテムだ。
遊び心のある人は例え相手が男性であっても話し掛けたくなる。


2004年05月05日(水曜日) #019.悩ましいサンダル

半袖になる季節になるとサンダルが恋しくなる。歩き疲れてホテった足をなでる風が実に心地いい。毎年良いサンダルがないかネットや店頭をくまなく見て回っているが空振りに終わっている。最近のデザインは無理やりドレスダウンの方向へ持って行こうとしているように見えてならない。サンダル自体カジュアルアイテムなのだからデザイン性、細かいフィッティングその他快適性などは二の次で良いというデザイナー側の態度が目に余る。無骨でトイレで似合いそうなサンダルばかりだ。お子様が"トイレつっかけ"で街中を歩くのはかまわないかもしれないが、いい歳をした大人には無理だ。デザイナーの質に疑問を抱く。いまだにアッパーの素材はゴムや革ばかりだ。
最近はかかとの部分に支えのないものも多く、歩きやすさを重視する筆者にとっては益々悩ましい傾向だ。もともとサンダル自体車の運転には向いていない。かかとのないサンダルでは危険すぎてドライブには使えない。日常の生活行動を客観的に考察してみると、かかとに支えのないサンダルは購入リストにすら入り得ないだろう。ここ数年購買意欲をわかせるサンダルに出合っていない。異常事態といっても良い。友人も毎年同じ事を言っている。


2004年04月28日(水曜日) #018.消費者に提案・理解・実感させる場がディスプレイ

サングラスは年中必須アイテムである。もはやサングラスは夏だけのアイテムではない。白内障の発症予防、美白のため…。百貨店はサングラスを夏のだけのアイテムと捉らえている。期間限定で特設コーナーを設けている。百貨店は常に客にとっての指針でなければならない。この事は百貨店だけに限らず、試着しなければ分かり様の無い物を販売している店舗全てに対して言える事である。にもかかわらず消費者へ提言するというスタンスのディスプレイが少ない。売れ筋だけをディスプレイしているだけと言う感覚だ。消費者にとっては店頭のディスプレイはファッション雑誌と同じで”提案・理解・実感”の場である。雑誌とは違い、実物をディスプレイする店頭においては直に手で触れさせ商品の良さを実感させる必要がある。
先日、自宅近くに大規模なショッピングモールが出来、ユニクロが出店していたので視察に出向いた。サングラスは全て990円(税込)。中には偏光グラスの入ったものも在る。偏光グラスと通常グラスの差異を見せる為に横に絵が置いてあり、それぞれのグラスを掛けて違いを実感させるようにしてある。消費者に実感してもらうと言う観点では最高の配慮だろう。
消費者に実感してもらう…これが疎かになっている売場は意外に多い。偏光グラスで990円と言う価格は破格なのだが、種類が少ないのが残念だ。
あるグラスショップの店員と話をしていると”メガネは着ている服、体型と合わせる為にも全身が映るような大きな鏡でメガネの試着をして下さい、まるで見え方が違いますよ”と言われた。正にその通りで、”メガネはアパレルの一つだ”と執筆していた自分を少し恥じた。このことを踏まえて他のグラスショップを覗いてみると、ひどいショップも結構ある。全身が映る大きい鏡がない所はまだカワイイ。中には手鏡だけを一箇所においてその手鏡を持って店内のメガネを試着してくださいとのたまうショップもある。グラスショップに手ぶらで来る人間は何人いるのだろうか?そのショップは更にひどく、価格表示が眼鏡のテンプルの内側に極小さく値札が貼ってある。身を乗り出して見ないと値段の確認が出来ない。あまりにも消費者を馬鹿にしている。ま、このショップのスタンスは価格設定からも価格を全く気にせず、試着も面倒なのでココにあるメガネ全て買い取ります的顧客を想定しているのだろう。言うまでも無いがこの店で購入客を目撃することは少ない。


2004年04月21日(水曜日) #017.携帯時代における腕時計の存在意義

(時計をアクセサリーと捉える女性、機能として捉える男性)

女性側は時計を完全にアクセサリーと捉えている。彼女達は時計の機械的な部分、機能性などどうでも良く、問題はその時計が一般認知ブランド(ファッション雑誌で取上げられている等)なのかそうでないのかが重要なのだそうだ。そうでないものにお金をかけるのは”お馬鹿さん”と思うらしい。
男性は小さい頃から機械的なものや機能的なものに憧れる。筆者も例外ではない。時計に限らず機械の事に関して話し出すと止まらない男性も多い。デザイン・ブランドより性能・・・。こういう男性は未だに多い。稚拙な考察かもしれないが、こういう男性側の意識が技術大国日本と言われる所以だろう。
これらの事象を悪く言うと子供っぽい、虚栄心が高いといえるだろう。
筆者は腕時計を外して間もない。今から思い返してみると腕時計をアクセサリーとして見てみても許容し難い不快さがよみがえる。重い、シャツの袖に引っかかる、冬場は冷たく、夏場は不潔になる・・・。まるでジーパンのような言われようだが、実際そう感じる。今までは外出時に腕時計をしているのは当たり前の事で、存在意義を考えた事も無かった。”有るからさす”という感覚だ。この既成概念を振り払い、腕時計を外してみると、こんなに快適なのかと感心させられた。
一度どれくらいの割合でビジネスマンが腕時計をさしていないのかを観察した事がある。意外な事に、時間にシビアにならざるを得ないビジネスマンですら腕時計をはめていない人がちらほらいるのである。彼らは携帯電話に時計があるからささないと言う。先に述べた腕時計をしない事による快適性から見ても大いにこれらの事は納得できる。
腕時計をしないと言う感覚は、時計をアクセサリーと捕らえない男性特有の現象である。これらの男性の存在は時計業界にとっては実に悩ましい事象だ。
機能性を求める多くの男性消費者には、何らかの快適時計や、従来以上の、携帯電話にもついていないような付加価値或いは携帯電話に出来ない機能が必要になってきている。機能重視派の時計離れは確実に加速している。時計業界は岐路に立たされている。


2004年04月14日(水曜日) #016.リクルートスーツはもうイラナイ

平日の昼間たまたま大阪でも有名なビルに出かける事があった。そのビルで就職説明会が有ったようで、リクルーター達はダークカラーのスーツに白シャツで会場へ押しかけていた。
以前と変わった所と言えば2つボタンより3つボタンスーツが増えたという事くらいか?大量の黒白の奴隷服・囚人服のおかげでまわりに咲き乱れる桜、フルカラーの風景がモノトーンに見えるほどだ。
会社側の責任もあるのだろう。会社のお偉い方は昔ながらの暗黙の了解的陳腐な発想で圧力を掛けたがる。
面白がってこの様な事を言ってはいけないのだろうが、面接は思いきってスーツ禁止にしてはどうだろう。普段着を垣間見てみるとその人物の生活態度や性格が驚くほど良く表れる。大昔にカジュアルフライデー的な見せ掛け倒しの制度が有ったが、普段着を会社の人間に晒して人格を疑われた人もかなりいただろう。それほどスーツはどんな着方をしても一応相手に対して失礼にならない服、隠れ蓑になる服なのである。
いずれにせよメンズアパレルの発展にはビジネスマンからスーツを脱がせようとする働きかけが絶対条件である。土日しか着る事の無いカジュアルに興味を持たせようとする事自体無理がある。
それでも平日、オフィス街を歩いていると、以前よりもアンタイドスタイルのビジネスマンに良く出くわすようになった。
季節は鬱陶しい梅雨、夏場に入っていくが、日本人の弱い”環境の為”という大義名分を利用し、省エネという観念からもアンタイドを取り入れる動きがあってもいいだろう。
スーツを脱がせタイを外させるという観点では役所の方が進んでいる。何ともモドカシイ。


2004年04月07日(水曜日) #015.メンズインナーに女性モデル

グンゼBODYWILDの広告は女性モデルがメンズインナーを着て宣伝している。男臭さを極力感じさせない演出だ。今までメンズインナーに男性モデルを用いられていたのは極当たり前の事で、それらを当然のように許容していた。このBODYWILDの広告を見た後、今までの広告を思い出してみた。よく考えてみると、男性モデルが下着を着ている広告に少しづつでも胸の悪さ、嫌悪感を感じていたのかもしれない。なぜなら女性モデルがメンズインナーを着ているだけで清涼感、清潔感、スタイリッシュ性を感じたからだ。メンズインナーの広告でスタイリッシュ性を感じた事は今まで一度も無い。
幾ら男性モデルが清潔感を出す為に様々な演出をしたとしても、”オトコ”の視点からは決して心地よく映らない。
改めてそう感じさせる程この広告は新鮮かつ心地良い。
この様な広告の登場はメンズインナーが単なる”上着の下に着る衣服”ではなく、一つの衣服の存在として認められるデザイン性豊かなインナーが出てきた結果だと分析できる。
現在においても、未だ”3枚1000円で事足りる”的風潮が男性の中にまかり通っている。これらの風潮を払拭させ、かつ旧来の”下着”と交換させる為に更にデザイン上の進化、機能性の進化が求められる。広告という媒体はそれらを強烈に後押しさせるだけの十分な威力がある。
アウターのユニセックス化が進む中で、唯一の性差の象徴を誇示するインナーにおいて、異性をそのモデルとして使うアイデアは面白く斬新で賞賛に値する。かといって、男性が・・・・・・、胸が悪くなるので考えないでおこう。


2004年03月31日(水曜日) #014.メンズジャケットのストレッチ化

先週平日の晩、春夏物のジャケットを探しに百貨店を何箇所か廻った。ある店員とストレッチ素材の事で話をした。何故春夏物のメンズジャケットにこれだけストレッチ素材が無いのかを聞いてみると、?素材レベルでひんやり感が損なわれてしまう点、?ポリウレタンを混ぜてしまうと素材の密度が増して通気性も犠牲になる、という答えが返ってきた。説明は理論的で非常に納得出来るものである。
色々見て廻っていると、J.PRESS(オンワード樫山)のジャケットは横方向にだけ最小限のストレッチを掛けた物で、素材のひんやり感が殆ど損なわれていない物だった。試着すると弱いストレッチにもかかわらずコットン100%のジャケットからは比較にならないほど動きやすいものである。結局これは買わなかったのだが。先の店員の明快な説明が霞んでしまう程、ストレッチとひんやり感、通気性が確保された物だった。
ストレッチ素材を毛嫌う”食わず嫌い消費者”がいるのも確かだろう。この事については後々執筆する。
逆に冬場はストレッチ素材にかなり助けられる。冬場の朝、コットンパンツを穿くのは拷問に近い。ストレッチ素材に心底感謝する。毎日の事だとかなりのストレスになるだろう。
ストレッチ素材は夏場に向いていない素材かもしれないが、J.PRESSのように極軽くストレッチを掛ける手法や、衣服の可動部にだけにストレッチ素材を使うなどやり方は幾らでもある。
その後で上述した消費者側の意識改革(宣伝)が必要となる。
ストレッチ素材(機能性素材)に関しては、消費者の好みを無視してでも製品化を進め、消費者を納得させるレベルにまで商品の質を上げるべきである。
”本当に良いモノ”が出来ると消費者は後からついてくるものだ。これは楽観論でも精神論でもない。ブランド物を着つつその機能性の悪さ、着心地の悪さを”高いブランド物だから”と潜在的な不満を持ちながら、やむなくそれを着ている消費者も大いにいることだろう。”不良債権化した服”と言えなくも無い。人の心理とはそういうものだ。
潜在的不満を持っている消費者の一部が使い易さや機能性に気付くと他の大勢が一斉に追従する可能性は大きい。


2004年03月24日(水曜日) #013.ジーンズ供給の究極の形

ストーンアイランドデニムスから「パーソナライズド・ジーンズ」が発売された。(http://www.stoneisland.com)
これはジーパンに加工用サンドペーパーグローブが付いているものだ。世界で一本だけのオリジナルを作り出そうというものである。サンドペーパーで色落ちさせたい部分を擦り下地の色を出す。”アタリ”を出す為、ポケットに財布やらの小物を入れた状態でサンドペーパーを掛ける。
現在のジーンズ売場はユーズド加工が大半を占めているといっていいだろう。以前エドウィンから”ザイロン”なる強靭な繊維で出来たジーパンが発売され筆者も購入経験があるが売れ行きは芳しくなかったようだ。
結局消費者はコットン100%を望んでいる。
色落ちし、ほころび易いが強靭・・・
”はかないものは美しい”ではないが、ジーンズ業界では”異様に強いものは嫌われる”ようだ。
結局上記ジーパンもコットン100%でしか実現できない。
確かに夏場は汗で重くかつ暑苦しい代物になる。ジーンズファンは夏場の不快感を決して容認しているわけではない。デニムの独特の風合いを愛するファンにとって現状ではこの素材(コットン100%)しか有り得ないのである。自然繊維で出来ているという点も購入動機に大きな影響を与えているだろう。コットン100%でその風合いを保ちつつ軽快で動きやすく汗でベト付かない素材や加工法が開発されれば市場は瞬間的にその素材に席巻されるだろう。ジーンズファンは素材のこだわりと不快感のジレンマにまだまだ悩まされそうだ。


2004年03月17日(水曜日) #012.最近のメンズバッグ事情

最近のメンズ雑貨の著しい変化にバッグがある。店内を見ていてやたらと目にするのがトートバッグである。女性でも違和感無く使えそうなデザインのトートバッグである。というか、トートバッグ自体元々女性のバッグとして存在してきた。最近になってそのデザインの優秀さから男性にも使われるようになってきた。中には時代背景か、ノートパソコンがそっくりそのまま入れる事ができるようになっているものも有る。鞄の間口の広さが受け入れられているようだ。
一度トートバッグを店頭で肩から掛けて鏡の前に立ってみた。プッと噴出してしまう程似合っていない自分が鏡の中に映っていた。むさ苦しい男にはトートバッグ向いていないようだ。最近街中でもトートバッグを肩から掛けている男性が目立ってきたが、彼らはやはり中性的で男臭さを感じさせないルックスである。バッグ界にもユニセックスの波が押し寄せているようだ。自分には関係の無い世界に思えた。


2004年03月10日(水曜日) #011.消費税表示について

今年平成16年4月から価格表示は総額表示方式が義務付けられる。百貨店の店頭では2月の時点で既に代えられていた。
消費者にとって、店側が国に支払う消費税額などはどうでもいい事で、それをわざわざ表示(単なるジェスチャー)し、税抜き価格をあたかも支払い価格のように表示し消費者に誤解を招かせていた。
殆どの小売は税抜き価格を掲げていた。この様な悪習が当たり前のように今までまかり通っていた。集団心理の典型だろう。この事が放置されていた理由は、消費税導入当時、小売からの批判が強く、国としても”詐欺的表示”を黙認していたからだろう。これまでの表示価格は”本当の値段はこうですよ、消費税が価格を高くしているのですよ”と言う”単なるジェスチャー”でしかなかった。
この理論は確実に間違っている。なぜなら他にも事業主の所得税、自社店舗なら不動産税(固定資産税など)が、商品価格の何パーセントかに必ず上乗せされているのだから。そんな事を言い出すときりが無いだろう。
何気に理不尽かつ馬鹿げた理論でルールを定めていくと、結局そのしわ寄せは消費者に来る。
この規制が始まる前から税込価格だけを掲げていた小売は、その部分での競争(見た目の安さを犠牲にして、消費者の為に分かりやすく総額表示し消費者の利益を優先させていた事)を無理やり無いものにされたも同然だ。正直者が馬鹿を見るとは正にこの事である。
百貨店の店員と価格の新表示について話をしていると「消費税の価格を計算せずに済むから自分は馬鹿になるが、お客様に実際の支払い額を見てもらえるのでこの方がイイ」との声も聞かれた。結局の所、彼らも本体価格(値札価格)に消費税を上乗せして最終的な支払い額を電卓で見せる時、それらのギャップに少なくとも罪悪感を持っていたのであろう。彼らのコメントはその事をうかがわせるものだった。


2004年03月03日(水曜日) #010.平日の晩、虚しいメンズフロア

週末、金曜の晩であってもそれほど状況に変化は無い。
疲れきったサラリーマンは仕事帰りに服を見ると言う感覚はまるで無い。9時まで営業(水木金土)している阪急百貨店本店は更に虚しい惨状である。他曜日は8時まで営業。仕事帰り、週末に近づけば近づく程寄ってもらえるように配慮した営業時間であろうが、現状は厳しい。
もちろんサラリーマンが疲れ果てて服を見に行く気にさえなれないと言うのも一つの原因としてあるだろう。しかし”今日はこの時間営業してたっけ?”と言う消費者も多いと推測する。こういう消費者は馬鹿に出来ない数だろう。筆者も実際そうだったからだ。ホームページで確認して初めて知った。結局こういう消費者の行動は確実性が無い限り出向くことはまずありえない。実質客を取りこぼしていると言っていいだろう。
もう一つ、店内に他の客がいない無人状態だと、気軽にウィンドーショッピングとはいかない。客数に対して店員が多いと落ち着いて商品を見る事は絶対に出来ない。時間帯、営業曜日によって集客度に格差があるにもかかわらず店員の数が同じだと、店員は客を威圧するだけの存在になりうる。客に威圧感を与えないようにするにはフレキシブルに店員の数を変える必要がある。
平日であっても夜遅くまで営業してくれる事は消費者にとって非常に有り難い事であるが、現状のファッションビル、百貨店の各メンズフロアはそれを最大限に発揮出来ないでいる。
ある店員がこぼしていた。早くていいですねと(仕事の終わる時間が)。


2004年02月25日(水曜日) #009.店内の照明について

アパレルの店舗に限ったことではないが、店内の照明に懲りすぎて商品本来の色がわからない事が非常に多い。
買った後でその違いに驚くこともしばしばある。
特にダークグレーとブラックの違いには毎回苦労させられる。驚く事に、生地の色を店員に聞くと、店員自身が他の照明に照らして確認すると言う事もある。
もちろん生活している上で浴びている光の色は白色のみではない。単に昼と晩だけとってみても見え方は全然違うし、晴れと曇りでも違って見える。
店側は着用者が行くであろうシチュエーションを想定して照明に工夫まではしていないとは思うが、生地の色合いや風合いが見た目では分からない店が多すぎる。消費者を引き付ける為、様々な照明を使用し演出する事は確かに重要な事である。
服を販売すると言う大義名分がある限り、店内の照明と服への照明は同等、或いは服への照明が優先されなければならないが、殆どの店舗の現状は優先順位を誤っている。
デザイナー、クリエーター達の苦労を無にし、消費者を困惑させるようなディスプレイは極力避けるべきである。


2004年02月18日(水曜日) #008.メールマガジンの難しさ(筆者の業務経験から)

大企業からの個人情報漏洩が良く報道される。個人レベルでその実感が湧くのは見覚えの無い所からの広告メールが届いた時だろう。
情報漏洩の報道がなされる度、アドレスの無断利用など、デジタル情報の扱いは非常に希薄な責任感の上で成り立っているように思える。これは管理者の良識に委ねるか自己防衛するしかない。
筆者もそのことを踏まえてメルマガなどを取る時は捨てアドレス(もし悪用などされた場合に捨てても構わない無料メールアドレス)を晒す。この捨てアドレスは幾ら無料であっても、新たに取得するには結構面倒な手続きが必要だ。
今まで様々なメルマガを購読してきたが、個人的に有効だと感じたのは購読新聞社の購読者にだけ配信しているメルマガだけだ。半有料ともいえるこのメルマガは内容も購読新聞と並列したもので、購読者の要求情報から大きくそれる事は無い。
その他殆どのメルマガは無用の情報(宣伝まがい記事)である。必要な情報をメルマガで受け取りかつ探すより、インターネットで探すほうが遥かに効率的であると思わせるほど、現在のメルマガと読者の間には要求情報の格差がある。

メルマガの殆どが人の目に触れずに捨てられるのは、
?インターネットの膨大な情報量の前ではメルマガはインパクトが薄すぎる、?上記のようにアドレスの不正使用を嫌う、?読者の要求情報との格差がある
この3つがが大方の理由だろう。

結局の所、現在のメルマガの利用価値は紙媒体の補助としての利用が一番有効ではないだろうか。例えば、自宅では新聞を広げて読むが、通勤電車の中では携帯に送られてきたメールを読むなど。
大手新聞社の中にも従来の紙媒体と平行してオンライン配信がなされている所があるが、デジタル書籍の拡充が進む現在においても、書店が"紙媒体の本は絶対に無くならない"と言い切るように、新聞業界でも上記の傾向が更に強くなったとしてもオンライン配信が紙媒体に取って代わる事は無いだろう。
配信チャネルの多様化によりそれぞれの情報内容の劣化や変化があるわけではないが、情報の受信側が生身の人間である限りデジタルへの移行は一本調子ではいかない。化石燃料を使う自動車と電気自動車の間にハイブリッド車が存在するように、必ず移行の過程にバッファとしての"紙媒体とデジタル媒体のハイブリッドなるモノ"が必要なのである。自動車のエンジンとは違い、人間に直に触れる物であるのでその傾向は自動車のそれに比べ更に顕著である。
よって情報の発信をデジタル配信にだけ頼るのは現在においてはまだ早すぎると考える。
人間側の完全デジタル配信の受入れはまだまだ長い過渡期が続く事だろう。


2004年02月12日(木曜日) #007.ポイントカードが利用されない理由

ポイントカードが利用されない5大理由を以下に列挙する
1.特典を受けるまで高額の買い物をしなければならない
2.特典に魅力が無い
3.ポイントカードの有効期限が短い
4.ポイントカードにサービス内容、明記されていない。
5.固定ブランドを扱う店でポイントカードを発行している

1.に関して。やはり消費者心理からしても3万前後が限度ではないだろうか。それ以上になると、ポイントを集めようという気も失せさせる。消費者にとっては小額の特典であってもうれしいものである。小額の特典を小出しし、ポイント収集をさせる戦略が有効である。

2.3.に関しては言及する必要は無いだろう。

4.に関して。これは意外と見逃されている点である。世の中にはポイントカードなる物が多数発行されていて、財布の中はポイントカードの類で氾濫しているのが実情だろう。筆者の場合は印象に残るものは気をかけているが、そうでないものに関しては”財布に入れてはいるが出番が無い”という状態だ。やはり印象に残りやすいような簡単、明確、明瞭な記述や特典が消費者にとって使えるポイントカードになる。実際、ポイントカードが気に入ってリピーターになる事もある。

5.に関して。取扱商品に大きな差異が存在しないジャンル、例えば定番ブランドを幅広く扱っているカジュアル量販店、又は固定イメージにとらわれないセレクトショップもそうだろう。これらのショップはポイントカードによる強力なリピーター獲得ができる。消費者にとって代替がきくショップだからである。同業のライバル店舗も同じ事をするので両刃の剣でもあるのだが。
固定ブランドショップでは、そのブランドのエンスーにしか利用されないという欠点がある。

4.で述べたように両刃の剣状態を回避し、その進化形として、他店とタイアップしながら複合ポイントカードなる物が今後必然的に発生していくだろう。


2004年02月04日(水曜日) #006.ファッションビルにおけるシネコンの底力

上階にシネマコンプレックス(以下シネコン)を構えるファッションビルに梅田E-MAがある。ヒット映画が上映されている時の梅田E-MA自体の集客度は、そうでない時に比べ数10%単位で上昇する。いつもは閑散としている店舗も人だかりが出来、普段の集客度を知る筆者はその光景を見ると異様ささえ感じる。もちろんヒット映画の有無だけがそのビル全体の集客度の鍵を握るわけでは無いが、この集客度の大幅な上昇を見ているとやはりシネコンの存在感は大きいと言わざるを得ない。
その点、定番店舗(ワンフロア全体を使う大型店舗で、生活雑貨などを扱い、対象年齢や対象性別が無く、ファミリーにも需要の在る店舗)を上階に位置させる事も非常に効果的である。
阿倍野フープでは無印良品、ロフト。ヨドバシ梅田ではファイブフォックスブランドのスリーミニッツハピネス。HEPFIVEでは無印良品などがそれにあたる。これら高集客の定番店舗を上階に構えるファッションビルには、多種多様の消費者が集まってくる。各店舗にとって、対象外顧客にも店内を観覧してもらえる事になるので副次的効果は高い。
2006年に南海なんば駅前に建設予定のマルイビルにもシネコンが進出予定されているが、シネコンなどチケット売り場として広いフロアを有する場所は、待ち合わせの場としても最適で待っている人を退屈させない空間でもある。
ファッションビルにおけるシネコンはヒット映画効果だけにとどまらず、人をひきつける魅力ある有難い施設である。


2004年01月28日(水曜日) #005.メガネ業界のタイアップ?

日中の紫外線対策としてのサングラスや、パソコンのディスプレイによる眼精疲労対策としての予防医療的メガネ、ファッションとしての伊達メガネ…。メガネショップというカテゴリーに関しては目の良い人が来る可能性が幾らでもある。筆者もそうだが健眼者の立場で現在のメガネショップを見てみると、リピートしたくなるショップは殆ど見当たらない。3プライスショップや格安メガネの登場はメガネを気軽に買い換える事のできるアイテムに変え”目に着せるファッション”と捉えさせ、着替えるという習慣を浸透させた。しかし依然として店頭は目の悪い人を対象、医療性を前提にしている。それを感じてか健眼者も店内に入ろうとしないし、ショップ側も拒絶傾向にある。ショップに出向いて健眼者であることを伝えるとスーッと引いてしまう。
価格やメガネのバリエーションの選択肢を広げたのなら対象顧客も広げるべきである。健眼者が気軽に入れるような店頭造りが急務だろう。未だ購買意欲のある健眼者を囲いきれていない。
アパレルのユニセックス化、クロスカテゴリー化がそうであったように、メガネショップもクロスカテゴリー化が進化の過程にある。ファッション性を有するメガネ業界においてはアパレルとのタイアップがクロスカテゴリー化の近道ではないだろうか。ブランド単位ではすでに存在しているが、販売チャネルレベルでタイアップすれば健眼者の消費意欲も刺激されるだろう。そのためにはメガネがアパレルの一つのアイテムであると主張し、理解させるようディスプレイを変えなければならないだろう。
ファイブフォックスはヨドバシ梅田にファイブフォックスブランドを展開しているが、メガネショップのコムサオプティークは独立させるのではなく、それぞれのフロア、ブランドに似つかわしいメガネを取り揃えるべきで、そうすれば相乗効果も発揮されるだろう。検眼など専門性を必要とするものは一箇所に設置すれば事足りる。
このカテゴリーにおいて目の良い人、悪い人の細分化はもともと不必要なもので、そのような既成概念は更に見直されるべきである。


2004年01月21日(水曜日) #004.メガネ業界のタイアップ?

近頃盛況しているメガネショップを殆ど見かけ無い。3プライスショップや格安メガネの登場は、消費者にメガネ本来の正常価格を認識させた。これらのショップがオープンした当初、メガネショップとしてはかなりの集客があったが、現在では落ち着き放っている。
他業界では異業種間のコラボレーションが盛んに行われている。2003年の暮れには三城が百貨店インショップの進出が報じられたが、そろそろメガネ業界も異業種とのタイアップが必要ではないだろうか。メガネ業界自体、特有の専門性、医療性を有して例えば店舗の融合などは難しかった。このことについては次回触れる。最近では”アイウェア”として医療性よりファッション性を前面に打ち出す戦略に出ているショップが殆どである。この事実は極自然な進化で、この進化の延長線上に他業界でも盛んに行われている異業種タイアップが存在する。
今や殆どの業界で聖域なる物が無くなってしまった。未だそれらが存在する業界があるが、衰退の一途をたどっている。”新しい物を取り入れるより古い物を捨て去る方が難しい”と言われるが、かつてのメガネ業界も特異な専門性からこれらの悪しき伝統を色濃く残していた。聖域価格を打破し、活気付かせた経験は更なる進化の上で重大な意味を有している。今後メガネ業界の生き残りには異業種タイアップが必須事項となってくるだろう。
大壁は壊された。後は仕切りを壊すだけである。


2004年01月14日(水曜日) #003.商品を手に取れない季節

季節柄、暖房の事について以前から感じていたことを記す。
筆者はこの季節、店内に入ると、片手に上着、もう片手に鞄を持つ。そして店内を散策して・・・
気になる商品がある⇒手にしようとするが両手が塞がっているからやむなく鞄を下に置くが不安定な鞄だから軽く足にはさむようにする⇒狭い店で他の客が後ろを通ろうとする⇒足にはさんでいる鞄が邪魔だから持とうとするが、商品を持っているからアタフタする
冬場はいつもこの構図である。女性なら更に持ち物が多いだろうから商品を両手に持ってじっくり品定めと言うのは実質不可能だろう。両手が塞がっていてはショッピングする気にもなれない。熱気あふれるバーゲンなら更に追い討ちをかけるだろう。客が自分の持ち物でアタフタしながらショッピングしている光景は昔から変わらない。この季節特有の伝統である。
コートを脱がないといけないのは仕方ないだろう。それでも暑い事が多い。現実問題として不可能(従業員の制服などで)であるだろうが、コートでさえ脱がずに済む空調がベストだろう。バッグなどは殆どがぶら下げるものだから、上着を脱がずに済むだけでかなり両手が自由になる。ここまでは要求しないが、殆どの人が立っているような場所(食事する場所など座る場所、上着を置くことが出来るような場所以外)では極力暖房を抑えるべきである。この程度の事であれば今すぐにでも実現可能だろう。エコの観点からもこの意見を愚考だと反発する人も少ないだろう。早急に改善してもらいたい。
この季節のショッピングは肩がこる。


2004年01月07日(水曜日) #002.ホームページ開設にあたって感じてきた事

このホームページを開設するにあたり参考にする為、アパレル関連のページを数多く見てきた。そこで感じたのが”アパレルはスタイリッシュであれば事足りる”という発想がホームページ上から滲み出ている点である。あまりに乏しすぎる発想である。
具体的にはFLASHでホームページを作っている点である。FLASHでホームページを作ってしまうと、動きがあり確かにスタイリッシュではあるが、操作性が犠牲となる。確かに”見た目の良さ”スタイリッシュ性はアパレルに必須ではあるが”魅せ”見せる為のホームページが閲覧性に欠けていては、あまりに馬鹿げている。”魅せ”は”見せる”のキッチリした土台の上にあるべきで、それらを天秤にかけてはならない。
それを知ってか知らぬか、放置しているサイトが多いのには驚く。最低ラインでもHTML専用の入り口は作るべきである。この事は先端性を追求する業界においては、旧態依然であり、恥ずかしむべき事象である。


2004年01月01日(木曜日) #001.ウェブサイト開設のご挨拶

明けましておめでとうございます。ファッションビル研究所は本日、2004年の幕開け元日をもちましてオープン致します。

ファッションビル界では、ヨドバシ梅田の衝撃的なオープンを皮切りに続々と再開発予定が決定し、地盤沈下が進む難波地区でも去年なんばパークスがオープンしました。今後もそれぞれの地域で地盤沈下の食い止め及びより一層活気溢れる街造りの為の再開発が予定されています。梅田地区ではJR大阪駅の新北ビル(2011年春完成予定、三越百貨店入居予定)、心斎橋地域では現在工事中のそごう心斎橋店が2005年秋に14階建てのビルに生まれ変わり、難波地域では南海なんば駅前にマルイビルが建設予定、その他に高島屋大阪店の増床(大阪地域ではこの増床により近鉄百貨店阿倍野店を上回り1番広い売り場面積となる)、天王寺地域では2年前にオープンしたHoopの隣に近鉄百貨店が再び商業施設を建設予定。近年の再開発ラッシュ及び再開発予定には目を見張るものがあります。再開発による集客で街歩く人の流れが完全に変わってしまった地区。逆に再開発の遅れから本来の集客力を発揮できていない地域…。開発当事者にとっては死活問題で冷静に判断できなくても、第三者の視点、一般消費者の視点でそれらの事象を見てみると各ファッションビルの短所長所が容易に浮かび上がります。これからの再開発ラッシュを見守ることは私共にとっても、各マーケティング関係者、研究者、店舗開発業者にとっても格好の研究材料になるもので、非力ながらもこれら関係者の一助となればと思い本サイトをオープンさせて戴きました。
これから末永くファッションビル研究所をよろしくお願いいたします。

ファッションビル研究所 所長